食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02780300464
タイトル オーストリア保健・食品安全局(AGES)、「結核病の疑いのある家畜の乳製品のリスク評価」を公表
資料日付 2009年1月20日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  オーストリア保健・食品安全局(AGES)は、「結核病の疑いのある家畜の乳製品のリスク評価」(8ページ)を公表した。これは、公認結核病清浄農場の生乳が、家畜群の結核病検査で陽性結果が出る前に、乳加工場に納入されるという状況が起こり得るため、連邦厚生家族青少年省(BMGFJ)がAGESに評価を依頼したものである。AGESは、1. 加熱処理された乳(ホスファターゼ陰性)から作られる乳製品、及び、2. 製造工程で加熱処理あるいは物理/化学処理されない生乳製品について、摂取リスクを評価した。評価結果は以下のとおり。
1. 規定どおりに低温殺菌された乳及び乳製品は、牛型結核菌(M.bovis)が死滅するため、それらの摂取に健康リスクは想定されない。
2. 生乳及び生乳製品の摂取による健康リスクは、低いものの排除できない(特に生乳軟質チーズ)。
 生乳チーズ(カマンベール、ロクフォール)の製造時に、乳は40℃までしか暖められないため、M.bovisなどの病原菌が乳に生残する可能性がある。加熱タイプの硬質チーズ(ベルクケーゼ、エメンタール、パルメザン)では、加熱温度(48℃以上)、好熱性乳酸菌による迅速発酵、低い水分活性、長い熟成期間により、乳中の病原菌及び毒素産生菌は死滅する。
 M.bovisは、エメンタールでは5日後も検出されたが、22日後には検出されなかった。グリュイエール(チーズ)では、31日後には検出されなかった。(Kastli
, 1949)
 M.bovisは、酸乳、バターミルク、ヨーグルト、乳酒(ケフィール)及びカッテージチーズでは14日間、バターでは100日間、チーズ製品では305日間感染能を有する。熟成に4~5ヶ月を要する硬質チーズからは、感染能を有するM.bovisは検出されなかった。(Kastli
, 1960)
 メキシコ産軟質チーズからM.bovisが検出されており(Harris et al.
, 2007)、これは、低温殺菌されない乳製品からヒトが感染する可能性を示唆している。
 チーズの製造時に、納入元の異なる複数の乳が混合されるため、加工乳には低度(希釈されるため)の汚染が想定される。
 生乳製品の摂取による結核感染は、特に生乳チーズにおいて排除できない。しかし加熱タイプの硬質チーズは、製造条件及び熟成期間により、M.bovisが死滅すると考えられるため、それらの摂取による健康リスクはないものと思われる。
地域 欧州
国・地方 オーストリア
情報源(公的機関) -
情報源(報道) オーストリア保健・食品安全局(AGES)
URL http://www.ages.at/uploads/media/Risikobewertung_Milcherzeugnisse_TBC_02.PDF