食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu03070710329 |
タイトル | 英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC)、第103回定例会議の議事録案を公表 |
資料日付 | 2010年2月2日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 英国海綿状脳症委員会(SEAC)は、2009年11月24日にロンドンで開催された第103回定例会議の議事録案を公表。概要は下記のとおり。 1. 副委員長の冒頭発言及び書記の議事次第説明 2. 第102定例会議の最終議事録の承認 3. 現在の課題 (1) スコットランドの山羊におけるBSE疑い例に関する菌株タイプ分類専門家グループ(Strain Typing Expert Group)の報告書についての最新情報。当該山羊は1990年に当初の診断でスクレイピーとされた。しかし、事後検査で山羊の分離株はBSEと区別がつかないことが確認。この結果は、2008年2月に発表された「定型スクレイピー制御における変更からの潜在的なヒトの健康リスク」に関するSEACの声明に影響をおよぼすものではない。声明ではもしBSEが確認された場合、動物が反すう動物由来飼料規制の導入以前に出生したという事実はその動物がBSE汚染飼料に暴露されていた可能性があることを意味すると結論。 (2) ニュージーランドで1頭のめん羊に非定型スクレイピーが確認された。ニュージーランド当局は、非定型スクレイピーが定型スクレイピーとは異なるために、同国が依然として「スクレイピー・フリー」であると言明。 (3) 血液、組織及び臓器の安全性に関する諮問委員会は、食事を通じてBSEに暴露していない患者の治療に血液プリオン濾過が使用されるべきとの答申を行った。SEACは、現在、保健大臣がこの答申を検討していることに留意。 (4) メンバーは、ニューギニアの小集団において発見されたクールー病に対する新たな抵抗性プリオンたん白質変異型に関する最近の研究論文について報告を受けた。 4. CJD疫学に関する最新情報 (1) 国立CDJサーベイランス研究所のRichard Knight教授は、委員会に対し臨床vCJD及び弧発性CJD(sCJD)症例の最新統計を提示。現在まで英国で臨床vCJD確定もしくは疑い症例が170件あり、その167件は食事によるBSE感染の疑い、また3件は後日vCJDを発症した献血者からの輸血により感染した疑い。検査した150症例のすべてがコドン129MMだった。4人の患者はまだ生存している。vCJDの死者数は、2000年に28件とピークに達し、それ以後減少を続け、2009年には知られている死亡者数が2件であった。死亡者の平均年齢は30才。 (2) Knight教授は、プロテアーゼ感受性プリオン病 (Protease-Sensitive Prionopathy: PSPr)と呼ばれる新たなヒトの疾病に関する要約報告を行った。当初報告された11症例の平均発症年齢は62才、また平均罹患期間は20ヶ月。討議の総括として委員長は、この疾病については十分に特性化し、知見のギャップを埋めるためには新たな情報が必要とされることが明らかであるとした。今後、検視手続きの間に診断及び組織の収集が可能となるよう、同疾病特有の病理学がより広く認識されることが重要であることに留意。SEACは、当該疾病をさらに特性化するために新しいデータを注視する意向。 5. TSE病原体に対する年齢の影響 (1) 委員会は、TSE病原体に対する宿主年齢の影響に関する最近の論文について議論した。マウスでの研究では、高齢マウスの脾臓における初期のTSE病原体の蓄積が若年マウスの場合と比較して大幅に弱まることが示された。さらに、周辺の暴露を受け、高齢マウスで生存期間内にTSEの臨床症状を発現したものはなかった。しかし、ほとんどのマウスは、脳内で病理組織学的兆候を示した。 (2) 委員会は、宿主におけるTSEの有効な複製には適格な免疫システムが必要とされることで意見が一致。メンバーは若者よりも高齢者の方で免疫力が低下していることに留意。委員会は、研究結果がvCJD患者の若年齢を説明するにはデータが不十分であると結論。 6. vCJD有病率研究の最新情報 (1) これまで、全国匿名扁桃データベース(NATA)は、約80 ,000個の扁桃を検査したが、陽性のものはまったくなかった。 (2) 新たに3 ,000個の虫垂を免疫組織科学的に検査する実証研究が進行中。本格的な研究は2010年の初頭に開始され、その結果は2010年に発表される予定。 (3) また、死後検査で採取された脾臓に関する実証研究も2010年の初頭に開始。複数の方法論の効果を評価する報告書は2010年6月に発表されることになっている。 7. 肥料におけるカテゴリー3動物由来製品 (1) 委員長は、メンバーに対し委員会が2005年にカテゴリー3(ヒトの食用に適しているが、食用を意図しない低リスク部位)由来肥料の施肥後に非牧草地の土壌で起こりうる潜在的感染性の定量的評価に関するリスク評価を検討したことを想起。現在、欧州規則について再交渉が行われており、DEFRAは、レンダリング条件の緩和を求めることが妥当かどうかを検討。DEFRAは本格的なリスク評価(RA)を委託し、2008年に完了した。SEACはRAの検討を要請されている。 (2) 委員長は、DEFRAにとっては絶対的リスクにおけるレンダリング方法間の差異が重要検討事項ではなく、むしろBSE流行の再燃の方であると結論。重要なことは問題を全体論的に、特に一つの規則緩和の影響が他の緩和によって変更されるかについて考察すること。可能性は少ないものの、当該緩和が別のTSE出現をもたらすかも知れず、これについては追加的に検討すべき。 8. 今後のSEAC運営 討議の結論として、SEAC定例会議の一部は依然として開催する必要がある。しかし、今後は必要に応じて議事進行を電子メールで実施できる。電子メールによる議事進行は、政策決定の過程が透明となり外部に公開されるよう、SEACのウエブサイトに記録。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC) |
情報源(報道) | 英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC) |
URL | http://www.seac.gov.uk/minutes/draftminutes103.pdf |