食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02910580188 |
タイトル | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、マイコトキシン・リスク評価報告書2009年版を公表 |
資料日付 | 2009年6月11日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、フード及びフィードチェーンに潜むマイコトキシンのリスク評価報告書2009年版(仏文308ページ)を2009年3月1日付けで公表した。主要なマイコトキシンとしてアフラトキシン、オクラトキシン、トリコテセン、ゼアラレノン、フモニシン、パツリンの6種及びその他のマイコトキシンとして麦角菌毒素、シトニリン、アルテルナリア毒素、サイクロピアゾン酸、コウジカビとアオカビのトレモルゲン毒素、スポリデスミン、Stachybotry toxins、植物共生菌毒素(endophyte toxins)、ホモプシンの9種の計15種について報告している。 AFSSAは関心の高いマイコトキシンそれぞれについての知見を更新し、毒素のリスク及び食品移行について検討を加えた。オクラトキシン(OTA)とトリコテセン(TCT)に関する概要は下記のとおり 1. オクラトキシンA(OTA) OTAはマイコトキシンの一つである。動物の腎毒性作用が実証され、ヒトについても同様の懸念がある。OTAに直接的遺伝毒性がないことが実証され、EFSAは2006年に耐容週間摂取量(TWI)を120 ng/kg体重/週に変更した。 汚染濃度が分析法の検出限界以下と非常に低く及びOTA汚染食品が沢山あることから、暴露評価の精度を上げるためにより感受性の高い分析技術の開発が必要である。 ライ麦粉やソバ粉の汚染度が最も高く、OTAサーベイランス・プラン強化が必要である。 これらの食品をよく食べるフランス人の暴露量は大人で3.5 ng/kg体重/日(TDIの20%)、子供で7.8 ng/kg体重/日(TDIの45%)である。この暴露計算には乳幼児が含まれていない。従って乳幼児の食品摂取傾向を考慮した暴露評価のため、追加データ収集が必要である。 ヒトの血液や母乳に非常に低い濃度のOTAが存在するがその起源や毒性については疑問が残る。ヒトのリスクを正確に評価するため、暴露データとヒト体液中のOTAの関連を調べる研究が必要である。 2. トリコテセン系マイコトキシン(TCT) トリコテセン(TCT)は温暖で高湿な気候の地域で主にフザリウム(Fusarium)が産生するマイコトキシンである。耐熱性が高い。フランスではこのマイコトキシンの中でデオキシニバレノール(DON)が最も頻繁に穀類で見つかっている。他のTCT、即ちニバレノール(NIV)、ジアセトキシシルペノール(DAS)及びT-2とHT-2毒素も潜在的リスクが高く調査するに値する(殊に毒性、有病率)。DONは植物食品から最も頻繁に見つかるが、DONは毒性が弱い。T-2毒素は稀にしか見つからないがその毒性はDONより強い。 TCTのグループA(T2、HT2、DASなど)の主な毒作用は血液毒性と免疫毒性で、主に白血球や血小板などの循環血液細胞数が減少し、低い感染に対しても免疫力が衰える。グループB(DON、NIVなど)の主な毒作用は飼料摂取量と体重増加率の減少である。これは畜産農家にとって経済的な損失となる。TCT暴露飼育場由来肉の食品摂取によるヒトの暴露量は低い。 フランス人の暴露量は毒性作用のリスクがないと考えられる量以下である。耐容一日摂取量(TDI)はDONで1 μg/kg体重/日、NIVで0.07μg/kg体重/日及び毒素T-2とHT-2は0.06μg/kg体重/日である。しかし、これらの基準毒性値は動物実験から定めたもので、質量共に不十分である。 よって国際機関の勧告に従い、より正確な基準毒性値を定めるために最も感受性の高い種の動物を使ってOECD指針に基づく亜慢性毒性試験(実験期間は動物の一生の長さの1/10で、ラットで90日間)及び慢性毒性試験(ラットで2年間)を実施することが適切である。 欧州委員会はDONの上限値を規定しているので、迅速で、規定の限界値に対応でき且つ業者の自主検査に使用できるマルチ検出法を開発する必要がある。サーベイランス及び管理プランではDONやNIV含有量と一緒にT-2及びHT-2毒素の含有量を調査すべきである。 複数のTCT及びゼアラレノンやフモニシンなど他のマイコトキシンとの複合汚染の可能性を考慮した複合汚染毒性影響評価には亜慢性毒性試験を実施すべきである。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
情報源(報道) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
URL | http://www.afssa.fr/Documents/RCCP-Ra-Mycotoxines2009.pdf |