食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02470220188 |
タイトル | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、L-リシン生産時に生じるバクテリアバイオマスの窒素飼料としての使用に関する意見書を公表 |
資料日付 | 2008年6月4日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、遺伝子組換えE.coliでL-リシンを発酵生産する際に生じる殺菌乾燥バクテリアバイオマスを、欧州規則EC1829/2003に定める窒素飼料として認可する件について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受け、2008年4月8日、意見書を公表した。 1.申請製品 当該製品PL73-E.coli(LYS)は、遺伝子組換えE.coliによるL-リシン生産時に生じる副産物であり、窒素飼料の原料として使用する。 2.遺伝子組換え この遺伝子組換えE.coliは、病原性の無い微生物として欧州指令No.200/54/ECの付属書IIIでグループI(ヒトへのリスクがほとんど無い生物)に分類されているLederbergの E.coli K12株である。 E.coli K12株をプラスミドpS183dT及びpAKld14で形質転換し、リシン高産生性の最終株No.10Sを作成した。 また、プラスミドの配列は完全に決定され、未知のオープンリーディングフレームはない。なお、プラスミドに付随したものとして、カナマイシン耐性遺伝子nptI、E.coliの代謝遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子nptIIの断片及びテトラサイクリン耐性変異遺伝子の非機能的な状態での存在が見られるが、ほとんどの断片は1kb以下であり、増殖やnptI遺伝子の転移ができる状態ではない。 テトラサイクリン耐性の変異遺伝子は非機能性だが、EFSAの分類グループIIIに属するため、当該遺伝子の特性データ及びこの遺伝子に相応するDNAがないことを示すデータの提出が必要である。 また、菌体バイオマスは新開発食品原料であり、完全なリスク評価を要する。 3.急性毒性と感作 経口急性毒性試験では本製品のLD50が2 ,000mg/kg体重以上であった。皮膚・眼刺激試験では潜在的刺激性・急性腐食性はない。経気道急性毒性試験では呼吸器系に刺激性が認められた。製品のたん白質に潜在的刺激性があると考えられる。 4.亜慢性毒性と生殖発生毒性試験 経口反復投与亜慢性毒性試験で、無作用量(NOEL)は規定給餌の製品配合率で3%。生殖発生機能検査では、母体毒性では8%、胎児毒性では15%であった。 欧州の指針では、最低直系2世代生殖・発達毒性試験、ウサギの催奇性試験及びげっ歯類とそれ以外の2種の動物を対象とした慢性毒性試験の実施を求めている。 5.遺伝毒性 in vitro変異原性試験(エームス試験)、リンパ腫細胞遺伝子突然変異試験及び培養卵巣細胞染色体突然変異試験で遺伝毒性がなかった。 6.給餌試験 本製品の対象は豚、反すう動物及びサケ類。肥育から仕上げ期の豚であり、製品の飼料配合率5%までは有害影響なし。5%を越えると豚の肥育効率が低下し、血漿ビリルビン値が上昇した。反すう動物とサケ類の給餌試験を要する。 7.消泡剤残留 生産プロセスに消泡剤を使用しているため、消泡剤を最大量にして生産した製品及びその生産ロットの製品で飼育した動物由来食品の消泡剤残留値のデータを提出すべきである。 9.結論 AFSSAは、下記の資料がなく、遺伝子組換えE.coliによるL-リシン生産時に生じる副産物である殺菌乾燥バクテリアバイオマスを窒素飼料として使用することについて是非の判断はできない。 (1)No.10S生産株の薬剤感受性検査(K12原種株との関連で、テトラサイクリンを含むヒト医薬や動物医薬に使用されている主な抗生物質で行う薬剤感受性検査) (2)バクテリアバイオマスの不活化工程に関するHACCPの自主管理登録データ (3)テトラサイクリン耐性変異遺伝子の特性及び不活化バイオマスの遺伝子に適合する充分な長さの断片がないことを示す補足データ (4)工業生産品と当該製品との比較検査 (5)製品及び製品により飼育した動物由来食品の消泡剤残留データ (6)現行の指針に適合した補足毒性検査 (7)反すう動物とサケ科の魚での給餌試験 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
情報源(報道) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
URL | http://www.afssa.fr/Documents/ALAN2008sa0016.pdf |