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食品安全委員会e-マガジン 第265号


食品安全委員会e-マガジン 第265号


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 食品安全委員会e-マガジン 第265号 平成24年1月13日 
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┃今週の話題┃
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★東北地方太平洋沖地震の原子力発電所への影響と食品の安全性について
(第98報として更新しました。)
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/emerg_genshiro_20110316.pdf

★食中毒原因微生物に関するリスクプロファイルを公表しました。
http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/risk_profile.html

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【 目 次 】

1.年頭所感 食品安全委員会委員長 小泉 直子

2.食品安全委員会などの開催結果

・第414回食品安全委員会
★評価の要請
【飼料添加物及び動物用医薬品:オキシテトラサイクリン、クロル
テトラサイクリン及びテトラサイクリン】
【遺伝子:LU11439株を利用して生産されたリボフラビン】

★評価結果の通知
【清涼飲料水:ウラン】
【遺伝子:高オレイン酸含有ダイズDP-305423-1と除草
剤グリホサート耐性ダイズMON-04032-6を掛け合わせた
品種、BR151(pUAQ2)株を利用して生産された6-α-
グルカノトランスフェラーゼ】

・専門調査会
【農薬:ビキサフェン】

3.食品安全委員会などの開催案内

・第415回食品安全委員会
・専門調査会
【肥料・飼料/微生物・ウイルス:鶏に使用するフルオロキノロン
系抗菌性物質製剤に係る薬剤耐性菌】
【農薬:イソキサチオン、フィプロニル】
【プリオン:牛海綿状脳症(BSE)】

4.リスクコミュニケーション

・意見交換会などの開催案内【福島県】【宮城県】【岩手県】
【広島市】【大田区】【熊本県】
・評価案等に対するご意見・情報の募集
【遺伝子:BR151(pUMQ1)株を利用して生産された4-
α-グルカノトランスフェラーゼ】
・動画配信のお知らせ【サイエンスカフェ】

5.その他

・「食品健康影響評価技術研究」平成24年度新規研究課題の募集
について
・食品安全委員会事務局技術参与(非常勤)の募集について

【目次おわり】

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1.年頭所感
  「食の安全のために科学ができること」
  食品安全委員会委員長 小泉 直子   
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 辰年を迎え新年の御挨拶を申し上げるとともに、昨年の東日本大
震災でお亡くなりになられた方々、被災された方々に、改めて心よ
りお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 昨年、食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価を巡り、
食品安全委員会は改めて注目されました。採用できるデータが極め
て少ないなど大変難しい評価でしたが、食品安全委員会としては、
専門家の英知を結集して結果を導き出しました。現在の科学的知見
に基づき、食品からの追加的な被ばくについて検討し、放射線によ
る健康への影響が見いだされるのは、通常の一般生活において受け
る放射線量を除いた生涯における追加の累積線量として、おおよそ
100mSv以上と判断しました。そのうち、小児の期間について
は感受性が成人より高い可能性があるとし、また、100mSv未
満の健康影響について言及することは困難と判断しました。現在の
科学においてわかっていることとわかっていないことについて、可
能な限りの評価を示しましたが、「食品に関して年間何mSvまで
は安全」といった明確なものにはなりませんでした。科学的な知見
によるリスク評価結果を正確にわかりやすく皆様にお伝えしていく
ことの難しさを改めて認識したところです。
 この評価結果等を踏まえ、厚生労働省で食品中の放射性物質の規
制値について本年4月の施行を目指して検討が進められています。
なお、昨年3月から1年間の実際の食品からの追加の被ばく量は厚
生労働省の推計によれば0.1mSv程度とされており(中央値)、
私たちが自然に食品から摂取している量(日本平均0.4mSv程
度)と比べて大きくない値です。
 食品安全委員会は、今年も、リスクコミュニケーションに努め、
皆様の判断の一助となるよう、「食の安全のために科学ができるこ
と」をわかりやすくお伝えしていきたいと考えています。
 そして、食の安全にゼロリスクはないという前提の下、科学でわ
かっていることについては正しく理解し、必要以上に恐れることな
く、一人ひとりの判断で食品を選んでいただければと思います。
 さて、辰年の「辰」は、動物では「竜」に当てられます。「竜の
雲を得る如し」という諺もあるように、今年一年、皆様が天に昇る
竜のごとく活躍されることをお祈りいたします。

