食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03250700343
タイトル フランス衛生監視研究所(InVS)、InVS機関誌「衛生監視報告(BVS)」フランス北部バース・ノルマンディ地域の届出疾病調査特集号を発行
資料日付 2010年11月12日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス衛生監視研究所(InVS)は11月12日、InVS機関誌「衛生監視報告:BVS」2010年11月号にてバース・ノルマンディ地域(※訳注)の届出疾病調査特集号を発行した。目次と食品に関する疾病の概要は次のとおり。
1. 届出疾病のサーベイランス:制度の紹介
2. 急性A型肝炎2006~2008年疫学報告
 感染は血清中のA型肝炎ウイルスIgM抗体の有無で決定した。2006~2008年の当該地域圏の感染者合計は53人(フランス全土では3
,557人)、罹患率は人口100
,000人あたり1.2であった。患者の約半数は8~9月に発症している。男女比は1.2(男性29/女性24)、年齢幅は4~84歳で中央値は27歳であった。男性の罹患率は1.1、女性は1.3であった。罹患率が最も高い年齢層は6~15歳で、罹患率は2.8であった。
 症状については、情報が得られた48人の患者全員に衰弱、食欲不振、発熱、嘔吐、腹痛、下痢の1つまたは複数の症状がみられた。黄疸は90%に現れた。26%は入院治療を受けた。
 リスク暴露については、43人中23人は身近な人々が感染源で、そのうち18人は感染源が家族であった。8人(19%)は自宅で3歳未満の子供と接触していた。
 16人は発症の2~6週間前にフランス本土以外に滞在していた。14人はA型肝炎が風土病化している北アフリカ、セネガル、モーリタニアに、それ以外では1人がベルギーに、残りの1人は米国に滞在していた。
 フランスにおける原因食品としては、9人が発症前に海産物を摂取していた。そのうち2人はカキを食べていた。
3. 集団食中毒2000~2008年疫学報告
 2000~2008年に当該地域圏で発生した集団食中毒は139件(2.1%)であった(フランス全土では6
,730件)。2003年から届出数は増加していたが、2007~2008年は年間18件に留まっている。
 患者数は集団食中毒139件で2
,154人、1件あたりの暴露者は2~800人であり、中央値は33人であった。1件あたりの感染者の中央値は7人(2~177)で、入院加療を要したものは166人であった。死者は3人で、その内の2人は2007年に亡くなっている。
 原因となった食事は家庭のものが4分の1を占め、次いでレストランが18%、学校は14%であった。感染源から感染が拡大したものは9%で、医療保健施設は11%であった。
 最も患者数が多い集団食中毒は学校の940人で、患者数の44%を占めた。家庭や医療保健施設は患者数の10%であった。
 原因病原体は61件の集団食中毒で確認され、疑いのあるものは38件であった。原因病原体はサルモネラ属菌が32%、ブドウ球菌が15%、毒素が6%であった。サルモネラ属菌による集団食中毒45件のうちS. enteritidisとS. typhimuriumは共に16件であった。
 集団食中毒の病原体は食品から86回(62%)検出された。主な原因食品は卵及び卵製品(n=28)、食肉(n=11)、貝類(n=10)である。サルモネラ属菌による集団食中毒事件の主要原因食品は卵及び卵製品であった(n=26)。毒素型食中毒は全て貝類で、7件のウェルシュ菌(Clostridium perfringens)集団食中毒では食肉から4回検出された。
 集団食中毒の発生を助長する要因が62件の集団食中毒で同定された。環境汚染(設備器具汚染(n=20)、従業員不注意(n=6))、原材料汚染(n=19)、基準温度遵守違反(冷蔵温度遵守違反(n=13)、加熱温度基準違反(n=6))、製造日から消費までの過度の遅れ(n=16)、製造工程上の問題(n=11)が調査で明らかになった。
4. 侵襲性髄膜炎菌感染症2000~2008年疫学報告
5. HIV感染症・AIDS 2003~2009年疫学報告
6. レジオネラ症2000~2008年疫学報告

※訳注:バース・ノルマンディ地域圏はフランス北部英仏海峡に面した地域で、カルヴァドス県、マンシュ県、オルヌ県の3県から構成されており、人口は2006年で約146万人。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス衛生監視研究所(InVS)
情報源(報道) フランス衛生監視研究所(InVS)
URL http://www.invs.sante.fr/publications/bvs/ouest/2010/bvs_mdo_2010.pdf