食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu03320210149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、香料グループ評価11改訂2:脂肪族ジアルコール類、ジケトン類及びヒドロキシケトン類に関する科学的意見書を公表 |
資料日付 | 2011年2月25日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は2月25日、香料グループ評価11改訂2:脂肪族ジアルコール類、ジケトン類及びヒドロキシケトン類に関する科学的意見書(2009年6月17日採択)を公表した。概要は以下のとおり。 1. 本グループ評価には12評価対象物質が含まれ、α-ジケトン類又はそれらに相当するアルコール類或いはケタール類が9物質、β-ジケトン類又はそれらに相当するβ-ヒドロキシケトン類(このうち1物質は第三級アルコール)が3物質で、すべて化学物質グループ8及び10に属する。評価対象物質のうち5物質は構造クラスIに、6物質は構造クラスIIに、1物質は構造クラスIIIに分類される。本グループの当該12評価対象物質のうち8物質は、広範な食品品目において自然に存在することが報告されている。 2. 標準的MSDI法(訳注:香料の年間生産量から摂取量を推定する手法)によると、当該12評価対象物質の欧州における推定摂取量は0.0012μg/人/日~15μg/人/日の範囲であり、構造クラスI、II、IIIの許容摂取値(それぞれ1 ,800μg/人/日、540μg/人/日、90μg/人/日)を下回る。欧州で報告された年間生産量に基づくと(MSDI法)、構造クラスI、II又はIIIに分類された当該評価対象物質の複合摂取量は22μg/人/日になる。この複合摂取量は、構造クラスI、II又はIIIに属する物質の許容摂取値を超えない。当該物質の安全性を確認する物質はすべて構造クラスIIに分類される。評価対象物質及び安全性確認物質の総複合摂取量は約4 ,600μg/人/日になり、構造クラスIIの許容摂取値(540μg/人/日)を超える。しかし、効率的な代謝に関する知見及び内因性化合物として体内に存在することを根拠として、評価対象物質及び安全性確認物質の複合摂取量による安全性上の懸念はない。 3. 評価対象物質の3-メチル-2 ,4-ノナジオンは、ペンタン-2 ,4-ジオンに類似した2 ,4-ジオンの構造を有する部分を含んでいる。この構造に関して利用可能な唯一の遺伝毒性データは、S. typhimurium及びE. coliを用いていずれも陰性であった未公表のGLP(優良試験所基準)適合試験である。サルモネラ属菌を用いたGLP適合試験でペンタン-2 ,4-ジオンに同様の陰性結果が出たが、ほかのin vitro及びin vivo試験では、遺伝毒性の陽性結果が出た。遺伝毒性が予想される構造(2 ,4-ジオン構造)に対する警戒のため、3-メチル-2 ,4-ノナジオンにWHO/FAO合同食品添加物専門家会議(JECFA)の評価手順(訳注:摂取量、構造活性相関、代謝及び毒性に関する情報を統合する段階的な手法)は適用されず、したがって遺伝毒性に関する追加データが求められた。しかし、残りの11評価対象物質に利用可能な遺伝毒性データは、JECFA手順に用いた当該物質の評価を妨げない。JECFA手順で評価された当該11香料物質のうち10物質は、無害な代謝物に代謝されると思われる。残る評価対象物質のジアセチルトリマー(diacetyl-trimer)については、利用可能なデータによって、無害な代謝物に加水分解することが予見できない。意図された用途の条件下において当該物質又は構造類似物質に十分な安全マージンを与えるための無毒性量(NOAEL)がないため、追加データが必要である。 4. 標準的MSDI法に基づくと、JECFA手順で評価された当該11香料物質のうち10物質は、香料物質としての用途由来の推定摂取量において安全性上の懸念を引き起こさないと考えられる。 5. mTAMDI法(訳注:食品摂取量と香料添加率から摂取量を推定する手法)を用いた場合、構造クラスIの5評価対象物質の推定摂取量は1 ,600μg/人/日~3 ,900μg/人/日の範囲であった。このうち1物質の推定摂取量は、構造クラスIの許容摂取値の1 ,800μg/人/日を超える。構造クラスIIに分類される6物質のmTAMDI法による推定摂取量は1 ,500μg/人/日~5 ,400μg/人/日の範囲で、構造クラスIIの許容摂取値の540μg/人/日を超える。構造クラスIIIの1物質のmTAMDI法による推定摂取量は1 ,600μg/人/日で、構造クラスIIIの許容摂取値の90μg/人/日を超える。また、mTAMDI法による推定摂取量が構造クラスIの許容摂取値を下回る4物質については、無害な代謝物に代謝されると思われる。JECFA手順で評価された当該11香料物質のうち7物質のmTAMDI法に基づく推定摂取量は、各香料物質が分類されている構造クラスの摂取許容値を超過した。したがって、信頼性のより高い暴露データが必要である。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/doc/1170.pdf |