食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04160820149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、新興リスク情報交換連絡会の2013年次報告書を公表
資料日付 2014年11月4日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は11月4日、新興リスク情報交換連絡会の2013年次報告書(2014年10月10日承認)を公表した。概要は以下のとおり。
1. 抄録
 EFSAは2010年、食品及び飼料の安全性に対して起こり得る新興リスク(※1)についてEFSAとEU加盟国の間で情報交換をするために、新興リスク情報交換連絡会(Emerging Risks Exchange Network: EREN)を設置した。この連絡会は現在、(1)EFSAのアドバイザリーフォーラム(訳注:EU加盟国等の食品安全機関の代表者らで構成)を通じて指名された欧州連合(EU)加盟21か国及び欧州自由貿易連合(EFTA)加盟1か国(ノルウェー)の代表団、(2)欧州委員会(EC)、EU加盟候補国、米国食品医薬品庁(FDA)及び国際連合食糧農業機関(FAO) からのオブザーバーによって構成されている。
 この連絡会は、2013年に会合を3回開催した。この連絡会では、EFSAの科学委員会及び新興リスクユニットが開発した標準的なテンプレートを用いて提出及び評価された計16件の潜在的な新興事案(※2)のシグナル(※3)について議論した。これらのシグナルのうち10件はEFSAから出され、6件はEU加盟国から出されたものである。
 議論された事案は、(1)微生物学的ハザード、(2)生物毒素、(3)化学物質のハザード、(4)違法行為、(5)新しい消費者動向、(6)新しい技術・製法、(7)動物衛生、(8)環境汚染、(9)新しい分析法、(10)新しい食品包装技術の各分野のものであった。さらに検討する価値があるこれらの事案は、EFSAの科学委員会の「新興リスクに関する常設作業部会」で話し合われる。
2. ERENで議論された潜在的な新興事案16件
(1)ノロウイルス遺伝子型II.4の新型変異株の出現に伴うノロウイルス活動性の増加(EFSA提出)
(2)人獣共通感染症又は食中毒の潜在的な病原体としてのクロストリジウム・ディフィシル(EFSA提出)
(3)2012年のオランダ、英国及びドイツにおけるクリプトスポリジウム感染症の増加(EFSA提出)
(4)マイクロプラスチック粒子による環境汚染に由来するフードチェーン汚染(加盟国提出)
(5)食品接触材料用途のビスフェノールAの代替品(EFSA提出)
(6)イタリアにおける肝吸虫症(EFSA提出)
(7)ランピースキン病(EFSA提出)
(8)サプリメントへのシアノトキシンの混入(EFSA提出)
(9)潜在的な相乗毒性の例:カドミウムとクロルピリホス(EFSA提出)
(10)小麦収穫物:低品質と低収量(加盟国提出)
(11)魚介類の代用と偽装表示(加盟国提出)
(12)シナモン暴露:短時間内におけるシナモンの大量摂取(加盟国提出)
(13)腸管外病原性大腸菌(ExPEC)(加盟国提出)
(14)マスクドマイコトキシン(訳注:マイコトキシン配糖体といった植物の生体内で化学構造が変化したかび毒) (EFSA提出)
(15)化学物質のリスク評価の規定の検査におけるエピジェネティックな評価項目(EFSA提出)
(16)3Dプリント食品(加盟国提出)
(訳注)
※1:新興リスクとは、EFSAの科学委員会が2007年に採択した定義によると、ヒトの健康及び動植物衛生に対する (1)有意な暴露量が生じる可能性がある新たに同定されたハザード、又は(2)既知のハザードに対する予期せぬ新しい或いは増加した有意な暴露量及び/或いは感受性に起因するリスクと解釈されている。
※2:新興事案とは、ごく最近に特定された、さらに調査する価値がある問題(収集した知見がまだ限られており、新興リスクの要件を満たすかどうか評価できない)と定義することができると本報告書に記載されている。例として、特定の化学物質や病原体、遺伝的に感受性の高い特定の住民集団、気候変動などが挙げられている。
※3:シグナルは、指標値の時間的あるいは空間的な傾向として特定され、そうしたシグナル若しくは数シグナルの組合せによって新興リスクが示される可能性がある、とEFSAの「新興リスクの分野における利害関係団体の活動に関する報告書」(2011年6月29日公表)で説明されている。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/doc/682e.pdf