食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03190890329
タイトル 英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC)、Drayton農場におけるTSEリスク評価に関する6月17日会議の報告書を公表
資料日付 2010年8月10日
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分類2 -
概要(記事)  英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC)は8月10日、TSE感染実験牛の排泄物処理実験が行われたワーウィックシャー(Warwickshire)州のDrayton農場における残存TSEリスク評価に関する6月17日会議の報告書を公表した。
Ⅰ. 会議報告書の概略は以下のとおり。
 実験牛が存在するDrayton 農場の、堆肥及び排水が散布された土地の残存TSEリスク評価を行った獣医学研究所(VLA)作成のリスク評価報告書が委員会に提供された。本問題について委員会が前回討議したのは、1998年9月21日-22日の第53回会議においてであった。
 数人のメンバーは、リスク評価の方法論は妥当であると論評した。しかしながら、リスク評価に用いた具体的な入力値の幾つかが、多数の仮定を準拠としているために問題があるとの懸念を表明した。
 一人のメンバーは、リスク評価での出力値に関し、整合性があるかどうか入手可能なデータと照合してチェックする必要があると指摘した。例えば、従来スクレイピー感染群を飼育していた土地に家畜を再導入する際にリスクが生じることを明確に示すアイスランド及びRipley群からのデータがある。これについては、何故モデルでは非常に低いリスクを提示したのか、著者が問題を提起するべきであったとしている。さらに、一人のメンバーは、規則に基づいた理論的仮説が農場での実際の活動に関連しているかどうかもっと考慮するべきであったと指摘した。
 或るメンバーは、今回のリスク評価は、この問題に関して1998年に公表した前回の助言に殆ど付加することはないと言及した。議長は、追加データがないために、SEACとしては従来の助言を更新することは困難であると述べた。
 委員会は、下記の点について意見が一致した。
1. リスク評価の方法論は妥当である。
2. しかしながら、データの不足によりモデルに入力した仮定には重大な問題が存在する。
3. 従ってモデルの出力値は不確実である。
4. 1998年9月21日-22日のSEAC助言を改訂する必要はない。
Ⅱ. 1998年9月21/22日のSEAC第53回会議議事録抜粋は以下のとおり。
議題9 - BSE感染実験牛からの糞尿の処理 (SEAC 53/6文書)
42. 委員会は、1998年1月にBSE暴露牛からの糞尿処理に関する選択肢について検討を行った。メンバーは、Drayton実験畜産農場で開始された2件の長期実験からの糞尿処理選択肢に関する詳細についてSEAC文書を提供された。この選択肢を長期に実施する実践的並びにコストの問題のために焼却に代わる代案について検討が行われた。農場及び適正農業規範に合致する処理法に関する追加の情報が提示された。主要な変更は、農場からの作物を活用する提案で、委員会は、実験農場を通り抜けた水路が敷地内を通る隣の農場への流出の可能性の懸念に留意するよう要請された。
43. 委員会は、牛が真新しい建物内で飼育され、固体並びに液体糞尿を分ける措置がとられていることに留意した。牛舎の配置及び畜産手順により様々な牛群の分離が厳格に維持されていた。委員会の見解は、家畜衛生研究所(Institute of Animla Health)においてBSE暴露実験めん羊の糞尿の処理について適用されると報告された。
44. 委員会は、実験牛の糞尿は最初の28日間(牛腸からの最大”安全”クリアランスとなる)において焼却されるべきであり、それ以後の糞尿は1年間堆肥化されるべきであるとの従来の助言を確認した。委員会は、堆肥物質がヒトの食用及び家畜の飼料として活用される作物の栽培前に肥料として散布されるべきでないとする理由には科学的根拠がないことに合意した。しかしながら、牛が放牧される牧草地に堆肥を散布しないようにすることが賢明であるとの感想を持った。また、実験牛に対しては、農場からの飼料を給餌するべきでないとの意見であった。これは、汚染された飼料が暴露源であり、分析された組織が実際には陽性ではなかったとの主張に繋がるような陽性結果に対して、更なる実験を行うことを防ぐためである。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(微生物)No.18/2010(2010.08.25)P23~25
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC)
情報源(報道) 英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC)
URL http://www.seac.gov.uk/papers/drayton-report.pdf