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資料管理ID syu02620390343
タイトル フランス衛生監視研究所(InVS)、フランスにおける2006年のクロイツフェルトヤコブ病及びその他のプリオン病の発生及び死亡状況を公表
資料日付 2008年9月26日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス衛生監視研究所(InVS)はフランスにおける2006年のクロイツフェルトヤコブ病(CJD)及びその他のプリオン病(ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病(GSS)、致死性家族性不眠症(FFI))の発生及び死亡状況を2008年9月25日付で公表した。
1. 目的
 亜急性海綿状脳症(TSSE)サーベイランスの目的は、CJD、特に牛海綿状脳症(BSE)に関係する変異型CJD(vCJD)を検出することにあり、また病因(弧発性、変異型、遺伝性、成長ホルモン使用による医原性、硬膜移植由来の医原性)を分類し、疫学的特徴やリスク要因を明らかにし、プリオン病の時間的及び地理的な動向を把握することにある。
2. 2006年のアラート
 2006年にCJDの症状の疑いがあるとの通告は1
,315件に上った。2004-2005年は症状登録方法の変更に伴い通告数は減少していたが、2006年には2001-2003年の過去の最高通告数(約1
,100件/年)を上回った。
3. 2006年の死亡例の特徴
(1) 症例の分類
 2006年のCJDによる死者は144名で、その内訳は、弧発性124名、変異型6名、遺伝性9名、成長ホルモンを使用した医原性のものが5名、硬膜移植由来の医原性のものは0であった。
(2) 年齢別、男女別内訳
 男性の割合はCJD全体の37%で、弧発性では35%であった。また、死亡時50歳以下の割合はCJD全体の12%で、そのうちの1症例が弧発性(弧発性症例の1%)で、1症例が遺伝性(遺伝性の11%)で、医原性CJD5症例は全て成長ホルモン使用が関係しており、vCJDの6症例の内の5症例が50歳以下であった。
(3) 地理的分布
 CJD死亡率のフランス本土における地理的分布には、偏りがあった。バス・ノルマンディー地域圏とフランシュ・コンテ地域圏が最も高く、その死亡率は1
,000
,000人当り4.38?6.98人であった。海外県は1症例であった。
(4) 病理学的検査
 112症例で死後神経病理学的検査を行った結果、その内の82症例(CJD全体の73%)がCJDと確定診断された。臨床的にCJDの疑いありと診断(14.3.3たん白質が検出されずかつ脳波所見なし)されていた11例の内の4例は、死後検査によりCJDと確定診断された。
 CJDと診断された144症例中82症例(57%)が死後検査で確定診断され、この内の66症例は弧発性であった。脳生検が実施され、弧発性CJDを1症例確定した。vCJDの死亡6症例中の5症例は生前検査で扁桃腺生検により生前鑑別診断で同定され、5症例とも死後確定診断された。
(5) 遺伝学(変異とコドン129)
 遺伝性CJDの9症例についてはプリオンたん白質をコードする遺伝子PRNPの分析検査で確定された。すなわち、ヌクレオチド・インサーション2つ及びコドン178(2症例)、コドン196(1症例)、コドン200(4症例) で特異的突然変異7つが確認された。
 コドン129はCJDの109症例(76%)で検査された。検査された弧発性CJD89症例中の74症例(83%)はホモ接合体で、その内の52症例(弧発性CJDの58%)はMet/Met型であった。成長ホルモン使用による医原性CJDの1症例ではコドン129へテロ接合体Met/Val型で、その他の4症例はMet/Met型であった。vCJDの6症例は全てホモ接合体Met/Met型であった。
4. 考察
 2006年のvCJDによる死者の数は2005年と同じであった。この疾病が発生した1996年から2006年末までにフランスにおいて20名がvCJDで死亡している。この数字は2003年末のデータから検討した結果、即ち2010年までのvCJDによる死者数を29名と想定した範囲に収まっている。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス衛生監視研究所(InVS)
情報源(報道) フランス衛生監視研究所(InVS)
URL http://www.invs.sante.fr/publications/2008/mcj_2006/mcj_2006.pdf