食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02690410188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、食品衛生と生物学的リスク:トキソプラズマ症感染予防について注意喚起
資料日付 2008年11月17日
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概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は2008年11月17日、プレスリリースで食品衛生と生物学的リスク:トキソプラズマ症感染予防について注意喚起した。概要は下記の通り。
 病原寄生虫は加熱が不十分な肉、又は洗浄が不十分な野菜や果物に寄生している。Toxoplasma gondiiに妊娠中に感染したり、又は免疫不全患者が感染すると重篤な疾病を引起す可能性がある。但し、簡単な衛生対策でこのリスクを低減できる。
1. トキソプラズマ症とは
 トキソプラズマ症はフランスでしばしば見られる原虫感染症である。大人の人口の半数は一般的に不顕性感染している。毎年20万~30万人が新たに感染すると見られている。健常者が感染しても症状はないが、妊娠中に感染した場合に胎児の二次感染 (先天性トキソプラズマ症)及び免疫不全の患者に重篤な症状が見られる。
 毎年フランスにおいて妊娠女性がトキソプラズマ症に感染する事例は約2
,700件あり、先天性トキソプラズマ症は600例発生、その内175例は主として目に後遺症が現れた(2005年データ)。免疫不全患者では、200例が目及び/又は脳に障害を伴い、放置すれば死に至る重篤な症状を呈するものである。
2. トキソプラズマ症を引き起こす可能性のある食べ物は何か。
 殆どの場合、病原寄生虫が入った肉をよく加熱せずに食べたことがヒトの原虫感染症の原因である。原虫に汚染された野菜や果物をよく洗わずに食べたり、稀なケースではあるが飲料水も同様に感染源となり得る。
3. トキソプラズマ症を回避する衛生措置は何か。
 基本的な衛生上のルールを守れば、食品や手の汚染リスクを低減することができる。これらのルールとは、以下のとおりである。
(1) 食品を扱う前後、ガーデニングの後又は泥で汚れたものに触った後は必ず手を洗い、爪はブラシを使って洗うこと
(2) 生野菜や果物は泥を完全に洗い流すこと
(3) 食品取扱いに使用した調理器具は、使用後表面を念入りに洗浄する
食べる前に肉(赤肉、白肉とも)をよく焼くこと、赤肉についてはよく火が通った色になる(68℃以上の温度)までよく焼くように心がけること。電子レンジ加熱は寄生虫の殺虫には効果的でない。
4. AFSSAの評価
 2006年、AFSSAはトキソプラズマ症及び食品経由のトキソプラズマ症リスク評価に関する知見の現状をまとめた報告書を公表した。この研究は管理当局にヒトの感染予防策の改善、特に先天性トキソプラズマ症予防策の改善を図るための科学的な裏付けを提供し、優先すべき3つの活動分野を以下のように明らかにした。
(1) 食品や環境中の寄生虫検出のための感度の高い技術の開発、及び信頼度の高い病原体汚染率評価ができるようなサンプリング方法の開発。これらの進歩した技術があれば食品の汚染率をより良く評価でき、ヒトの感染における食品別の寄与の度合を割出すことができる。
(2) 妊娠女性のトキソプラズマ症及び先天性トキソプラズマ症の有病率から潜在的な汚染食品摂取の影響評価ができるようなリスク定量評価方法の開発
(3) この感染症に関する情報及び予防策の改善、特に妊娠女性に対する予防策の改善
5. 研究と参照
 トキソプラズマ症国立リファレンス・ラボラトリー(NRL)では、検出ツールの開発、トキソプラズマ症の定義付け、分子及び免疫学的タイピング技術の開発を行っている。
 なお、2005年12月AFSSAトキソプラズマ専門部会報告書「トキソプラズマ症:食品に係わる知見とリスク評価」(318ページ)は下記URLから入手可能。
http://www.afssa.fr/Documents/MIC-Ra-Toxoplasmose.pdf
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
URL http://www.afssa.fr/PNS801.htm