食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02950610188 |
タイトル | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、チューインガム合成成分(新規開発食品成分:NI)の市場流通認可について意見書を提出 |
資料日付 | 2009年7月29日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、欧州規則258/97/ECに基づき新規開発食品成分(NI)としてのチューインガム合成成分の市場流通認可に関してオランダ当局が実施した最初の評価報告書について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受け2009年6月25日付で意見書を提出した。 本NIは2種のポリマー;無水マレイン酸グラフトポリイソプレン(Polyisoprene-graft-maleic anhydride:PIP-g-MA)とモノメトキシポリエチレングリコール(Monomethoxypolyethylene Glycol:MPEG)の混合物である。この2種のポリマーは食品に使用されたことはないが、合成ポリマーや天然ポリマー、特にポリイソプレンは一般にチューインガムの基材として使用されている。 最終製品(ガム)に含まれるNIの3~15%、平均で10%が体内に取り込まれると見られる。 申請者の見積りによると、一般国民のチューインガム平均消費量は1.1~1.6 g/日で、97.5パーセンタイルでは3.3~4.8 g/日である。最終製品中のNIが最大で15%体内に取込まれたとすると、チューインガム消費量の多い消費者の計算上の暴露量は0.72 g/日となる。 当該化合物の変異原性は陰性であった(エームス試験)。 28日間のラット亜慢性毒性試験では、0、30 ,000、50 ,000及び80 ,000 ppmの濃度のNIを加えた飼料をラットに給餌した(0、2 ,394~2 ,352、4 ,160~4 ,182mg/kg体重/日及び6 ,879~6 ,844 mg/kg体重/日に相当)。給餌量に関りなく毒性は観察されなかった。よって、無毒性量(NOAEL)は80 ,000 ppm以上、即ち6 ,879~6 ,844 mg/kg体重/日以上である。消費者の最大暴露量が0.72 g/日、即ち体重60kgで12 mg/kg体重/日とすれば、NOAELを暴露量で除した計算上の安全幅(facteur de securite)は570以上となる。 オランダ当局は、申請書資料及び補足資料の情報に基づいて、申請者が仕様の設定を完全にすることを条件に、新開発食品成分(NI)をチューインガムの成分として認可することを決めた。 しかしながらAFSSAは、NIが2種類のポリマーを使った合成化学物質であり、食品に使用が認められないものであることを指摘するものである。ポリマーの一つは、糊製造工業で使用されているものである。チューインガムの主要成分となるこの新ポリマーは、最終製品(ガム)の中のこの物質の使用様態や機能性からみて食品添加物により近いということから、NIとして評価することが適切かどうかについて疑問がある。 AFSSAは、同定は不完全であるもののNIにオリゴマーが存在する可能性があり、NIの長期毒性試験も実施されていないこと及び国民のかなりな割合がこのNIやその不純物に暴露するので、遺伝毒性の補足試験を実施し、その結果を提出することが必要であろうと考える。本NIについて細菌を使用して実施したin vitro遺伝毒性試験が唯一の遺伝毒性試験であるが、その結果をもって哺乳類動物の変異原性や染色体異常誘発性がないとするには不十分である。in vitro遺伝毒性試験の結果が陽性または不明瞭な場合は、in vivoで遺伝毒性試験を実施する必要がある。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
情報源(報道) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
URL | http://www.afssa.fr/Documents/AAAT2009sa0144.pdf |