食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03120060314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) 、「内分泌かく乱物質に関するFAQ」を公表
資料日付 2010年4月19日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、「内分泌かく乱物質に関するFAQ」(2010年4月19日付)を公表した。概要は以下のとおり。
Q1. 内分泌かく乱物質とは何か?(A1省略)
Q2. それはどのように作用するのか?(A2省略)
Q3. 個々の内分泌かく乱物質の作用強度は知られているのか?
A3. ホルモン受容体と結合する物質の結合強度は通常、天然女性ホルモン17βエストラジオールの結合強度と比較される。現在の知見では、内分泌かく乱物質の多くの結合強度は、上記ホルモンより何倍も弱い。しかし受容体との結合強度そのものは、その物質の作用強度を表すものではない。体内動態も考慮しなければならないためである。
Q4. 天然物質で内分泌系に作用する可能性のあるものは?
A4. 大豆やクローバーのイソフラボンのような植物成分は、エストロゲン受容体と結合して作用する可能性があるため、植物ホルモンと呼ばれている。リグナンもエストロゲン様作用を有する可能性がある。最も知られたリグナン供給源は亜麻仁である。
Q5. 合成物質で内分泌系への作用が疑われるものは?
A5. 避妊薬に使われるエチニルエストラジオールのような合成ホルモンの他に、意図しない副作用で内分泌系に害を及ぼす物質がある。内分泌系へ作用する可能性のある最も知られた合成物は、プラスチック中のモノマー(ビスフェノールAなど)、プラスチック用の添加物(可塑剤のフタル酸エステルなど)及び有機スズ化合物(トリブチルスズなど)である。界面活性剤(ノニルフェノールなど)や難燃剤(ポリ臭化ジフェニルエーテルなど)も内分泌系をかく乱する可能性がある。環境中のダイオキシン及びPCBも同様である。また様々な農薬有効成分の内分泌かく乱性についても議論されている。
Q6. 内分泌かく乱物質の摂取経路は?
A6. 内分泌かく乱物質は、様々な経路(消化管、肺、皮膚)を介して体内に取り込まれるが、最も問題となるのは食品及び飲料水を介する経口摂取である。また内分泌かく乱物質は、食品包材などから食品に移行し、体内に入る場合がある。
Q7. どのような健康影響が議論されているのか?
A7. 性ホルモン系に作用する物質には、胎児及び子供の成長を阻害する疑いがある。また内分泌かく乱物質は、生殖能を阻害し、腫瘍形成を促進する可能性があると考えられている。しかしながら、食品及び環境由来の内分泌かく乱物質の摂取と健康被害の因果関係はこれまで科学的に証明されていない。
Q8. 内分泌かく乱物質の消費者健康リスクはどのように評価されるのか?
A8. 健康リスク評価で重要なのは、暴露である。現在提出されているビスフェノールAやフタル酸類などの暴露データからは、幼児や青年のように特に感受性のある消費者群に対しても健康被害は証明されていない。しかしながら、内分泌かく乱物質の暴露は可能な限り低減すべきである。
Q9. 内分泌かく乱物質による健康被害から消費者はどのように保護されているのか?
A9. 内分泌かく乱物質による健康被害から消費者を保護するため、食品に接触する器具・容器包装から食品への移行量には基準値が設定されている(溶出限度値)。農薬に対しては残留基準値が設定されている。残留基準値の設定の際には、内分泌かく乱性についても考慮される。
 FAQの英語版は以下のURLから入手可能。
http://www.bfr.bund.de/cm/279/questions_and_answers_on_endocrine_disruptors.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/276/fragen_und_antworten_zu_endokrinen_disruptoren.pdf