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資料管理ID syu03390340462
タイトル カナダ保健省病害虫管理規制局(PMRA)、殺菌剤メトコナゾールの評価レポートを公表
資料日付 2011年7月5日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  カナダ保健省病害虫管理規制局(PMRA)は7月5日、殺菌剤メトコナゾールの評価レポートを公表した。
 有効成分のメトコナゾールは単回経口投与でラットには中程度の毒性及びマウスには強い毒性がある。また、皮膚や吸引で低毒性である。また、ウサギの目には軽度の刺激性があり、モルモットには潜在的皮膚感作性がある。これらのことから「危険-毒物」、「眼刺激性」及び「皮膚感作性」などのシグナル・ワードのラベル表示が必要である。農薬製剤Caramba Fungicideはラットに弱い経口、経皮、吸入毒性がある。ウサギには眼刺激性があるが、皮膚刺激性はない。またモルモットには皮膚感作性はない。よって、「警告-眼刺激性」のシグナル・ワードのラベル表示が必要である。
 メトコナゾールに遺伝毒性はないが、マウスに発がん性があり、ラットには発がん性は見られない。発がんリスク評価がマウスの皮膚がんに基づいて実施された。
 長期にわたりメトコナゾールを反復投与した結果、体重減少、血液への影響(再生性貧血)及び肝臓、脾臓、副腎の組織学的変化などの初発徴候の所見があった。ただし、当該農薬の人への暴露量は、動物実験で影響が現れた最低量をはるかに下回っていることが確実であるため、リスク評価により上記の影響を防ぐことが可能である。
 メトコナゾールを妊娠した動物に与えると、頭骸顔面奇形の増加が観察された。母獣には毒性がない量でも胎仔への影響が観察されたことから、胎仔は成獣よりも当該農薬に対して感受性が高いことが示された。それゆえ、リスク評価実施中にメトコナゾールへのヒトの暴露許容量の低減を図るために追加的な保護措置を講じた。
 食事全体(食品と水)摂取量の推定値から一般集団及び体重比でメトコナゾールの摂取量が最も多い亜集団である子供の暴露量は一日摂取許容量(ADI)の33.9%未満と考えられることが判明した。その結果、食事経由での当該農薬の慢性リスクは、全ての消費者にとって懸念を生じることはない。当該農薬使用による食事経由の生涯発がんリスクは受容できると考えられる。
 さらに、当該農薬の単回投与によって、一般的な消費者に急性の健康影響を引き起こす可能性はない。13歳~49歳の女性の食事経由での全体的な当該農薬推定摂取量は、急性参照用量の50.1%で、健康に影響を及ぼす懸念はない。
 評価の結果、認可された使用状況下において当該農薬は健康や環境に許容できないリスクをもたらすことはないことが明らかとなったため、PMRAは、大麦、えん麦、ライ麦、小麦、大豆及びてんさいの真菌病の抑制に使用する殺菌剤メトコナゾールを有効成分とする農薬原体Metconazole Fungicide Technical及び Caramba Fungicideのカナダにおける販売と使用について暫定登録を承認した。
 リスクや値が受容可能であると考えられるとしても、リスク低減対策が必要であり、登録の条件として登録者は追加の科学的情報を提出しなければならないものとする。
地域 北米
国・地方 カナダ
情報源(公的機関) カナダ保健省病害虫管理規制局(PMRA)
情報源(報道) カナダ保健省病害虫管理規制局(PMRA)
URL http://www.hc-sc.gc.ca/cps-spc/pubs/pest/_decisions/erc2011-02/index-eng.php