食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03700920482
タイトル 香港食物環境衛生署食物安全センター、「エネルギードリンクの安全性」に関するリスク情報を公表
資料日付 2012年10月24日
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分類2 -
概要(記事)  香港食物環境衛生署食物安全センターは10月24日、「エネルギードリンクの安全性」に関するリスク情報を公表した。概要は以下のとおり。
1. 序言
(1)近年、複数の国でエネルギードリンクの飲用が原因と疑われる不整脈、てんかん、腎不全、死亡事例が発生している。これらの事例は一般的に、アルコールを含む飲料を同時に飲用したり、推奨量を上回って飲用したりする等、不適切な飲用と関係している。例えば、2011年に米国で1人の少女がエネルギードリンク「Monster Energy」を1.5L飲用した後に死亡した。また、2008年には基礎心疾患のある英国人男性がエネルギードリンク「Red Bull」を大量に飲用した後に死亡している。さらに、2001年にはスウェーデンで1人の女性がパーティーで「Red Bull」とウォッカを同時に飲用した後、ダンス中に突然倒れ、その後死亡した。
(2)エネルギー飲料は神経系を刺激することにより覚醒作用を示す。アルコールを含まないこれらの飲料には、カフェインやビタミンB類等のエネルギーを高める成分のほか、タウリンやグルクロノラクトン(炭水化物)等その他の成分が添加されている。
エネルギー飲料はスポーツドリンクと混同すべきではない。後者は水分のほか、糖分、ナトリウムやカリウムのようなミネラルも補給することができる。
(3)ウォッカやビールを混ぜたエネルギードリンクはバーやクラブで人気があり、各国の若者の間で流行している。また、激しい身体活動を行う際にエネルギーを維持するためにエネルギードリンクを飲む人や、運動後に喉の渇きをいやすために飲む人もいる。しかし、これらの飲料は体内の水分を補充しないばかりか、実際は脱水症状を引き起こすこともある。
2. 安全性及び公衆衛生への影響
(1)エネルギードリンク一缶に含まれるカフェインの量はコーヒー一杯分に相当する。エネルギードリンクに含まれるその他の成分、例えばタウリンやグルクロノラクトンは食品中にも天然に存在し、私達の体内でも生成される。カフェインは子どもやカフェインに敏感な人に緊張や焦慮等といったマイナスの影響を及ぼすことがあるが、エネルギードリンクに含まれるその他の物質が健康に深刻な影響を及ぼすとの証拠はない。
(2)しかしながら、欧州連合(EU)の食品科学委員会(SFC)は、エネルギードリンクが健康に及ぼすマイナスの影響について、エネルギードリンクの成分、アルコール、運動の相互作用と関係している可能性があるとの見解を示している。エネルギードリンクの成分、アルコール、運動の相互作用は恐らく、中枢神経系(アルコール中毒の感覚を弱める)、腎臓(短時間で体内の水分とナトリウムの排出を促進させる)、心血管系(短時間で心拍と血圧を変化させる)で出現する。これらの影響は消費者の健康リスクとなることがある。
3. 規制
(1)香港、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール等の国々やEU諸国の一部の国では、エネルギードリンクの販売は合法である。
(2)コーデックス委員会は現在のところ、エネルギードリンクに関する規格を設定していない。香港においても、エネルギードリンクを規制する具体的な法律はない。しかし、オーストラリアはカフェインを配合した飲料(エネルギードリンク)中のカフェイン含有量について、下限を145mg/L、上限を320mg/Lと規定している。
4. 市民への助言
(1)エネルギードリンクは子ども、妊婦、カフェインに敏感な人には適さない。
(2)エネルギードリンクは、中枢神経系に影響する物質(アルコールを含む飲料や中枢神経系に作用する医薬品)と同時に摂取するべきではない。
(3)エネルギードリンクを過度に飲用してはならない。表示された推奨量に従うこと(表示がある場合)。
(4)喉の渇きをいやすため、又は運動時の水分補給のためにエネルギードリンクを飲用してはならない。激しい身体活動に従事したり、激しい運動をしたりする場合は、十分な水で体の水分を補給すべきである。
5. 業界への助言(省略)
 英語版は以下のURLから入手可能。
http://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_rafs/programme_rafs_fci_02_01.html
地域 アジア
国・地方 香港
情報源(公的機関) 香港食物環境衛生署食物安全センター
情報源(報道) 香港食物環境衛生署食物安全センター
URL http://www.cfs.gov.hk/sc_chi/programme/programme_rafs/programme_rafs_fci_02_01.html