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資料管理ID syu02880960188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、12ヶ月齢未満の小型反すう動物の頭部の管理措置について意見書を提出
資料日付 2009年3月26日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、12ヶ月齢未満の小型反すう動物の頭部の管理措置について食品総局(DGAL)から諮問を受け2009年2月18日付で意見書を提出した。概要は下記のとおり。
1. 12ヶ月齢を超える小型反すう動物の頭部(脳と眼球を含む)と扁桃は欧州規則で特定危険部位(SRM)に分類されている。
 フランスでは月齢に関らず小型反すう動物の頭部(眼球は含まれるが、0~6ヶ月齢の動物の脳は除外)と扁桃をSRMに指定している。AFSSAは今までの意見書で、スクレイピー病原体に感染した弱齢期の動物の組織からスクレイピー病原体が検出されていることを指摘している。
2. DGALはAFSSAに小型反すう動物の頭部に関する国内法の改正案について諮問してきた。その理由は、
(1) 国によって規制が異なることから生じた国境地帯における競争力のアンバランス(フランスと国境を接する諸国では小型反すう動物の頭部をまるごと販売できる)。
(2) 多くのと畜業者が頭部から眼球及び扁桃の除去が難しいため、頭部全体をカテゴリー1の副産物として廃棄している(よってカテゴリー1の副産物の量が増加し、脳の有効利用ができない)。
3. この諮問には国内法見直しについて2つの選択肢が提案されている。
(1)選択肢A:欧州規則とフランス国内法の整合:12ヶ月齢未満の小型反すう動物の眼球及び扁桃を含む頭部をSRMから外し、商品として活用できるようにする。
(2)選択肢B:制限月齢(0~12ヶ月齢のいずれか)未満については、眼球と扁桃はSRMとしないように国内法規のSRMリストを変更する。このようにすれば、この制限月齢未満の動物の頭部全体(眼球及び扁桃を含む)を販売できる。但し、制限月齢を超える動物についてはカテゴリー1の副産物として廃棄する。
4. 定型スクレイピーに自然感染する小型反すう動物における異常プリオンたん白質の発現月齢及び発現組織分布に関する科学的データを検討した。
 別々の2つのモデル(オランダの研究報告及びフランスの研究報告)からとっためん羊定型スクレイピー病原体による自然感染データから感受性のある遺伝子型(VRQ/VRQ)を持つ下記の月齢のめん羊で異常プリオンたん白質の存在が明らかにされている。
- 2ヶ月齢で口蓋扁桃及び中咽頭後リンパ節に発現
- 3ヶ月齢で下顎リンパ節及び耳下腺リンパ節に発現
- 5ヶ月齢で第三眼瞼のリンパ組織に発現
- 7ヶ月齢で中枢神経系に発現
 これらのデータから、自然な状態で(遺伝子型VRQ/VRQのめん羊では)異常PrPはより早く蓄積していることに注目すべきである。
 現在の知見では、1ヶ月齢未満のめん羊の頭部おける異常PrPの感染性や存在については全く報告がない。
5. 結論と勧告
 TSE専門委員会(AFSSA)はフランス国内法と欧州規則の整合(12ヶ月齢未満の小型反すう動物頭部全体を産業用として活用するオプション-A)については肯定的意見を付すことはできない。この決断をするとフードチェーンに有意なレベルの感染病原体が入ることを許すことになる。
 加えて、現在の科学的データから得られた結果、及び、頭部の二次リンパ組織に感染病原体が蓄積することを考慮すれば、TSE専門委員会は1ヶ月齢を超える動物の頭部をSRMリストから外さないよう勧告する。1ヶ月齢未満の小型反すう動物の頭部の販売は、現在の知見では、TSE病原体への暴露リスクを変える性格のものではない。
 以上が、AFSSAが現在提供できる検討要素である。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
URL http://www.afssa.fr/Documents/ESST2008sa0320.pdf