食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02090350295
タイトル FAO、世界の食肉生産の構造的な変化によりヒトの病気が増えるリスクを警告 -畜産業者はバイオセキュリティと病気のモニタリングに投資すべき
資料日付 2007年9月17日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  世界の動物食品生産は大きな変革を遂げつつあるが、これが原因で動物から人間に病気が感染するリスクが増大しかねないとする警告をFAOは公表した。概要は以下のとおり。
 動物から人間に病気が感染するリスクは、人口と家畜数の増加、畜産形態の急激な変化、世界的な農業・食品網の構築、人・物の移動の増加により今後いっそう大きくなる。世界は集約的な動物食品生産体制の技術に依存しているが、大規模な畜産単位での家畜の過度の集中は避けるべきであり、公衆衛生を守るにはバイオセキュリティと病気のモニタリングの改善に向けて十分な投資を行うべきである。
 国が豊かになり世界人口が増えるにつれて、食肉などの畜産品に対する需要が拡大するが、これに応えるべく畜産業が増え、都市部に接近するほどの密集状態になっている地域も少なくない。また畜産業は、生産性の高いわずかな品種を用いた集約的な形態になっている。このような状況は地域及び世界の病気のリスクに深刻な結果をもたらしかねないが、政策担当者に広く認知されるには至っていない。
 養豚業と養鶏業は世界的に最も急速な成長と産業化を遂げつつある畜産分野で、過去10年に年2.6%~3.7%の伸び率で生産量が増進した。その結果、先進諸国における鶏と七面鳥の飼養数は生産者1戸あたり15
,000~50
,000羽となっている。畜産の産業化傾向は発展途上国でも同様で、在来の飼養形態に代わって集約的な単位での生産が増え、特にアジア、南米及び一部アフリカ地域でその傾向が顕著である。
 養豚・養鶏産業は家畜を生きたままで動かす大規模移動が大前提となっている。例えば2005年の豚の国際貿易は2
,500万頭(月あたり200万頭以上)であった。移動だけでなく、数千頭規模の家畜を囲いの中に密集させることで、病原体が伝播する可能性も大きくなる。さらに囲いの中の畜舎には多量の排泄物が蓄積され病原体も増えるが、屋外にそのまま廃棄される場合がほとんどで、野生のげっ歯類や鳥が感染するリスクを助長している。
 高病原性H5N1ウイルスは世界の主要関心事であるが、鳥と豚におけるA型インフルエンザウイルスの「静かな(silent)」な循環についても国際的に注視すべきである。A型インフルエンザウイルスは市販用家きんには広範に、豚にもある程度拡散しており、ヒトのインフルエンザの世界的流行につながる可能性をはらんでいる。
 FAOは食肉生産者に対しバイオセキュリティ対策を講じるよう要請した。生産施設は住居や野鳥が集まる場所の近傍に建設すべきでない。農場は定期的に清掃と消毒を行うべきである。職員や車両の出入りを規制し、従業員にバイオセキュリティの訓練を実施すべきである。
 FAOはOIE及びWHOと連携し、サーベイランス及び研究ネットワークを通じて世界的な脅威に対応している。また、動物疾病の発生時に諸国家を支援するための緊急管理センターをこのほど設立した。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL http://www.fao.org/newsroom/en/news/2007/1000660/index.html