食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03250720475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、マグノリア(木蓮:magnolia)の皮のエキスの新規開発食品・食品成分(NI)の認可申請について意見書を提出
資料日付 2010年11月1日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、超臨界二酸化炭素で抽出したマグノリア(木蓮:magnolia)の皮のエキスを新規開発食品・食品成分(NI)として市場流通させる認可申請について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受けて2010年9月16日付で意見書を提出した。
 本申請は新規開発食品成分・新規開発食品(NI)に関する欧州規則EC No.258/97に基づいて提出されたものである。NIはマグノリア・オフィキナリス・ビロバ(Magnolia officinalis ssp biloba)の皮から超臨界二酸化炭素抽出技術で得られたエキスである。用途はブレスケアで、チューインガムやタブレットに最大含有量0.2%、それぞれ2.8 mg及び3 mg/1回分とするものである。最初の評価報告書は英国食品基準庁(FSA)によって作成された。
 本NIは茶色の粉末でアルコールに溶け、水に不溶である。当該NIの主たる成分(94%以上)は、マグノロール(5
,5’-diallyl-2
,2’dihydroxybiphenyl:5
,5’-ジアリル-2
,2’ジヒドロキシビフェニル)とホオノキオール(5
,3’-diallyl-2
,4’-dihydroxybiphenyl:5
,3’-ジアリル-2
,4’-ジヒドロキシビフェニル)である。その他にオイデスモール及びその異性体の合計2%、水分5%、ヒ素(最大)0.5 ppm、鉛(最大)0.5 ppm、総重金属(最大)10 ppm、メチルオイゲノール(最大)最大50 ppm、ツボクラリン(最大)2 ppm、総アルカロイド(最大)100 ppmが含まれている。
 ANSESは、M. officinalisは潜在的に有毒なセスキテルペン化合物とネオリグナン類などのアルカロイドを含んでいるが、抽出後NIにおける含有量が充分に低く消費者にリスクを引起すものではないと考える。しかし、ANSESは数種のマグノリアでビスベンジルイソキノリン類のようなイソキノリン型アルカロイドや三級アルカロイドを含有していることを指摘する。これらの細胞毒性アルカロイド類はM. officinalisには存在しないが、混入の可能性があるので申請者は当該エキスが申請書に記載の植物種によってのみ製造されており且つ他の種で代替されていないことを保証する必要がある。加えて、ANSESはマイコトキシンの有無の検査が行われていないことも指摘した。
 申請者が考えている使用条件に基づけば、最も高い暴露を受ける層は青少年で:
・チューインガムで6.5 mg/日(平均)から28 mg/日(95パーセンタイル)、即ち0.13~0.56 mg/kg体重/日
・タブレットで7.3 mg/日(平均)から23.2 mg/日(95パーセンタイル)、即ち0.15~0.46 mg/kg体重/日
 4~11歳の子供の体重で算出した最も高い暴露量は:
・チューインガムで0.21 mg/日(平均)から0.6 mg/kg体重/日(95パーセンタイル)
・タブレットで0.22 mg/日(平均)から1.04 mg/kg体重/日(95パーセンタイル)
 NIは不愉快な味で0.2%を超えると、この感覚を隠すことができなくなるので感覚受容性の面からこのNIの使用量は自ずと抑制される。
 ラットを使った90日間の亜急性毒性試験ではマグノロール94%とホオノキオール2%を含むマグノリアのエキスを0、60、120、及び240 mg/kg体重/日の用量で投与した実験では、対照動物と比較して、ある種の統計的に有意な影響が頻繁に観察されたが、用量影響関係はなく組織学的影響も観察されなかった(ビリルビンと血中ナトリウム上昇、尿中カリウムが低下、脾臓、甲状腺、腎臓などの臓器重量の差)。
 これらの実験結果から無毒性量(NOAEL)が240 mg/kg体重/日に設定された。
 NIの遺伝毒性試験(変異原性試験(エームス試験)、染色体異常試験、小核試験)がin vitro及び/またはin vivoで実施され、異常は観察されなかった。
 NIの主要成分のマグノロールとホオノキオールの濃度及び安全性に関するデータは、NIの使用に関する安全レベルを把握するのに充分であった。
 NIの副成分は適合する有効な方法で定量され、それらの含有量は僅かであることを保証するものであった。
 ANSESは、エキスの成分濃度における毒性の面では、提出された科学的データは、申請者が提案するNIの使用に関する安全レベルは受け容れることができるものであると考える。しかし、申請者が提出したNI使用データは抽出プロセスに使用した原料の植物学上の種を確定するには不十分である。特別に地理上の地域を明らかにし、抽出用に出荷されたロットの植物学上の種を日常的にモニタリングに関与する係官の資格・身分を明らかにすることが必要であると考える。
 ANSESは更に、当該NIの以下の生産プロセスの詳細を明らかにすることが必要であると考える。
・原料植物の生産場所と抽出作業場所の間におけるHACCP規則の遵守
・収穫後及び保管中に適用する可能性がある処理
・収穫後の農薬剤または薫蒸による汚染リスク
・マイコトキシンの存在の可能性
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL http://www.afssa.fr/Documents/NUT2010sa0177.pdf