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2.食品安全委員会などの開催結果   
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■第414回食品安全委員会

日時:平成24年1月12日(木)14:00~14:55
傍聴者:55名
議事概要:
(1)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見の聴取
に関するリスク管理機関からの説明について
(ア)飼料添加物及び動物用医薬品 1品目(ポジティブリスト制
度関連)
1)オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン及びテトラ
サイクリン
・厚生労働省から説明。
・本件については、同省から、飼料添加物の用途に係る評価要請を
追加するため、昨年11月25日付けの評価要請文書を差し替える
旨の説明があったことから、食品安全委員会としては、1月10日
を本評価要請の受理日とし、また、「オキシテトラサイクリン」が、
別途、農薬として評価要請されていることも踏まえ、肥料・飼料等
専門調査会で審議を行った後、農薬専門調査会で審議することとなっ
た。
*テトラサイクリン系の抗生物質で、オキシテトラサイクリン及び
クロルテトラサイクリンは飼料添加物及び動物用医薬品として、テ
トラサイクリンは動物用医薬品として使用されます。
ポジティブリスト制度導入に伴う残留基準が設定されています。

(イ)遺伝子組換え食品等 1品目
1)LU11439株を利用して生産されたリボフラビン
・厚生労働省からの説明。
・本件について、遺伝子組換え食品等専門調査会において審議する
こととなった。委員長から、本件は、昨年12月の事例と同様、食
の安全を確保するためのルールが守られていないものであり、前回
も申し上げたが、リスク管理機関において、ルールの遵守の徹底を
関係者間で共有して頂くことを改めて期待する旨の発言があった。
*栄養強化剤及び着色料として使用される食品添加物です。

(2)遺伝子組換え食品等専門調査会における審議結果について
1)「BR151(pUMQ1)株を利用して生産された4-α-
グルカノトランスフェラーゼ」に関する審議結果の報告と意見・情
報の募集について
・担当委員の長尾委員及び事務局から説明。
・評価書(案)について、意見・情報の募集手続に入ることが了承
された。
*デンプンから糖質を生産するために使用される食品添加物です。

(3)食品安全委員会が自ら行う食中毒原因微生物に関する食品健
康影響評価に係る微生物・ウイルス専門調査会の審議結果について
・担当委員の熊谷委員及び事務局から説明。
・本日報告のあった5案件について、現時点における「とりまとめ」
とすることとし、今後、指摘のあったデータの収集や食中毒患者の
発生状況の注視等に努めていくこととなった。

(4)食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見につい

1)清涼飲料水関連物質「ウラン」に係る食品健康影響評価につい

・「ウランの耐容一日摂取量(TDI)を、0.2μg/kg体重
/日と設定する。」との審議結果が了承され、リスク管理機関(厚
生労働省)へ通知することとなった。
*ウランは、天然では花崗岩や他の種々の鉱床に広く存在します。
ウラン化合物は、触媒や着色剤として使用され、特定の同位体が核
燃料として使用されます。

2)遺伝子組換え食品等「高オレイン酸含有ダイズ
DP-305423-1と除草剤グリホサート耐性ダイズ
MON-04032-6を掛け合わせた品種」に係る食品健康影響
評価について
・「『遺伝子組換え植物の掛け合わせについての安全性評価の考え
方』において、安全性の確認を必要とするものに該当し、『遺伝子
組換え食品(種子植物)の安全性評価基準』に基づき評価した結果、
ヒトの健康を損なうおそれはないと判断した。」との審議結果が了
承され、リスク管理機関(厚生労働省)へ通知することとなった。
*安全性の評価が終了しているダイズ2品種を交配によって掛け合
わせた品種です。

