食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02430370188 |
タイトル | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、緑茶抽出物、ぶどう種子抽出物、タウリン及びグルコン酸亜鉛からなるサプリメントの安全評価についての意見書を公表 |
資料日付 | 2008年5月8日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、緑茶抽出物、ぶどう抽出物、タウリン及びグルコン酸亜鉛のからなるサプリメントの安全性評価について競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受け、2008年3月7日、意見書を公表した。 1.評価対象サプリメントとその期待効能 当該サプリメントは680mg/錠の錠剤で、主要有効成分として1錠当りタウリン75mg、グルコン酸亜鉛52.3mg、ポリフェノール含有緑茶抽出物187.5mg、ポリフェノール含有ぶどう種子抽出物75mgを含有している。推奨量は2錠/日で、最低3ヶ月継続投与するとしている。効能は頭髪の維持等である。 2.成分データ (1)グルコン酸亜鉛の形で摂取する亜鉛の量は15mg/日で、1日推奨摂取量(Apports Journaliers Recommandes、AJR)に相当する。 (2)タウリン摂取量は150mg/日となる。未熟児の網膜形成に必須であるが、大人は有意な量を体内合成でき、日常の食事からの摂取量も180mgある。現状ではタウリン補給のメリットは実証されていない。 (3)緑茶抽出物:緑茶抽出物にカテキンが占める割合は約30%である。抽出方法の詳細記述がなく、その他のポリフェノールについての記載も存在しない。抽出方法の明細提出が必要である。 (4)ぶどう種子抽出物:抽出方法の詳細記述がなく、ポリフェノールが豊富とされるデータも存在しない。さらに、抽出ポリフェノールの種類ごとの特徴や含有量のデータがない。なお、抽出に溶剤を使用しているが、抽出物には化学変化がないとしている。 (5)ポリフェノール総量:1日2錠でポリフェノール約255mg/日を摂取することになる。 3.in vitro及びin vivoでの毒性試験 (1)エピガロカテキンガレート(EGCG)50%及びその他のカテキン30%を含む緑茶抽出物の試験:投与量2.0g/kg体重/日以下で遺伝毒性なし。NOAEL 1.0g/kg体重/日で慢性毒性なし。 (2)89.3%のプロアントシアニジンを含むぶどう種子エキスの試験:in vitro遺伝毒性なし(エームス試験、染色体異常)、投与量4g/kg体重/日のラット急性毒性試験で毒性なし、NOAEL1.4g/kg体重/日で慢性毒性なし。 (3)ポリフェノール摂取リスク:ポリフェノールの非ヘム鉄吸収阻害作用が示す臨床試験報告がある。また、エピガロカテコールガレート150mg/日を8日間摂取したところ鉄分吸収阻害効果を観察した文献もある。鉄分吸収量の低減は、肉を摂らない貧血症患者(フランス人出産年齢女性の3~4%)にとってはリスクとなる。サプリメント摂取による鉄分吸収状況を示す試験は行われていない。ポリフェノール含有サプリメント摂取による疾病リスク評価と期待利益の比較が必要である。 4.安定性 本サプリメントの安定性を裏付け説明するデータがない。 5.髪質と抜け毛に対する効果 タウリン、亜鉛、ポリフェノール、フラボノイドとカテキンのバイオアベイラビリティ、in vitro試験及びサプリメントの臨床試験が行われた。タウリンin vitro試験では循環性血漿濃度の20倍、亜鉛では推奨用量の40倍で試験を行っているが、同じ条件でin vivo試験を行い影響観察する必要がある。臨床試験では、化粧品試験で意味を持つプラセボ効果を考慮していない。 いずれの効能も臨床試験の裏付けがなく、in vitro試験データも生理学的に程遠い条件で行われており、そのままヒトのケースに移し変えることはできない。 6.結論 現在の知見及び申請者の提出資料ではサプリメントの安全性について結論を出すことはできない。次の追加データが必要である。 (1)成分の品質データ(重金属、残留農薬、細菌及び酵母菌検査)及び抽出方法(特にぶどう種子ポリフェノール) (2)サプリメントの詳細な成分(特にぶどう種子抽出物) (3)サプリメントの安定性 (4)鉄分吸収に関するポリフェノール強化サプリメントを使用することの安全性のデータ |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
情報源(報道) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
URL | http://www.afssa.fr/Documents/NUT2005sa0241.pdf |