食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03080840188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、「GMとうもろこし3種の哺乳動物への健康影響を比較する:A comparison of the effects of three GM corn varieties (NK603 , MON810&MON863) on mammalian health」と題した論文についてAFSSAが自ら評価した結果を公表
資料日付 2010年2月12日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、「GMとうもろこし3種の哺乳動物への健康影響を比較する:A comparison of the effects of three GM corn varieties (NK603
, MON810&MON863) on mammalian health」と題した論文が2009年12月にInternational Journal of Biological Sciencesで公開されたことを受けてAFSSAが自ら評価した結果を2010年2月5日付けで公表した。
 この論文で、当該論文の研究者らは遺伝子組換えとうもろこしNK603、MON810及びMON863を給餌したラットの90日間亜慢性毒性試験データを再検討し、肝腎毒性の兆候が明らかになったと結論している。この論文の結論は遺伝子組換えとうもろこしNK603、MON810及びMON863の衛生安全性について問題を提起するものとなる。
 AFSSAは既に遺伝子組換えとうもろこしNK603、MON810及びMON863の衛生安全性に肯定的意見を付した意見書を提出している。
 当該論文の著者らは申請者のGMO評価方法について批判しているが、申請者が用いた方法はOECDの方法に準拠しており、この批判はあたらない。
 また、著者らが検査を実施すべきと指摘している生物学的パラメータ、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γGT)、コレステロールと血中中性脂肪、及びシトクロムP450と性ホルモンは規定の肝毒性マーカーではないか、または優先度が低くOECDのプロトコルでは要求されていない。
 投与量の差による影響の差の解釈について、当該論文の著者らは、用量反応関係が無いことをGMOの安全性の結論付けに使用していると非難している。しかし、プロトコルは2種類の用量しか見ないので用量反応関係を取上げること自体がナンセンスである。例えば、低用量で統計的に有意と判断された影響でも、高用量90日間亜慢性毒性試験で影響が確認されないものがあれば毒性学的意味がないとされる。
 著者らはまた、高用量または長期暴露後の影響消失を影響がない徴候と考えてはならないとしている。ところが毒性作用の殆どは90日間の試験期間中に発生しており、6ヶ月間の試験は90日間試験結果を確認するものでしかないことになる。
 毒物学的分析から著者らは、毒性試験結果は肝腎毒性作用があることを示しているとしている。著者らが必要と考えるp値の修正を行った結果、先の3つの試験について殆どのテストで有意差がなくなった。MON810の試験に関しては、当該論文の研究者らは有意差を示す結果が一つもなくなったことを認めている。著者らはp値無修正の数値(当該論文の表1及び2)に基いて肝腎毒性があると結論している。
結論:
 当該論文の著者らは、自らが脆弱であると批判している統計的テスト結果をその結論の根拠としていた。著者らは疑陽性リスクを正す他の方法の使用を推奨しているが、この方法は有意差を示す数字を非常に小さくする。
 著者らは、器官及び組織の毒性、特に腎毒性や肝毒性の影響を立証するのに決定的な要素である病理組織学的検査データを一切参照していない。
 通常は、毒性試験データの分析は(1)パラメータ変動の本質的意味、(2)器官や器官系損傷に関連してこの変動が持つ意味、及び(3)標的に及ぼす作用(影響)と理解される各種事象をまとめる概念(知識)に立脚するものでなければならない。遺伝子組換えとうもろこしNK603、MON810及びMON863の試験についてこれ等の要素を考慮すると、当該研究論文の研究者らが出した結論に到達することができない。
 従ってAFSSAは、当該論文にこれまでのAFSSAのNK603
, MON810及びMON863に関する評価結果を覆すような新たな要素は全く無いと思料する。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
URL http://www.afssa.fr/Documents/BIOT2009sa0322.pdf