食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02590010149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、食品中の多環芳香族炭化水素に関する科学的意見書を公表 |
資料日付 | 2008年8月4日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は8月4日、食品中の多環芳香族炭化水素(PAH)に関する科学的意見書(114ページ)を公表した。概要は以下のとおり。 1. PAHは過去10年間、国際化学物質安全性計画(IPCS)、EUの食品科学委員会(SCF)及びFAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)によって評価された。SCFは、動物実験の結果、ヒトに対し15種のPAHが遺伝毒性を、そのうち1つを除く14種が発がん性を誘発する可能性があることから、食品を通じたPAH摂取による長期的な悪影響のリスク評価において、これらの化合物が優先すべきグループであるとした。SCFは評価に際しては食品中のPAHの特性に関する試験及びマウスを用いた2種類のコールタール混合物の発がん性試験を根拠として、ベンゾ(a)ピレンを食品中のPAH出現及び発がん作用のマーカーにすることを提案した。 2. EFSAのCONTAMパネルは、SCFが2002年に特定した15種のPAH及び、JECFAが2005年に提案したベンゾ(c)フルオレンを本意見書の評価対象に決定した。CONTAMパネルは、経口暴露による発がん性データが入手できるPAH―すなわちベンゾ(a)ピレン及びCulpらの発がん性試験(1998年)で使われた2種類のコールタール混合物から定量されたベンゾ(a)アントラセン、ベンゾ(b)フルオランテン、ベンゾ(k)フルオランテン、ベンゾ(ghi)ペリレン、クリセン、ジベンズ(a ,h)アントラセン及びインデノ(1 ,2 ,3-cd)ピレン―に基づくリスク判定が望ましいと結論付けた。上記8種のPAH総量(PAH8)に加え、ベンゾ(a)ピレン、クリセン、ベンズ(a)アントラセン及びベンゾ(b)フルオランテンの総量(PAH4)、並びにベンゾ(a)ピレンとクリセンの総量(PAH2)についても試算された。欧州全域における経口暴露量の中央値が平均的摂取者及び高摂取者について試算され、ベンゾ(a)ピレン単独では235ng/日(3.9ng/kg体重/日)~389ng/日(6.5ng/kg体重/日)、PAH2は641ng/日(10.7ng/kg体重/日)~1077ng/日(18.0ng/kg体重/日)、PAH4は1168ng/日(19.5ng/kg体重/日)~2068ng/日(34.5ng/kg体重/日)、及びPAH8は1729ng/日(28.8ng/kg体重/日)~3078ng/日(51.3ng/kg体重/日)であった。経口暴露への寄与が最も大きいのは穀類・穀類製品及び水産物・水産物製品であった。 3. 平均的摂取者及び高摂取者のベンゾ(a)ピレン、PAH2、PAH4及びPAH8それぞれの経口暴露量と、Culpらの発がん性試験で使用された2種類のコールタール混合物から得られたそれらに対応するBMDL10値に基づいて、暴露マージン(MOE)による評価手法が用いられた。平均摂取者のMOEは、ベンゾ(a)ピレンで17 ,900、PAH2で15 ,900、PAH4で17 ,500、PAH8で17 ,000であった。高摂取者のMOEは同じ順番でそれぞれ10 ,800、9 ,500、9 ,900、9 ,600であった。これらのMOEは、平均推定経口摂取量において消費者健康への懸念が低いことを示す。しかし、高摂取者のMOEは約10 ,000或いは10 ,000未満であり、EFSAの科学委員会が提案しているように消費者健康への懸念の可能性及びリスク管理行動が必要になる可能性を示す。 4. ベンゾ(a)ピレンは食品中のPAH出現について適切な指標ではないとCONTAMパネルは結論付けた。PAHの出現及び毒性に関する現時点で入手可能なデータを根拠に、PAH4及びPAH8が食品中のPAHsに関する最適な指標である(PAH8はPAH4と比べてあまり値は増えない)とCONTAMパネルは結論付けた。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/doc/724.pdf |