食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02810270188 |
タイトル | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、遺伝子組換えとうもろこしMON810に関するルマオ教授(Pr le Maho)の報告書について意見書を公表 |
資料日付 | 2009年2月13日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、遺伝子組換えとうもろこしMON810に関するルマオ教授(Pr le Maho)の報告書(2008年6月に欧州委員会宛に提出)について保健総局(DGS)から諮問を受け、2009年1月23日付けで意見書を公表した。1. 背景:GMO影響予知高等審議会(CPHA、2008)の意見書に基づき、遺伝子組換えMON810には環境に深刻なリスクを引き起こす可能性を示す新事実があるとの理由でフランス当局は2008年2月にとうもろこしMON810の栽培についてセーフガードを発動した。CPHAの意見書に対し、Monsanto社は2008年1月30日付の報告書(Monsanto、2008)でMonsantoの視点からリスクがないことを裏付ける証拠を提示してきた。このMonsantoの報告書についてエコロジー・エネルギー・持続可能開発・国土整備省(MEEDDAT)はルマオ教授(CPHAの委員)に評価を依頼した。欧州委員会に提出されたルマオ教授の報告書は、安全性についてAFSSAが肯定的評価を付した2008年4月30日付意見書(AFSSA ,2008a)と一致しない主張を展開している。ルマオ報告書はMON810について予防原則に立ち返ることが適正であると結論付けている。2. ルマオ報告書の食品安全に関する指摘点:(1) MON810に発現するCry1Abたん白質の安全性:MON810が導入遺伝子によって産生するたん白質はBacillus thuringiensisが産生するたん白質と異なる。(たん白質構造の)折り畳まれ方、翻訳後改変、生分解性、残留性、特異性といった特性が天然Cry1Abと異なり、ヒトに対する毒性及び潜在的環境毒性も天然Cry1Abと異なる可能性がある。(2) 導入遺伝子の導入部位3’の特徴:B.thuringiensisで産生される野生型Cry1A(b)たん白質と比べて、とうもろこしゲノムへの導入には複雑な遺伝子組換えが関与している。(3) CRY1A(b)たん白質の免疫原性:新開発食品や食品加工プロセスを原因とするアレルギー問題を考慮すべきである。殊にCry1Abたん白質はラットを使ったケースで免疫応答を引起すことが知られている。(4) GMO毒性評価:EFSAが適切と認めている動物試験法の選択及び期間が不適切である、即ち:1)毒性試験期間が不十分で被験動物種も少ない、2)遺伝子導入植物評価のための毒性試験には新たな分野(プリオン病、腫瘍)の試験が必要である、3)MON810が実際に獲得した立体構造を有する当該たん白質で長期試験を実施すべきである。(5) 毒性試験は独立機関が実施すべき:毒性試験は企業から完全に独立した形で更に二重盲検試験で実施されるべきである。結果が出たなら、必ずこれを公表すること。評価する科学者は毒性試験のオリジナルデータを利用すること。(6) 統計分析法の見直し:本統計学的手法は差異に対する感受性が非常に低いので、その信頼性(puissance des methodes statistiques)には議論の余地がある。3. AFSSAの結論:ルマオ教授の報告書にある指摘点のうちAFSSAの管掌するリスク評価事項について、AFSSAは遺伝子組換えとうもろこしMON810の安全性について再度見直しを要するような新たな事実は全くないと思料する。市場流通認可申請書に添付された技術資料は欧州指針の以下の要求事項を全て満足している。(1)物質的同等性が実証されている。(2)ラットの亜慢性毒性試験を含む毒性試験はMON810摂取による有害影響を同定するものではない。(3)対象動物での補足試験が多数実施されたが毒性を示すものはない。10年間を超えるとうもろこしMON810摂取及び暴露データは有効な情報である。MON810はAFSSA(AFSSA、2008a)及びEFSAのよって再評価され、肯定的意見が付された。ルマオ教授の報告書を分析したEFSAのGMO科学専門部会は、ヒト及び動物に対する健康リスクについて報告書に記載の情報にはとうもろこしMON810の今までのリスク評価を覆す新事実が全くないと結論した(EFSA、2008c)。ルマオ教授の報告書の指摘点は食品におけるGMO毒性リスク評価についてAFSSAが設定した評価方法の見直しを要するものではない。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
情報源(報道) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
URL | http://www.afssa.fr/Documents/BIOT2008sa0266.pdf |