食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02160040149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、ズッキーニの殺虫剤ディルドリンの残留基準値引き上げリスクに関する科学パネルの意見書を公表 |
資料日付 | 2007年10月29日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は、ズッキーニの殺虫剤ディルドリンの残留基準値引き上げリスクに関する科学パネルの意見書を公表した。 殺虫剤ディルドリンは、環境における残留性と動物組織における蓄積が問題となり、既に世界中で使用が禁止されている。しかし、その強力な残留性のため、現在でも、ディルドリンによる土壌汚染が問題となっており、オランダのデータを調査したところ、同国西部の温室で栽培されたズッキーニは、現行の残留基準値(MRL)0.02mg/kgを常に下回っているとは限らないという結果を得た。それゆえ、オランダは、欧州委員会に対して残留基準値を0.05mg/kgに引き上げ、その場合の毒性学的影響を評価するようEFSAに要請した。 FAO/WHO合同残留農薬専門家会議は、ディルドリンのADIと暫定耐用一日摂取量(PTDI)を設定しているが、急性参照用量(ARfD)は設定していない。科学パネルは、急性毒性試験のデータ(若齢ラットのLD50が25mg/kgbw、安全係数を10 ,000)から、ARfDを0.003mg/kg体重とする案を導き出した。 EFSAの食事データベースのデータからの推計では、ズッキーニのMRLを0.05mg/kgに改定しても、上記のARfD0.003mg/kgを超過しないという結論を得た。また、ズッキーニを消費することで摂取するディルドリンの理論最大一日摂取量は、大人の場合、PTDI(0.0001mg/kg体重)の2%程度、子供の場合でも同程度である。この摂取量の推定には魚からの摂取は含まれていないが、一日当たり30gという中程度の量の魚を消費した場合の計算でも、子供の理論的な暴露量はPTDIの20%である。ディルドリンの残留水準がMRLの25%と仮定した場合にその70%が動物由来食品を通じて摂取されることになるため、ディルドリンの全摂取量の推定はズッキーニのMRLの引き上げによるよりもむしろ、動物由来食品に含まれる残留水準の選択に大きく左右される。しかし、リスク評価に使用したデータベースは限られているため、消費者のディルドリン摂取量の推計値がPTDIを超過するシナリオが存在するのも否定できず、この場合、大量にズッキーニを消費することでディルドリンの摂取が問題となる可能性もある。 データから、オランダの消費者の何割が今回のズッキーニのMRL改定の結果、ディルドリンの摂取量がPTDIを上回るかを評価した結果、ワーストケースで5%未満の消費者のディルドリン摂取量がPTDIを超過するという推計結果を得た。それゆえ、科学パネルは、今回のMRLの改定により、オランダの消費者のディルドリン摂取量に大きな変化はないとの結論に至った。 ARfDを超過した時の影響は、その超過の程度によるが、多少の超過であれば可逆的な軽い症状に過ぎないであろう。また、ヒトにおける長い半減期に鑑み、短期間のPTDIの超過であれば、毒性学的な影響は無視できるものと思われる。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | http://www.efsa.europa.eu/EFSA/Scientific_Opinion/ppr_op_ej%20554_dieldrin_EN ,3.pdf |