食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu03801380314 |
タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、ドイツで初めて発生した魚の摂取後のシガテラ毒中毒の調査結果を公表 |
資料日付 | 2013年4月11日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は4月11日、ドイツで初めて発生した魚の摂取後のシガテラ毒中毒の調査結果を公表した。概要は以下のとおり。 シガテラ毒中毒の症状は通常、初期の吐き気、おう吐及び下痢の後に、やけど、ちくちくする傷み及びドライアイスに触れたときに感じるような痛みなどの極めて不快な感覚を訴える。このような症状は数週間から、時には数か月間続く場合がある。魚を摂取した後にこれらの症状が出た場合は、シガテラ毒中毒である可能性が高い。 2012年の年末に、国立海洋性生物毒リファレンス研究所及びBfRの毒性評価文書管理センターは、北ドイツ毒性情報センターなどの公衆衛生及び獣疫当局から、鯛の切身を摂取した後に生じた当該食中毒14件の報告を受けた。 この中毒は、いわゆる渦鞭毛藻類に属する藻類が産生する代謝産物によって引き起こされる。当該藻類は、カリブ海、インド洋及び太平洋の亜熱帯及び熱帯水域のサンゴ礁に生息する。 当該藻類は海藻を餌とする魚の餌となる。その魚を餌として捕食した魚が毒素を蓄積し、ヒトのフードチェーンに入り込む。 「シガテラ毒中毒は、魚が原因の食中毒では全世界で最も多い食中毒のひとつだが、最近までは特定の地域でしか発生しなかった。熱帯魚及び亜熱帯魚の貿易が世界規模で行われていることから、シガテラ毒中毒の発生件数の増加が見込まれる」と、BfR所長は語る。 BfRは、食中毒患者が喫食した魚料理の食べ残しを、問題となった魚のロットと共にスペインのビーゴにある欧州海洋性生物毒リファレンス研究所(EURL)に送った。同研究所が2012年に開発した分析手法により、当該検体にはシガテラ毒が含まれていたと判明した。 今回の集団食中毒は、ドイツ国内で購入された魚の摂取が原因となった初めての事例である。調査の結果、インドから輸入された鯛の切身が原因であった。問題となった輸入貨物は、食中毒発生が公表された後、直ちに回収された。 非常に低い濃度で中毒症状を引き起こすシガテラ毒は、極めて精密な分析手法が要求される。 EURLは、2012年にシガテラ毒の検出及び分析手法を開発し、今回の食中毒に関連してドイツで採取された魚のほとんどの検体からシガテラ毒を検出した。しかしながらこの手法は、定期検査で用いられるまでには至っていない。 魚にシガテラ毒が含まれているかを消費者が判断する方法はない。シガテラ毒による汚染は、フライなどの加熱調理を行っても低減しない。したがって、熱帯又は亜熱帯の漁場のサンゴ礁から遠く離れて生息する魚のみが市場に出回っている場合は、消費者がシガテラ毒のリスクを低減できる可能性がある。また、熱帯又は亜熱帯の漁場からもたらされる捕食魚全般の摂取を控えることも必要である。さらに、当該魚製品の原産国証明は文書により総合的に管理され、トレーサビリティが徹底されなければならない。 シガテラ毒中毒症の症状には、現在のところ特定の治療法はない。 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(化学物質)No.9/2013(2013.05.01)P13~14 http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html |
地域 | 欧州 |
国・地方 | ドイツ |
情報源(公的機関) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
情報源(報道) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
URL | http://www.bfr.bund.de/de/presseinformation/2013/09/erbrechen__durchfall_und_kaelteschmerz_nach_fischverzehr-133266.html |