食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02690490188 |
タイトル | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、食品及び飼料に害虫抵抗性遺伝子組換えワタMON531由来原料を使用するための市場流通認可更新に関する意見書を公表 |
資料日付 | 2008年10月23日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、欧州規則(EC)No.1829/2003に基づき食品及び飼料にチョウ目害虫抵抗性遺伝子組換えワタMON531由来原料を使用するための市場流通認可更新申請について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受け、2008年9月3日付けで意見書を公表した。 1. 背景 MON531ワタは1998年に欧州植物科学委員会(SCP)が評価している。AFSSAは、MON531ワタとMON1445ワタの交配種及び遺伝子組換えMON15985系ワタ(MON531を含む)の市場流通認可申請 (2005年9月16日及び2005年12月6日)2件についてはMON531ワタ遺伝子組換えによる分子特性の情報が欠けていたので意見を保留とした。 2. MON531についての一般的事項 MON531の形質転換は、ワタの品種Coker312にプラミドTiを保有するアグロバクテリウム株を使用して行われた。 また、MON531には1994年にサザンブロッティング法により2つのインサートが組込まれていることが判明し、2001年にPCR法でも2つのインサートのMON531ゲノムへの組込みが確認された。 組み込まれた2つのインサートのうち、機能しているインサートは、キメラ遺伝子cry1Acの発現カセット、nptII発現カセット、バクテリア遺伝子aad、グラム陰性のバクテリアで機能する複製開始領域OriVを有している。もう一つのインサートは機能していない。 遺伝子aadは、ストレプトマイシン又はスペクチノマイシン環境下での培養でバクテリアの選択に使用され、アミノグリコシド・アデニリル・トランスフェラーゼ(AAD)をコードする。この遺伝子は、ヒトがストレプトマイシン又はスペクチノマイシンを使用するという重要性から、これら抗生物質に対する耐性を利用するマーカー遺伝子は圃場における実験栽培にのみ制限されており、市場に出回る遺伝子組換え植物に含まれてはならないとされている。 3. 導入遺伝子産物の発現 MON531ワタは、殺虫成分CRY1Ac及びカナマイシン環境下での選択マーカーNPTIIたん白質産生のために遺伝子組換えを行ったものである。エライザ法で2つのたん白質の発現を定量した。最も多く発現する組織は葉で、CRY1Acは平均1.5μg/g生重量、NPTIIは均3μg/g生重量であった。成熟した種子中で明らかに低く、CRY1Acは0.8μg/g生重量、NPTIIは平均2.4μg/g生重量であった。また、AADたん白質は、いかなる組織からも検出されなかった。 4. インサートの遺伝安定性及び発現表現型の安定性 機能しているインサートによって得られた形質は戻し交配12世代に亘って存在し、また害虫抵抗性は1990年来幾代にも亘って安定しており、その発現はメンデルの優性遺伝に従っている。 5. 化学成分、栄養評価 化学成分と栄養分については、MON531と非遺伝子組換え対照市販品種やCoker312との間に有意差はなかった。 6. 毒性、アレルギー誘発性 毒性、アレルギー誘発性は、有毒たん白質やアレルギー誘発性たん白質との間に配列の同一性がみられず、経口投与試験や消化試験などでも有害影響の所見はない。 7. 亜慢性毒性試験については適切な試験が行われていない。 8. 結論 今回、2つのインサートの存在を示す新しい分子特徴が判明した。1つのインサートのみが機能しておりCRY1Ac殺虫たん白質とNPTIIたん白質を発現している。 遺伝子組換えMON531ワタは、ゲノムに目的とする農学的形質発現に無用な細菌の遺伝子や塩基配列を含んでいる。 これらの中には、食品・飼料用として市場流通させる遺伝子組換え植物には含まれていてはならないストレプトマイシン/スペクチノマイシン耐性遺伝子aadも含まれている。 (EFSAガイダンス2006) よってこれらの製品を市場に流通させてはならないと思量するものである。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
情報源(報道) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
URL | http://www.afssa.fr/Documents/BIOT2008sa0179.pdf |