食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03170740149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、食品及び飼料中のトリコテセンマイコトキシンHT-2及びT-2毒素の発生データに関してEFSAに提出された科学的報告書を公表
資料日付 2010年7月13日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は7月13日、食品及び飼料中のトリコテセンマイコトキシンHT-2及びT-2毒素の発生データに関してオランダの食品安全研究所(RIKILT)からEFSAに提出された科学的/技術的報告書(2010年7月8日、公表容認)を公表した。概要は以下のとおり。
1. T-2毒素及びHT-2毒素は、数種類のFusarium属菌によって穀類に産生されるかび毒である。この2種の毒素は、収穫された穀類及びその飼料・食品製品を汚染する可能性があるほか、飼料・食品製品の摂取後に動物衛生及びヒトの健康に影響を及ぼす可能性がある。
2. 本調査の目的は、欧州における食品及び飼料用農産物、並びに、食品及び飼料製品の汚染、ほかのかび毒との同時発生、食品及び飼料製造に使用される植物製品中のT-2毒素及びHT-2毒素の濃度に影響を及ぼす(環境的、農学的、及び、加工に関連した)諸要因を含めてT-2毒素及びHT-2毒素に関するデータの収集、とりまとめ及び合成をすることである。
3. えんばくがT-2毒素及びHT-2毒素によって高頻度及び高濃度でかなり汚染されうることが利用可能なデータによって示される。とりわけ2005年以降の数年間に、少なくとも北欧諸国においては、汚染が増加したと思われる。大麦におけるT-2毒素及びHT-2毒素の発生及び濃度は、2004年以降に欧州全域で増加しており、約80%の発生率で推移している。ビール製造に使用されて残ったもろみの汚染も増加している。場合によっては、とうもろこしがT-2毒素及びHT-2毒素に一般的には中程度に汚染される。小麦のT-2毒素及びHT-2毒素汚染は極めてまれに、かつ、低濃度で発生する。かなり汚染される可能性のある飼料製品には、えんばくの加工による副産物(粒状の餌)が含まれる。食品製品のT-2毒素及びHT-2毒素汚染については、低い発生率と濃度が一般的に示されているが、えんばく製品は当該2種のかび毒を同時に含有する可能性がある。
4. 農産物におけるT-2毒素及びHT-2毒素は、T-2毒素の約2~7倍であるHT-2毒素の濃度に関して強い相互関係を示す。食品製品におけるT-2毒素及びHT-2毒素の関係は弱い、あるいは、ない。T-2毒素及びHT-2毒素は、穀類中のデオキシニバレノール及びニバレノールとの相関関係がないとみられる。T-2毒素及びHT-2毒素に影響する圃場の要因には、地域年(region-year)(気候)、品種、播種時期、前作物及び有機生産が含まれる。殺菌剤は、効果がないか、弱いとみられる。穀類の加工は、様々な穀物片の再分配によって、食品中のT-2毒素及びHT-2毒素汚染をかなり低減する。毒素の濃度は副産物中で増加し、その副産物は動物用飼料によく使用される。
5. 本調査の結果は、飼料・食品製品中及び/又はその原料の農産物中の最大許容限度(maximum permissible limits)を設定するなどを目的とした欧州レベルにおけるT-2毒素及びHT-2毒素に関するリスク評価に使用することができる。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報 No.16/2010(2010.07.28)(化学物質)p4-5
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/doc/66e.pdf