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資料管理ID syu01020150343
タイトル フランス、E型肝炎国立リファレンスセンター活動結果
資料日付 2005年7月28日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス衛生監視研究所(InVS)の7月26日付週刊疫学報告(BEH)33号に、「2002年?2004年のフランスにおける腸伝達性肝炎国立リファレンスセンター(CNR)のE型肝炎に係る活動結果」が掲載された。
①導入:工業化した国におけるE型肝炎症例は、多くの場合海外から持ち込まれたものであるが、フランスを含む衛生レベルの高い国で風土病的流行地域での滞在暦がない症例が報告されている。E型肝炎が風土病となっている国では糞便で汚染した水又は食品の摂取によって伝播するのに対し、先進国における土着感染の原因については明確になっていない。E型肝炎CNRの活動は主として、CNRに送られてくるヒトの検体の審査・診断にある。ここでは、始動から3年間の活動結果を記した。
②診断の器具及び方法:診断は、E型感染ウイルスに対する抗体の血清学的検出及び特異抗体に陽性を示す血清検体におけるPCRウイルス検出に基づいている。IgG抗体の検査キットにはAbbott HEV EIA(2003年12月まで)、 HEV ELISA
, Genlabs Diagnostics-Abott(2004年1月から)が、またIgM抗体の検査キットにはHEV IgM ELISA、Genlabs Diagnostics、Abottが用いられた。血清学的プロフィールは、検体の光学濃度と対照群との関係によって解釈された。
③結果:診断の依頼があった検体数は、250(209人、2002年)、194(155人、2003年)、287(233人、2004年)。急性E型肝炎が確定又は推定されたのは3年間で46人、うち16人はアフリカ等の風土病地域での滞在後に発症、30人は旅行暦がないか、またはスペイン滞在暦があった。この30人中21人が南西部ミディ=ピレネ地域圏で報告された。パリ地域圏に住む患者1人については、生の貝類による食中毒が言及されたが、それ以外は今日まで原因が明確に特定されていない。
④検討・結論:CNRにおいてA型及びE型の腸伝達性肝炎に係る活動を開始したことによって、E型肝炎ウイルスによる感染の診断の難しさが明らかになった。これは特に、血清検査キットの性能に原因がある。高性能の器材を用いた血清マーカーの探索と遺伝子増幅によるウイルス検出を結びつけて診断を行なう必要がある。また結果の解釈は、疫学及び臨床のデータに基づいて実施すべきである。当該活動によって、ミディ=ピレネ地域圏が土着感染の発生地と特定することができた。この地域は、E型肝炎ウイルスの蔓延が明確に証明されているスペインに地理的に近い。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス衛生監視研究所(InVS)
情報源(報道) フランス衛生監視研究所(InVS)
URL http://www.invs.sante.fr/beh/2005/33/beh_33_2005.pdf