食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu03140620188 |
タイトル | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、小型反すう動物伝達性海綿状脳症(TSE)株の人獣共通感染リスクについて意見書を提出 |
資料日付 | 2010年4月20日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は小型反すう動物で知られている様々な伝達性海綿状脳症(TSE)株の人獣共通感染リスクについて、食品総局から諮問を受けて2010年4月7日付で意見書を提出した。 AFSSAは2006年5月15日付意見書でTSE株はヒトには何らリスクはないと結論するには時期尚早であると指摘していた。この考察はその後の小型反すう動物における感染対策に関するAFSSAの意見書で繰返し述べられており、特に定型スクレイピーに感染した動物群の感受性の高い動物由来の製品を消費に回さないよう勧告している。 食品総局(DGAL)はこの点に関し、小型反すう動物のTSE予防措置の根拠をEU加盟国に容易に説得できるような説明データ及び実証データを提出するようAFSSAに要請してきた。 AFSSAの結論は以下のとおり。 1.今日、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)と定型BSEの関係以外に、動物のTSEとヒトTSEの間の明白な疫学関係が確立していないと考えられている。BSEの場合では研究環境 (動物に新型の病気が突然発生したこと、次いでヒトに新型の疾病が発現したこと、症状の特徴がヒトと動物で似通っていたことなど) が整ったことと、多数の研究が行われたことが相まって人獣共通感染リスクが実証された。他のTSE病原体について、BSEと同じような状況が起こり及び数多くの研究が実施されることになるかどうか分からない。 2.サーベイランスや検出体制の限界とバイアス、この病気の有病率が非常に低いこと、潜伏期間が非常に長期間にわたることから暴露(特に食品による暴露)の定量が不正確であること、易罹患性に関する遺伝的パラメータの知見がないこと、職業別やレジャー毎にそれぞれのヒトの亜集団毎に特徴的な暴露量を考慮できないこと、動物及びヒトのTSE形態の多様性など主なパラメータが複数絡み合っていることから、vCJDの発症と動物または動物由来食品暴露との関係を確立するには疫学調査は不十分である。しかしながら、ヒトTSEと動物または動物由来食品との間の結びつきは薄いが反復的(循環的)な関係が幾つかの研究で示唆されており、TSEタイプとヒトの疾患を特定できないまま、動物のTSEとヒトのTSEの間の疫学的関係が示されている。 3.現在の知見と方法論において、TSE病原体に関する人獣共通感染病リスク評価は間接的要因を集めて検討したものであり、動物のTSE病原体がヒトに伝達する能力を証明または否定するヒトにおける明白な証拠は得られていない。これらの資料の中では、霊長類またはヒトのプリオンたん白(PrP)をコードする遺伝子導入動物においてTSE物質が伝達能力を有するというものが最も関連性がある。 4.よってAFSSAは、定型BSE病原体以外の如何なるTSE動物病原体も人獣共通感染リスクはないと考えるのは科学的に妥当でないと断言する。霊長類及びヒト型遺伝子組換えマウスの実験モデルでは定型BSEより非定型BSE-Lタイプにより高い伝達能力があることが明らかにされたことは、この新たな株に潜在的人獣共通感染リスクが存在することを明確に示している。 この不確定さゆえに、動物間で循環するTSE病原体のヒトへの暴露を抑制するために予防措置を維持することが求められる。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
情報源(報道) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
URL | http://www.afssa.fr/Documents/ESST2009sa0173.pdf |