食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02060540294
タイトル WHO、2007年「世界健康報告」を発表
資料日付 2007年8月23日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  WHOは、2007年「世界健康報告」を発表した。概要は以下のとおり。
 新たな脅威に立ち向かい効果を上げるため、世界の公衆衛生は諸国家の協力と意欲とにかつてないほど大きく依存している。「より安全な未来へ:21世紀の世界公衆衛生保障」と題する本年の「世界健康報告」はこの点を明確なメッセージとし、以下の6つの点を強調している。
(1)すべての国による改訂国際保健規則(2005)の全面的実施
(2)サーベイランス及び発生の警報・対応における世界的協力
(3)ウイルスや試料などを含め、世界の公衆衛生に資する知見、技術及び物質の共有
(4)すべての国の公衆衛生インフラを増強する世界的責任
(5)各国政府間の分野横断的協力
(6)訓練、サーベイランス、ラボ能力、対応ネットワーク及び予防キャンペーンに関する世界及び各国の資源増強
 世界がますます密接に連携し合うようになっているため新たな疾病が類例のない速さで現れており、中には急速に国境を越えて広がるものも少なくない。1967年以降少なくとも39の新しい疾病が特定されている(HIV、エボラ出血熱、マーブルグ熱、SARSなど)。また汎発性インフルエンザ、マラリア、結核など何世紀も前からある疾病も、突然変異、抗生物質耐性、保健体制の脆弱性などの問題とあいまって依然脅威となっている。
【世界共通の脆弱性】
 このような世界共通の脆弱性を考慮するなら、世界的な連帯が是非とも必要である。特に感染疾患の集団発生時にはこのような世界的連帯の必要性が明らかである。
【発生に対するサーベイランスと対応の進展】
 世界健康報告では感染疾患の集団発生に対する過去のサーベイランスや対応の取組みが記載されている。そのような前向きな取組みにもかかわらず、今日疾病の拡散が大きな脅威となっている一因は、エアライン等による人々の大量かつ迅速な移動にある。
【食中毒】
 食物連鎖は過去50年間に高度にかつ迅速に変化を遂げ、高度に複雑化・国際化した。食品の安全性は全体的には大きく改善されているが、改善の度合いが均一ではなく、多くの国々では微生物汚染、化学物質、毒物等による集団食中毒が恒常的に発生している。汚染食品の国家間貿易により集団感染の可能性が増大している。またBSEに伴うvCJDなど、食品を媒体とする新たな疾病も現れており大きな懸念材料となっている。
【畜産業と食品加工】
 ニパウイルスは脳炎を発症する新興ウイルスで、ヒトの感染致死率が75%にも上る。1998年にマレーシアで発生しシンガポールにも伝播したヒトの集団感染では、病気の豚との直接接触が主な感染原因であった。豚間及び豚とヒト間で飛沫感染すると考えられている。しかし、その後ヒトからヒトへの感染の可能性も示唆されているほか、最近の感染症例では、汚染食品の摂取が感染原因である可能性が高いとみられている。中間宿主である豚が介在しなくても伝播するのであれば、対策がいっそう急務となる。
 「世界健康報告」の全文(95ページ)は以下のURLから入手可能。
http://www.who.int/whr/2007/en/index.html
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL http://www.who.int/whr/2007/en/index.html