食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02380300149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、飼料中の水銀に関する科学パネルの意見書 |
資料日付 | 2008年4月10日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は、飼料中の水銀に関する科学パネルの意見書を公表した。金属水銀や無機水銀は、採鉱や精錬などの産業活動を通じて大気中に放出され、土壌や水中に蓄積し沈殿物となり、その際水銀がメチル水銀に変化する。メチル水銀は食物連鎖、特に水圏の食物連鎖によって生物の体内で濃縮されるが、特に寿命の長い捕食魚や海産ほ乳類水生動物でその含有量が高くなっている。 金属水銀は水銀蒸気となり得、主に呼吸器を通じて吸収される一方、胃腸管を通じての吸収はごくわずかである。また、胃腸管経由で吸収される無機水銀は10~30%であるが、腎臓に悪影響を及ぼす。ほ乳類の体内に吸収されたメチル水銀は、大部分は腎臓に蓄積するものの、体内に広く行き渡る。メチル水銀は血液-脳や胎盤の関門を越えるため、神経系が毒性の原発部位となる。ヒトでは、メチル水銀に経口暴露した母親から生まれた子供の神経の発達に影響を与えることが観察されている。 近年、EU加盟国で、飼料中の水銀に関して分析が行われているが、含有量は法令で定められた最大基準値を下回っている。飼料の中では、フィッシュミールから水銀が最も頻繁に検出されるが、最大基準値(0.5mg/kg)を超過したサンプルは無かった。一方、魚用完全飼料の8%に最大基準値(0.1mg/kg)を超過する水銀が検出された。フィッシュミール中の水銀がメチル水銀として存在することを示唆するデータはほとんどない。飼料原料及び完全飼料中の総水銀の検出に関する入手可能なデータによれば、最も感受性が高いと言われる猫やミンクでも、毒性量に達するほどの暴露を受ける可能性はないことが示された。 サケ科の養殖魚で報告されている水銀の最大含有量は、食用魚に関してEUで設定されている水銀の最大基準の約5分の1である(サケ科魚類:500μg/kg)。このサケ科魚類の水銀含有量では、栄養士が推奨するように1週間に2度これらの魚を消費したとしても、目立った健康リスクは無いだろうと考えられる。魚用飼料中の水銀の最大基準から、サケ科の養殖魚の汚染水準では消費者に相当程度のリスクを与えることはないことが確認されたが、この最大水準の妥当性は、他の養殖魚でも確認する必要がある。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | http://www.efsa.europa.eu/EFSA/Scientific_Opinion/CONTAM_op_ej654_mercury_en ,2.pdf |