食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02700610188 |
タイトル | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、牛ラクトフェリンの市場流通認可について意見書を公表 |
資料日付 | 2008年11月20日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、欧州規則258/97/ECに基づいてベルギー当局が実施した新規開発食品成分牛ラクトフェリンの市場流通認可に関する最初の評価報告書について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受け、2008年9月2日付けで意見書を公表した。概要は下記のとおり。 ラクトフェリンは689のアミノ酸で構成された分子量80kDaの糖たん白質である。ヒトや多くの哺乳類の乳及び外分泌物や顆粒白血球に存在する。ラクトフェリンはトランスフェリン族に属し、鉄イオンに高い親和性を有する。 フランスにおける乳製品の摂取状況から、総ラクトフェリン摂取量の平均は大人で20~50mg/日である。 申請者が意図している用量は0.6mg/kg体重/日(高齢者)~25mg/kg体重/日(C型肝炎の大人)、健康な乳児、下痢症の後の乳児、又は未熟児には平均で13~15mg/kg体重/日。提案用量はラットで得られたNOAELの2g/kg体重/日、即ち体重70kgの大人で140g/日よりも低い量である。 1.期待する効果として、以下があげられている。(1)腸内微生物叢組成をコントロールする役割。(2)細菌や真菌症感染を抑える。(3)サイトカインの炎症促進作用を抑制し、T細胞とB細胞の分化を促進する。(4)フリーラジカルの有害影響からの生体保護。(5)鉄分吸収の促進。 ただし状況によっては抗酸化、抗フリーラジカル、鉄分吸収の働きをしない。よって、幼児用食品にラクトフェリンを強化することには、加熱プロセスによる変性を考慮すれば疑問が生ずる。 2.毒性に関する情報 NOAELを2g/kg体重/日を適用し、ヒトに適用できるとしている。NOAELを安全係数100で除した基準値は20mg/kg体重/日。C型肝炎患者、妊娠中の女性及び新生児に投与した治験では望ましくない影響の所見はない。これらの治験で用いたラクトフェリンの最大値は大人で100mg/kg体重/日、新生児で300mg/kg体重/日である。 乳たん白質と循環血液中インスリン様成長因子(IGF-1)濃度の関係は確立されており、高いIGF-1値であればがんのリスクがより高くなると判明している。従って高い割合(100mg/日)のラクトフェリン摂取が及ぼす血清IGF-1値への影響分析の実施を勧告する。また、活性ポテンシャルや大人の長期間影響データがないのでこの物質の使用は限定的であることが望ましい。 3.結論 ベルギー当局の意見書と同じく、AFSSAはCSS(ベルギー衛生上級委員会)が記したように牛ラクトフェリンを上市する際には下記の制限を設けるべきであることを強調しておく。(1)小児科の栄養摂取目的でラクトフェリンを業務用として使用する場合は、食品にラクトフェリンを入れたときに変性する可能性があることを考慮し、臨床研究を実施してラクトフェリンの使用が新生児の利益になることを証明する。(2)ラクトフェリンが牛乳由来であることを表示する。(3)ラクトフェリンを食品保存料とすることは受け入れられない。 (4)牛ラクトフェリン強化食品の効能については特別評価を実施しなければならない。 認可用量に関しては、上記留保条件の下で、AFSSAは食事に含まれる割合は20mg/kg体重/日を上限とすべきであると思量する。 AFSSAは、今日利用できるデータから見て、栄養所要量をカバーするに十分な多様で均衡が取れ且つ必要な熱量の食事を摂取している健常者がラクトフェリンを補給する正当な理由を証明するには不十分であることを付言するものである。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
情報源(報道) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
URL | http://www.afssa.fr/Documents/NUT2008sa0216.pdf |