食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02960740160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、遺伝子組換え(GM)食品及び動物飼料に関する2008年の英国内閣府報告書を受けて、FSA並びにDEFRAが実施した作業の経過報告書を公表(その2)
資料日付 2009年8月13日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) 3. 主要輸出国におけるGM種大豆栽培の増加(アルゼンチンにおける生産の約94%はGM種であり、他方ブラジルでは少なくとも65%がGM種で、その割合は上昇している)に伴い、英国の飼料並びに食品業界は、現在の非GM種大豆の供給チェーンを維持することが不可能になるのではないかと心配される。この状況は、飼料用に輸入される大豆量の理由により、動物飼料業界にとってはより直接的な関心事である。認証された非GM種大豆は、GM種よりも高価で、プレミアムは需要と供給に応じて変化している(近年においては、トン当り5米ドル~トン当り80米ドルで推移している)。家きん業界は、大豆を含む非GM飼料原料に頼っており、また有機畜産業界も同様である。非GM種大豆の入手可能性はまた、食品業界にとっても今後1~2年以内に問題となる可能性がある。
4. GM飼料を給餌された家畜からの製品(乳、肉及び卵)を表示する法的な義務はない。GM飼料(EUにおいて認可されていないかも知れない)が使用された第3国からの製品輸入は、EU諸国の生産者にとって競争をゆがめる可能性がある。消費者は製品の区別が出来ず、誤った判断を強いられる恐れがある。
現在のEUの立場と今後の展望
 5. 2008年末頃、EUは2種類の新GM種飼料産品 (大豆及びとうもろこし各一種)の輸入を認可し、飼料供給に差し迫った問題が起こるのではないかという懸念を軽減した。また、欧州委員会は、非認可GM物質に用いるEUのゼロ閾値(zero threshold)のより現実的な解釈を可能にする「技術的な解決」を促進すると述べた。それにもかかわらず、英国への大豆輸入が相当混乱する状況が発生する可能性は考えられる。業界筋によると、今後数年内に米国などで幾つかの新GM大豆品種が商業化される予定であり、GM製品の非同時的な認可により困難が生ずる恐れがある。本作業を完了するに当り、DEFRA並びにFSAは以下の措置を取る。
(1) 分析結果を欧州委員会に送付し、更に影響について英国の利害関係者と討議を行う。
(2) EUのGM製品に関する意志決定プロセスについて、安全性を損なうことなく一層の効率化を主張し続ける。
 (3) 一括取引される産品中にEU未認可のGMOが低レベルで含まれている可能性に関連し、安全性上何が釣合いが取れ、また貿易面で何が実際的であるかについて考慮しながら、EU政策の適切な検討を主張する。
(4) 主要供給国における新たなGM飼料作物種採用の予定表、EUへの輸入認可時期について監視を行い、是正措置が取られない場合、供給の問題が生ずるというリスクを評価する。
6. 2009年春、欧州委員会は、GM食品及び飼料に関するEUの法的枠組みについて独自の評価を開始した。評価の焦点はリスク評価、規制当局の認可プロセス、未認可GM食品及び飼料の不定存在及びゼロ許容、また認可GM食品及び飼料製品の表示規則である。さらに、委員会は2009年6月、GM種とうもろこし並びに大豆由来家畜飼料のEUへの輸入に関する非同時的認可の影響について詳細な調査を行う研究を助成することを示唆した。この作業は、2010年の後半期に完了する予定である。
 共同報告書の全文(PDF 24ページ)は以下のURLから入手可能。
 http://www.food.gov.uk/multimedia/pdfs/foodmattergmreport.pdf

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報 No.18/2009(2009.08.26)  http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2009/aug/gm