食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03280890475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)菌DSM 17938株を乳幼児用調製粉乳の成分として使用することの安全性評価について意見書を提出
資料日付 2011年1月6日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)はラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)菌DSM 17938株を乳幼児用調製粉乳の成分として使用することの安全性評価について競争消費不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受けて2010年12月14日付で意見書を提出した。
 本評価書の対象となるL. reuteri DSM 17938株はヒトの乳から分離したL. reuteri ATCC 55730株を親株とするものである。L. reuteri種の株、特にL. reuteri ATCC 55730株は長年様々な食品の成分として使用されている(例:ヨーグルトを始めとする発酵乳)。
 L. reuteri ATCC 55730株は4つのプラスミド(pLR580、pLR581、pLR584及びpLR585)を含んでおり、この内の2つのプラスミド(pLR581 とpLR585)は抗生物質(テトラサイクリン及びリンコマイシン)耐性をコード化する。テトラサイクリン耐性遺伝子の転移がないこと示す臨床研究論文が一つ最近発表されているが、意図せず転移する可能性を排除していないのでこの二つのプラスミドの存在は潜在的なリスクとなる(Egervarn et al.
, 2010)。抗生物質耐性をコード化する遺伝子の転移リスクを排除するためにこれら2つのプラスミドを欠失させたものがL. reuteri DSM 17938株である(Rosander et al.
, 2008)。
 最近L. reuteri DSM 17938株で実施された未発表臨床試験及びL. reuteri ATCC 55730株で実施したL. reuteri DSM 17938株に適した方法での試験は濃度が10の8乗cfu/日になるまで有害作用を示していない。ANSESはL. reuteri DSM 17938株を乳幼児の調製粉乳の成分として使用してもこの濃度まで安全性は実証されたと考える。
 ANSESは濃度が10の8乗cfu/日を超えるものについての文献データは、L. reuteri DSM 17938株を乳幼児の調製粉乳の成分としてこのような濃度で使用した場合の安全性について結論を出すには不十分であると考える。
 ANSESは申請者の資料で得られる情報からは生産段階や保存中の最終製品に含まれるL. reuteriの実際の濃度を検証することができないと考える。よって情報要素が欠けているのでANSESはL. reuteri DSM 17938株を調製粉乳に使用した場合の安全性について判断することができないと考える。
 未熟児または消化器系外科処置既往歴のある子供で実施した試験がないのでANSESはこれらの集団に使用することは勧められないと考える。
 L. reuteri DSM 17938の使用と腸の不快感や乳幼児の泣く時間の関係に関するデータに関しては、ANSESは提出された臨床試験のうち、文献の幾つかは公表されておらず、また文献の数も非常に少なく、しかも身体が小さな集団について試験したもののみであることを付言しておく。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.afssa.fr/Documents/NUT2009sa0308.pdf