3)遺伝子組換え食品等「BR151(pUAQ2)株を利用して
生産された6-α-グルカノトランスフェラーゼ」に係る食品健康
影響評価について
・「『遺伝子組換え微生物を利用して製造された添加物の安全性評
価基準』に基づき評価した結果、ヒトの健康を損なうおそれはない
と判断した。」との審議結果が了承され、リスク管理機関(厚生労
働省)へ通知することとなった。
*デンプンから糖質を生産するために使用される食品添加物です。

(5)平成24年度食品安全委員会予算案の概要及び定員要求結果
の概要について
・事務局から報告。

(6)食品安全関係情報(12月3日~12月16日収集分)につ
いて
・事務局から説明。

(7)平成24年度食品安全モニターの募集について
・事務局から説明。
・事務局において、平成24年度の食品安全モニターの募集手続き
を進めることとなった。

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20120112sfc

■専門調査会【農薬】

○第13回農薬専門調査会評価第一部会(非公開)
日時:平成23年12月26日(月)14:00~17:30
議事概要:
(1)ビキサフェン
・審議の結果、一日摂取許容量(ADI)を0.019mg/kg
体重/日とし、評価書(案)を一部修正の上、農薬専門調査会幹事
会に報告することとなった。
*殺菌剤で、日本国内での農薬登録はありません。今回、小麦、大
麦、ライ麦、畜産物等へのインポートトレランス(国外で使用され
る農薬等に係る残留基準)申請がされています。

(2)カルボフラン
・継続審議となった。
*殺虫剤で、日本国内での農薬登録はありません。ポジティブリス
ト制度導入に伴う残留基準(いわゆる暫定基準)が設定されていま
す。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20111226no1

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3.食品安全委員会などの開催案内
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※開催案内は1月13日(金)12:00現在のものです。

■第415回食品安全委員会 
日時:平成24年1月19日(木)14:00~
場所:食品安全委員会 大会議室
議題:平成24年1月17日(火)18:00頃にホームページに
掲載予定。

■専門調査会【肥料・飼料】【微生物・ウイルス】【農薬】
【プリオン】

○肥料・飼料等(第51回)/微生物・ウイルス(第28回)合同
専門調査会(薬剤耐性菌に関するWG)
日時:平成24年1月17日(火)14:00~17:00
議題:
鶏に使用するフルオロキノロン系抗菌性物質製剤に係る薬剤耐性菌
http://www.fsc.go.jp/osirase/hisiryou_annai51.html

○第14回農薬専門調査会評価第三部会(非公開)
日時:平成24年1月18日(水)14:00~17:00
議題:
イソキサチオン
http://www.fsc.go.jp/osirase/nouyaku_annai_hyouka3_14.html

○第67回プリオン専門調査会
日時:平成24年1月19日(木)16:30~18:15
議題:
(1)牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しについて
(2)BSE対策に関する調査結果等について(管理機関からの報
告)
http://www.fsc.go.jp/osirase/prion_annai67.html

○第14回農薬専門調査会評価第四部会(非公開)
日時:平成24年1月23日(月)14:00~17:00
議題:
フィプロニル
http://www.fsc.go.jp/osirase/nouyaku_annai_hyouka4_14.html

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4.リスクコミュニケーション    
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■意見交換会などの開催案内

○食品に関するリスクコミュニケーション~食品中の放射性物質対
策に関する説明会~
開催日程:1月24日(火)コラッセふくしま(福島県)
     2月 6日(月)仙台市戦災復興記念館(宮城県)
     2月10日(金)盛岡市民文化ホール(岩手県)
※上記以外の会場については定員に達しましたので募集を締め切り
ました。
開催時間:各会場とも13:30~16:00
募集人数:各会場200名程度(先着順)
http://www.fsc.go.jp/koukan/annai/tokyo_radio_risk_annai2401.html

