食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02840990188 |
タイトル | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、遺伝子組換えE.coli-No.19E株によるL-リシン産生副産物の細菌バイオマスを窒素飼料として使用する認可申請について意見書を提出 |
資料日付 | 2009年3月3日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、欧州規則(EC)1829/2003に基づき遺伝子組換えE.coli-No.19EによるL-リシン産生副産物の細菌バイオマスを窒素飼料として使用する認可申請について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受け、2008年12月22日付けで意見書を提出した。 1.製品 本製品はNo.19Eと呼ばれるE.coliによるL-リシン産生副産物で、殺菌乾燥細菌バイオマスである。No.19E株はリシン生産効率が高い遺伝子組換え親系株E.coli K12 S B-7から作出したものである。本副産物は粒状で窒素飼料として飼料と混合して使用するもので、その配合割合は豚で最大7%、反すう動物8%、サケ13%である。 2.遺伝子組換え微生物 原株E.coli K12 S B-7は細菌遺伝子の研究で広く使用されているLederberg Escherichia coli K12を起源としており、プロファージ、接合性プラスミド、自己伝達性プラスミドを含んでいない。K12は非病原性微生物として登録されており、生産株No.19Eもその非病原性が実証されている。 3.導入遺伝子等 薬剤感受性試験ではNo.19E株はヒト・動物用として一般的に用いられている29種類の抗生物質に感受性を示した。また形質転換処理時に使用した3種類の抗生物質に対する耐性遺伝子が存在しないことがサザンブロッティング法により確認された。遺伝子の導入で生じたオープンリーディングフレームには毒性ペプチドの配列と同等性がないことが明らかにされた。サザンブロッティング法で15~20世代の遺伝安定性が確認された。導入遺伝子は染色体に組込まれ、他の生物への移動能をもたない。 不活化処理後は生育力のある細胞や転移DNAが存在しない。DNAは完全に分解している。これ等はDNAの状態が形質転換によって転移することができないことを示すものである。 4.毒性試験 ラットに本製品を3%混合した飼料を3ヶ月間反復経口投与した亜慢性毒性試験でNOAELを設定することができた。遺伝毒性試験、in vitro変異原性試験(サルモネラ属菌及びE.coli使用エームス試験)、マウスのリンパ細胞での突然変異試験で突然変異誘発性はなかった。ハムスターの培養卵巣細胞検査では染色体異常はない。但し、これ等の毒性試験は欧州規則に定める及び2008年4月8日付AFSSA意見書で指示した直系2世代以上の生殖毒性試験、ウサギの催奇性試験、げっ歯類及びげっ歯類以外の2種の動物による慢性毒性試験及び耐性試験で補完する必要がある 5.結論 (1)遺伝子組換え微生物について No.19E株及び当該遺伝子のドナー微生物の非病原性。遺伝形質転換により導入された又は改変された遺伝子の形質。濃縮物の加熱不活化でVNC細胞(生育力はあるが増殖力がない細胞)を消失させる工程の有効性。他の生物にDNA転移がありそうもないこと。生産株の抗生物質耐性遺伝子がないこと。以上から、AFSSAはE.coli No.19E株の遺伝構造の如何なる部分にも欠失または発病条件を生じさせるような又本製品摂取動物にハザードを生ずるような遺伝物質の改変はない。 (2)製品の飼料用細菌バイオマスについて 飼料用細菌バイオマス製品については先の申請書(諮問番号2008-SA-0016/2008年4月8日付AFSSA意見書)の成分との違いが大きすぎるので、そのデータを今回の申請書のリスク評価に転用することはできない。よって今回提出された科学技術データはL-リシン産生副産物の安全性について評価を下すには不十分であるとして、AFSSAは意見を保留している。 先の申請書、諮問番号2008-SA-0016(2008年4月8日付AFSSA意見書)は以下のURLから入手可能: http://www.afssa.fr/Documents/ALAN2008sa0016.pdf |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
情報源(報道) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
URL | http://www.afssa.fr/Documents/BIOT2008sa0313.pdf |