食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu03461150482 |
タイトル | 香港食物環境衛生署食物安全センター、一般向けの月刊ニュースレター「Food Safety Focus」2011年10月号を発行 |
資料日付 | 2011年10月19日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 香港食物環境衛生署食物安全センターは10月19日、中国語・英語併記による月刊ニュースレター「Food Safety Focus」の10月号(第63号、PDF版4ページ)を発行した。概要は以下のとおり。 1. 注目の出来事:野菜とクロム汚染 中国雲南省曲靖市でクロム鉱さいが不法投棄されていた問題で、今年8月末、不法投棄場所から約3km離れた、香港向け輸出用作物を栽培する農場で採取された野菜から0.21mg/kg~0.64mg/kgのクロムが検出されたとの報道があった。このことから、今号ではクロムについて解説している。 (1)クロム-自然界から食品へ クロムとその化合物は自然界に広く存在する。クロムは主に岩石・土壌・植物・動物等に含まれるが、そのうち大半は金属クロム及び三価クロムである。六価クロムは主に工業活動により放出される。三価クロムは人体に必要な栄養素である。 (2)クロムの毒性及び発がん性 三価クロムと金属クロムは非発がん性物質だが、三価クロムを過量に摂取すると心停止に至る場合がある。 また、50~70mg/kg体重の六価クロムを摂取すると急性中毒となることがあり、肝臓や腎臓に損傷を与える場合がある。六価クロム化合物を長期的に摂取すると、皮膚・気道・腎臓・肝臓・胃腸・循環器に損傷を与えることがある。国際がん研究機関(IARC)は六価クロムについて、作業環境中で吸い込んだ場合に呼吸器がんとなる可能性があるとしているが、経口摂取による発がん性は未だ証明されていない。 (3)香港の規制 食物安全センターは野菜、特に当該地区の農場から輸入された野菜についてクロムの検査を強化した。8月末から9月中旬までに検査した148検体のうち、3検体から総クロム0.05ppm~0.06ppmが検出されたが、いずれも基準値である1ppmを大きく下回っており、すべて合格だった。 日常的なサーベイランスでは、2010年1月から2011年8月までに検査した野菜944検体のうち6検体(全体の0.6%)から0.07mg/kg~0.6mg/kgの総クロムが検出された。中国の基準値である0.5mg/kgを上回ったのはわずか1検体のみだった。食物安全センターが香港の食品消費量に関する資料を用いてリスク評価を行った結果、市民の健康に影響を及ぼさないことが示された。また、リスク評価では、香港が設定した野菜に対する総クロムの基準値1ppmは市民の健康に影響を及ぼさないとの認識を示した。 (4)市民への助言 省略 (5)業界への助言 省略 2. 食品安全プラットフォーム:食品加工過程で生じる食品汚染物質 加工過程で生じる汚染物質とは、ある食品の加工過程において意図せずに生成する化学物質を指す。中には有害なもの又は発がん性を示すものもある。今号では、加工調理別に発生する汚染物質を紹介している。 (1)乾式加熱調理(揚げる、焼く等) アクリルアミド、多環芳香族炭化水素、ヘテロサイクリックアミン類 (2)発酵及び酸加水分解 カルバミン酸エチル、3-クロロ-1 ,2-プロパンジオール(3-MCPD) (3)加工過程で生じる汚染物質の低減 加工過程において食品中に汚染物質が生成されることは避けられないが、加熱温度を下げたり、加熱時間を短くしたりすることで汚染物質を低減することができる。各国の食品安全当局及び食品業界は、食品加工中の汚染物質の生成メカニズムを研究し、汚染物質の生成を低減させる方法を制定する等している。消費者の観点から言えば、バランスのとれた食事をし、特定の食品(アルコール飲料・揚げ物・焼き物・発酵食品等)を摂りすぎないようにすれば、加工過程で生成される汚染物質の摂取を減らすことができる。 3. 食品事故 (1)ナマコに使用される苛性ソーダ 省略 (2)燕の巣中の亜硝酸塩及び硝酸塩含有量 中国において血燕(訳注:食用の燕の巣、その中でも最高級とされるもの)中から高濃度の亜硝酸塩が検出された事件を受け、香港のある大学が燕の巣に含まれる亜硝酸塩及び硝酸塩に関する研究を行った。その結果、燕の巣67検体すべてにこれら2種類の化学物質が含まれていた。含有量には大きな差がみられたが、平均含有量が最も多かったのは血燕だった。香港では燕の巣への硝酸塩及び亜硝酸塩の添加を禁じている。しかし、燕の巣に天然に含まれる亜硝酸塩及び硝酸塩には規定は適用されない。なぜ燕の巣に亜硝酸塩が天然に含まれるのかについてはあまり解明されていないが、発酵過程において亜硝酸塩が生成され、含有量の差は環境汚染の程度によって生じるのではないかとの見方もある。 4. リスクコミュニケーション関連業務の概要 |
地域 | アジア |
国・地方 | 香港 |
情報源(公的機関) | 香港食物環境衛生署食物安全センター |
情報源(報道) | 香港食物環境衛生署食物安全センター |
URL | http://www.cfs.gov.hk/sc_chi/multimedia/multimedia_pub/files/FSF63_2011-10-19.pdf |