○食品のリスクを考えるフォーラム(広島市)~生食用食肉のリス
ク~
日時:平成24年1月27日(金)13:30~15:45
場所:広島市保健所 大会議室
募集人数:40名程度
http://www.fsc.go.jp/koukan/annai/forum_hiroshima_risk_annai240127.html

○食品のリスクを考えるフォーラム(大田区)~食品と放射性物質~
日時:平成24年1月31日(火)13:30~15:45
場所:池上会館 3階 視聴覚室
募集人数:40名程度
http://www.fsc.go.jp/koukan/annai/forum_ootaku_risk_annai240131.html

○食品のリスクを考えるフォーラム(熊本県)~食品添加物を知ろ
う!~
日時:平成24年2月10日(金)13:30~15:45
場所:くまもと県民交流館パレア 会議室1
募集人数:40名程度
http://www.fsc.go.jp/koukan/annai/forum_kumamoto_risk_annai240210.html

■評価案等に対するご意見・情報の募集【遺伝子】

○BR151(pUMQ1)株を利用して生産された4-α-グル
カノトランスフェラーゼ
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_gm62_4-alpha-gluca_240112.html

上記募集期間:
平成24年1月12日(木)~平成24年2月10日(金)まで

■食品のリスクを考える「サイエンスカフェ」の動画を追加しまし
た。

・この動画は、平成22年11月16日、埼玉県さいたま市にある
『さいたま市民会館』でさいたま市と共催で廣瀬委員がスピーカー
となって開催した『食品のリスクを考えるサイエンスカフェ』の内
容を素材に、サイエンスカフェの一端を体験していただくために作
成しました。
・実際の様子に合わせて動画は進行しますが、配信の都合上編集を
しています。短い時間ですが、サイエンスカフェの雰囲気をお楽し
みください。
http://www.fsc.go.jp/osirase/dvd/dvd-ichiran.html

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5.その他 
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■「食品健康影響評価技術研究」平成24年度新規研究課題の募集
について

・平成24年度新規課題を平成24年1月4日(水)~平成24年
2月2日(木)18:00の期間で募集しています。
http://www.fsc.go.jp/senmon/gijyutu/gijyutukenkyu24_ouboyouryou.html

■食品安全委員会事務局技術参与(非常勤)の募集について
http://www.fsc.go.jp/sonota/saiyo/saiyo_annai_gijyutusan_240111.pdf

■食品安全委員会e-マガジンバックナンバー
http://www.fsc.go.jp/sonota/e-mailmagazine/back_number.html

◆◇◆――――――――――――――――――――――――――
(編集後記)
トウモロコシの粉を使った食べ物といえば、コーンブレッドやトル
ティーヤがおなじみ。とうもろこしのめんのラーメンを出す店があ
ると聞き、行ってみました。出てきたのは、定番のラーメンの枠を
大きく逸脱する雰囲気の、いわば「エスニックラーメン」。トッピ
ングにトマトなどものっていたりして。正統派ラーメン好きには受
けないかもしれないですが、とうもろこし好きにとっては、これも
OK。寒い季節、あつあつラーメンであたたまりましょう!(山葵)
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 食品安全委員会e-マガジン第266号は平成24年1月20日
(金)配信予定です。
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 は受け付けておりません。

<配信中止・配信先変更はこちら>
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■「食品安全関係情報」のご紹介
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います。
この海外情報を定期的に取りまとめ、「食品安全総合情報システム」
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・受付電話番号:03-6234-1177
・受付時間:月曜日から金曜日(閉庁日を除く)の10:00~
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・メールでの受付:
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メールマガジンに関するご質問も上記のフォームで受付いたします
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