食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02030150314 |
タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、ウランの健康影響評価「BfRは、飲料水及びミネラルウォーター中のウランのEU最大基準値を設定するよう提言する」を公表 |
資料日付 | 2007年8月1日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、ウランの健康影響評価「BfRは、飲料水及びミネラルウォーター中のウランのEU最大基準値を設定するよう提言する」(46ページ)を公表した。概要は以下のとおり。 ウランは地球上に広範に存在する放射性重金属で、飲料水やミネラルウォーターなど食品中にも微量含まれる場合がある。ウランは様々な濃度及び化合物で、水、土壌、空気、岩石及び鉱物中に天然に存在する。又、人為的にも(たとえばミネラルを含むリン酸肥料を介して)環境中に放出される。 ウランはヒトの生命維持に不可欠ではない。高濃度のウランを継続して摂取すると、ウランの化学毒性により腎障害が引き起こされる可能性がある。又、ウランの放射性崩壊生成物はがんを引き起こす可能性がある。それゆえウランの健康リスク評価では、化学毒性及び放射毒性の双方を考慮せねばならない。ドイツ連邦放射線防護庁(BfS)及びBfRは、本件に関しこれまで何度も見解を示した。今回公表する食品(飲料水及びミネラルウォーターを含む)中のウランのリスク評価では、2005年7月にBfRの招聘でベルリンで開催された専門家会合の結論を取り入れた。又、リン酸肥料及び飼料を介する汚染も考慮した。 化学毒性と放射毒性では毒性作用が異なるため、リスク評価の仕方が異なる。放射毒性物質のリスク評価では、線量を「総毒性」として考察する。国民の食品を介する放射線暴露の算定において、全ての放射性物質及び放射性崩壊生成物が考慮され、そこから総暴露に占めるウランの割合が算出された。これは国際的に標準化された方法である。これに対し化学毒性の評価では、個々の物質の様々な作用に基づき、個々の物質及び個々の毒性において行わねばならないため、放射線保護に適した標準化された暴露モデルはない。 BfS及びBfRのリスク評価の結論は次のとおり。食品(飲料水及びミネラルウォーターを含む)を介し摂取するウランによる放射線リスクは、ドイツの消費者にとり非常に低い。放射線暴露は、線量基準をはるかに下回っている。より重要なのは、これらの食品で測定されたウラン濃度の化学毒性である。しかしBfRは懸念する根拠はないと判断する。現在の科学的知見では、食品を介し摂取したウランの化学作用にはたいした健康リスクはない。調査では、ウランはフードチェーン内に蓄積されないこと、植物が土壌から取り込むウランはごくわずかであることが示された。しかしながら、耕地に撒かれたウラン含有リン酸肥料の危険性については未解明である。又、天然にウランが多く存在する地域由来の飲料水及びミネラルウォーターにより、消費者が健康に有害な量のウランを摂取することも否定できない。 様々な機関が、ウラン摂取量の毒性限界値あるいは、飲料水中のウランの許容基準値を設定している。BfRはウランの健康影響評価で、WHOの飲料水のTDI(15μgU/L)を根拠とした。検査したミネラルウォーターの約5%はウラン含量が高かったが、これらの水を毎日500mL以上飲むと健康へ有害影響がある。これに関しBfRは繰り返し注意を喚起し、ベビーフード調理用と明示されるミネラルウォーターに対し最大基準値2μgU/Lを設定した。この値は国内法に適用されている。 EUではこれまで、食品特に飲料水及びミネラルウォーター中のウランの統一された最大基準値はない。BfRは、欧州食品安全機関(EFSA)がウランの健康影響評価を行い最大基準値を設定するよう提言する。それにより、高度に汚染されたミネラルウォーターの摂取が制限されるし、設定の過程で、現在不足している低量のウランによる慢性毒性に関する知見が補われるであろう。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | ドイツ |
情報源(公的機関) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
情報源(報道) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
URL | http://www.bfr.bund.de/cm/208/bfr_empfiehlt_die_ableitung_eines_europaeischen_hoechstwertes_fuer_uran_in_trink_und_mineralwasser.pdf |