食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02510260188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、トマト抽出リコピンとBlakeslea Trispora由来リコピンの同等性評価に関する意見書を公表
資料日付 2008年7月1日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、トマトから抽出したリコピンと欧州規則No.258/97で認可されたBlakeslea Trispora由来リコピンの同等性評価を行うよう競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受け、2008年4月30日、意見書を公表した。
1.背景
 2005年4月21日にEFSAがリコピンの新開発食品としての市場流通認可を認める意見書を公表し、更に2005年7月25日にAFSSAが新開発食品としてのリコピンのリスク評価を実施している。
2.リコピンの生体利用能
 リコピンのシス型異性体はトランス型異性体よりも生体利用能が高い(Boileauら、2002)。さらにサプリメントの形で取り込むリコピンは、果実や野菜に含まれているものよりも生体利用能が高い(Bohmら、1999)。Blakeslea Trispora抽出リコピンの純度は95%以上で、シス型異性体リコピンを5%含んでおり、油性懸濁液中で安定している。サプリメントに使用したBlakeslea Trispora由来リコピンの油性懸濁液からの生体利用能に関する情報がない。
3.リコピンの代謝
 リコピンの特性にその代謝物の特性が関わっていることを示す研究が最近発表された(Lindshield et al.、2007)。由来原料(トマト、Blakeslea Trispora、合成物)別にリコピンの代謝産物を知る必要がある。
4.リコピン摂取リスク評価
 AFSSAは2005年7月25日付意見書で、サプリメントで一日あたり合計20 mgを超過してリコピンを摂取することは必要なく、無用であるとしている。その理由は次のとおり。
・ フランス国民のリコピン摂取量は高く、約20 mg/日である。
・ 慢性病(がん、心臓血管病)の発症リスクの低減を示唆するデータは決定的なものではない。
・ 現在の知見では、動物実験による長期毒性試験及び発がん試験がなく又異性体、特にシス型とトランス型の関係及び合成リコピンについて分析データがないのでADIを定めることができず、また食品成分として様々のタイプのリコピンを長期にわたって摂取するリスクが不明である。
5.結論
 Blakeslea Trispora由来のリコピン物質がトマト由来のリコピンと同等であることを評価する前に、これら2つの生体利用能を比較すること及び新たなデータを考慮したBlakeslea Trispora及びトマトの2つの原料別のリコピンの代謝動態に係わるデータを取得する必要がある。
 更に、高用量の抗酸化物質を補給することは有害なので、AFSSAは、サプリメントで10mg/日のリコピンを摂取することにより閾値の20 mg/日を越えるリスクを回避するために、欧州諸国でリコピン摂取シミュレーションを行うよう重ねて要望するものである。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
URL http://www.afssa.fr/Documents/NUT2007sa0306.pdf