食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02710520149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、貝毒のアザスピロ酸類に関する科学的意見書を公表 |
資料日付 | 2008年10月8日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は10月8日、貝類中の海産自然毒アザスピロ酸類(Azaspiracids: AZA)に関する科学的意見書(52ページ)を公表した。概要は以下のとおり。 1. AZAは、吐き気、嘔吐、下痢及び胃けいれん等で特徴づけられるアザスピロ酸中毒(AZP)を引き起こす貝毒群である。約20種の類似体が同定されており、そのうちAZA1、AZA2及びAZA3が検出頻度及び毒性に基づき最も重要な類似体である。AZAは加熱では分解されない。 2. AZAの毒性学的データベースは限られており、急性毒性に関する研究例がほとんどである。数ヶ国において、AZA1に1、AZA2に1.8 、AZA3に1.4の毒性等価係数(TEF)が適用されている。入手できるデータ(ごく少数のマウスを対象とした腹腔内投与後の致死率)では確かなTEFを設定するには不十分であるため、科学パネルはAZAの毒性を推定する最良の暫定的手段として上記のTEF値を使用した。動物又はヒトにおけるAZAの慢性影響に関するデータは、耐容一日摂取量(TDI)を設定するには不十分であった。当該パネルは、AZAの急性毒性の観点から入手できるヒトのデータに基づき、急性参照用量(ARfD)を設定することを決定した。 3. 当該パネルは、AZPの最小毒性量(LOAEL)の最も確実な推定値はAZA1換算で113μg /人(60kgの成人でAZA1換算で1.9μg /kg体重に相当)であると結論付けた。検討されたAZAの作用は緩やか且つ可逆的であるため、不確実性係数3を適用しLOAELから無毒性量(NOAEL)を推定した。この結果、当該パネルは、AZA1換算で0.2 μg /kg体重というARfDを設定した。加盟5ヶ国が提供したデータに基づき、当該パネルは、海産自然毒の急性リスク評価に用いる高摂取量(high portion size)を貝の可食部400gとした。 4. 現行のEU規制値であるAZA1換算で160μg /kgに相当するAZAを含有する貝の可食部400gを摂取すれば、AZA1換算で64μgの経口暴露を受けることになる。体重60kgの成人にとって、これはAZA1換算で約1μg /kg 体重に相当する。この数値は、当該パネルが設定したARfDより5倍高い。したがって、この摂取量が感受性の高い消費者に影響を及ぼす可能性は排除できない。摂取量及び検出頻度に関するデータに基づくと、体重60kgの成人が欧州市場で現在入手可能な貝類を摂取した場合にAZA1換算で0.2μg/kg体重というARfDを超える可能性は約4%である。当該パネルは、体重60kgの成人がARfDを超えないためには、1人分400gの貝類にAZA1換算で12μg、すなわち貝の可食部においてAZA1換算で30 μg/kgのAZA含有量を超えないことが望ましいと結論付けた。 5. マウス及びラットを用いた生物検定法は、AZAの検出用にEUで公的に規定された基準法である。当該パネルは、いずれの生物検定法も特異性や定量性等において欠点があると記述している。現時点で入手できるエビデンスでは、哺乳類を用いた検定法にとってかわる可能性が最も高いものとして液体クロマトグラフ-タンデム質量分析(LC-MS/MS)法に基づく方法が示唆されている。LC-MS/MS法に基づく方法は、現行規制値の160μg AZA1当量/kg貝肉を大幅に下回る濃度でAZAを検出することが可能である。当該パネルは、個別の試験施設の合目的性を証明する国際的に認められた指針に準じたバリデーションが、規制を目的とした海産自然毒の代替分析方法の実施に弾みをつける可能性があるとしながらも、以下を記述した。(1)可能であれば、検出法の妥当性確認基準を規定することが望ましい。(2)試験施設間の共同試験による検出法の妥当性の確認は長期目標とすることが望ましい。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | http://www.efsa.europa.eu/cs/BlobServer/Scientific_Opinion/contam_ej_723_AZA_en ,0.pdf?ssbinary=true |