食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu01260180343
タイトル フランス衛生監視研究所(InVS)、2003年にフランスで実施した生物学・医学分析研究所における腸病原性大腸菌及び腸管出血性大腸菌の診断方法に関する調査
資料日付 2006年1月17日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス衛生監視研究所(InVS)は、2003年にフランスで実施した生物学・医学分析研究所における腸管病原性大腸菌(EPEC)及び腸管出血性大腸菌(EHEC)の診断方法に関する調査を公表した。
 フランスでは1996年以降、15歳未満の子供を対象とした下痢後の溶血性尿毒症症候群(HUS)サーベイランスに基づくシガ毒素産生性大腸菌(STEC)感染症サーベイランスを実施している。実施開始から8年を経た現在、このサーベイランスが適切に機能しているかを判断し、必要であれば変更を加えるための評価を行なった。STEC感染症が流行する可能性を考慮に入れ、この評価に加えて、下痢状血便などSTECが引き起こす他の疾患にもHUSサーベイランスを拡大できるかどうか検討することが提案された。
 本件を検討するに当たり、927の生物学・医学分析研究所に対してアンケート調査が実施された。このアンケート調査の結果から、EPEC及びEHECについて慣例検査で使用される方法の目録を作成し、2003年に実施した検査数及び陽性結果数を推算し、EPEC及びEHECの検査が全く実施されていないか、もしくはほとんど実施されていない場合の理由を明らかにしようと試みた。
 調査に参加した357研究所(39%)のうち、215研究所(60%)がEPEC又はEHECの検査を実施していた。大腸菌0157の検査については、子供が下痢状血便又はHUSを起こした際に、より頻繁に実施されている。しかし2003年に大腸菌0157の検査を実施した研究所はわずか36%であった。16研究所がシガ毒素をコードする遺伝子をPCRで検出することによって、EHEC株の毒性を特性付けている。また、EHEC感染症の血清診断を行なうために大腸菌・シゲラ国立リファレンスセンター(CNR)に血清を送付しているのは、わずか39%の研究所にとどまる。
 研究所がEPEC又はEHECの検査を実施していない理由として挙げているのは、検査技術が整備されていないことや検査技術を知らないこと、EHEC感染症の重要性についてほとんど知らないこと、そして臨床医からの特別な申請がないことである。
 結論としては、STEC感染症はHUSを除くと稀であり、STECを完全に同定するために実施すべき検査技術が複雑であり、また整備されていないことから、フランスではEPEC又はEHECの検査はほとんど行なわれていないことが今回の調査から明らかになった。
 これらの結果並びにEPEC及びEHECの検査の現状を考慮すると、研究所の代表的なネットワークに基づくSTEC感染症全国サーベイランスは今のところ実現不可能であると言える。しかしながら今回の結果から、STEC感染症の診断を改善するために必要な活動を具体的に特定することができた。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス衛生監視研究所(InVS)
情報源(報道) フランス衛生監視研究所(InVS)
URL http://www.invs.sante.fr/display/?doc=publications/2006/enquete_e_coli_2003/index.html