食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02720450188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、除草剤グリホサート耐性遺伝子組換えワタMON1445の二次製品の市場流通認可更新について意見書を公表
資料日付 2008年12月1日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、欧州規則EC No.1829/2003に基づき除草剤グリホサート耐性遺伝子組換えワタMON1445の二次製品を食品添加物、食品香料及び飼料としての市場流通認可更新について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受け、2008年10月1日付けで意見書を公表した。
1. 遺伝子情報
 ワタMON1445は、ワタCoker 312にアグロバクテリウム法によりcp4 epsps遺伝子を導入した除草剤グリホサート耐性を有するワタである。ベクターはバイナリープラスミドのPV-GHGT07で遺伝子CP4epsps発現カセット、遺伝子aad、遺伝子nptII発現カセット、その他を含んでいる。
2. 導入遺伝子と産生たん白質の作用
 ワタMON1445で発現するたん白質は、グリホサート耐性を付与する5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(CP4 EPSPS)及びアミノグリコシド系抗生物質をリン酸付加分解で不活化するネオマイシン・リン酸基転移酵素II型(NPTII)である。遺伝子nptIIは選抜マーカーとして使用されている。
 遺伝子aadはアミノグリコシド-アデニルトランスフェラーゼ(AAD)をコードする遺伝子で、ストレプトマイシン又はスペクチノマイシンを含有する培地でバクテリア培養の選抜に用いている。
 インサートとワタのDNAの5’末端部位121bp及び3’末端部位360bpの配列に関するバイオインフォマティクス分析では、オープンリーディングフレームの配列はアレルゲン及び毒性データバンクの配列と同一ではないことを確認した。
3. 導入遺伝子の発現
 CP4EPSPS、NPTII及びAADたん白質の定量をエライザ法で実施した。AADたん白質はいかなる組織からも検出されなかった。
 CP4EPSPSたん白質は葉で0.036μg/mg、種子で0.225μg/mgであった。NPTIIたん白質は葉で0.03μg/mg、種子で0.03μg/mgであった(1998年)。粉及び搾りかすでのウエスタンブロッティング法による分析では、平均含有量はCP4EPSPS0
,07μg/mg、NPTIIで.001μg/mgであった。
4. 遺伝子及び表現型の安定性
 挿入遺伝子の伝達は、5世代戻し交配で検証した。メンデルの法則に従って分離し、サザンブロッティング法で核ゲノムに挿入されていることが確認されている。
 CP4 EPSPSの5世代にわたる検出による発現の安定性及び、1997年以降上市されている栽培品種でのグリホサート耐性表現型の安定性が実証された。
5. 毒性、アレルギー誘発性、その他の有害な影響
(1) 毒性:ラットの急性毒性試験で有害所見なし。in vitroたん白質消化試験でCP4 EPSPSとNPTIIたん白質は速やかに分解した。バイオインフォマティクス分析でこれらのたん白質は毒性ペプチド配列と同じ配列を有しない。
(2) アレルギー誘発性:これらのたん白質ドナー生物にアレルギー誘発性はなく、CP4 EPSPSとNPTIIたん白質の配列にアレルギー誘発性たん白質の配列と同一のものはなく、人工腸消化環境のin vitro試験では速やかに分解し、最終製品中の含有量は微量もしくは存在しない。
6. 結論
 遺伝子組換えワタMON1445二次製品の認可更新のため新しい技術資料が提出された。
 この更新資料で遺伝子配列及びMON1445挿入部の結合部位の配列についてバイオインフォマティクス的分析を行っている。さらに、発現たん白質の安全面も確認している。
 この資料は世界及び欧州における生産、輸入、消費及び暴露データも含んでいる。
 しかしながらワタMON531と同様にワタMON1445もゲノムに求める農学的(農産技術)形質発現には無用な細菌由来の配列を含み、食品・飼料用として上市する遺伝子組換え植物には含まれていてはならないストレプトマイシン/スペクチノマイシン耐性遺伝子aadも含まれている。
 従って、AFSSAは欧州連合法規の条文に照らしてこれらの製品の市場流通を認可してはならないと思量するものである。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
URL http://www.afssa.fr/Documents/BIOT2008sa0229.pdf