食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu03280590106 |
タイトル | 米国食品安全検査局(FSIS)、「家きん・殻つき卵・卵製品における高病原性鳥インフルエンザウイルスが公衆衛生に与える影響に係る省庁横断リスク評価書」を発表 |
資料日付 | 2010年5月31日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 米国食品安全検査局(FSIS)は5月、米国食品医薬品庁(FDA)及び米国農務省動植物検疫局(APHIS)と共同で、家きん・殻つき卵・卵製品における高病原性鳥インフルエンザウイルスが公衆衛生に与える影響に係る定量的リスク評価書を作成した。評価の目的は、(1)高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)ウイルスに汚染された家きんとその殻つき卵や卵製品の喫食による発病の可能性を推測し、(2)ウイルスが米国で検出された場合の制圧対策の有効性を検証することにある。概要は以下のとおり。 1. 家きんモデル 家きんの群がHPAIウイルスに暴露した場合、使用したモデルの予測ではおよそ95%(鶏)と98%(七面鳥)の確率で、当該群は処理前にHPAIウイルス陽性と判定され、流通経路には入らない。理由は、肥育期の初期段階で感染した群の場合、高い致死率(1日に群の0.1%~0.6%)を呈するまでに十分な期間があるため、その間に陽性と判定されるからである。 感染鳥は、約5%(鶏)と2%(七面鳥)の確率で処理場に入るとみられる。これが生じるのは、出荷体重に近づいていて、農場で高い致死率を呈するまでの期間が十分にない群が感染した場合である。この場合、感染した家きんの肉がわずかではあるが流通経路に入り得る。 農場でのウイルス検査は対策効果が極めて大きく、処理場へ移送する直前に検査を行えば、病気を約94%減らすことができる。 群の致死率を毎日監視する農場でのサーベイランスを強化することで、ヒトの暴露や感染を減らすことができる。ただしモデルの予測では、1日だけの致死率を見て感染群をすべて発見しようとするのは無理である。理由は、感染した鳥が死ぬまでに36~42時間かかるため、肥育期の後期段階で感染した群では、鳥が死ぬことはほとんどないからである。 FSISが推奨している165°F(74℃)で家きん肉を加熱調理すればリスクは無視できる。汚染された肉から未加熱で喫食する食品への交差汚染により、感染率は1.3%高まる。 早期発見策として罹患率と飼料採食量を用いる方法を評価した。目視による罹患率の確認を取り入れることで、処理場への出荷前に95.5%の確率で感染群を発見できる。これによりヒトの感染は8倍まで減ると期待される。飼料採食量の確認を行えば、同じく96%の確率で感染鳥が食肉処理場へ送られることがなくなり、ヒトの感染は23倍程度まで減らせる。 2. 殻つき卵・卵製品モデル 10万羽の雌鶏が感染した場合、ベースラインのシナリオに基づく予測では、陽性が判明するまでにウイルスに汚染された鶏卵1 ,083個が生産されることになる。しかし、このベースラインモデルの予測では、ヒトへの感染は皆無である。理由は、汚染された鶏卵の99.99%以上が陽性診断時には流通チェーンに留まっており、消費者の手には届いていないからである。 対策として、汚染卵を流通経路から排除することで潜在的暴露の機会を減らすことができる。効果は何日で市場から撤去できるかにかかってくる。モデルの予測では、2日間あれば98%以上の確率で撤去可能であった。 同評価報告書(全164ページ)は以下のURLから入手可能。 http://www.fsis.usda.gov/PDF/HPAI_Risk_Assess_May2010.pdf |
地域 | 北米 |
国・地方 | 米国 |
情報源(公的機関) | 米国/食品安全検査局(FSIS) |
情報源(報道) | 米国食品安全検査局(FSIS) |
URL | http://www.fsis.usda.gov/PDF/HPAI_Risk_Assess_ExecSumm_May2010.pdf |