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食品安全委員会e-マガジン 第224号


食品安全委員会e-マガジン 第224号


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 食品安全委員会e-マガジン 第224号 平成23年2月4日
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┃今週の話題┃
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★「委員長のつぶやき」を掲載しました

★「鳥インフルエンザについて」を更新しました。
http://www.fsc.go.jp/sonota/tori20110122.pdf

★2月7日(月)より「食品健康影響評価技術研究」平成23年度
新規研究課題の募集を開始します。

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【 目 次 】

1.食品安全委員会などの開催結果

・第365回食品安全委員会
・専門調査会【肥料・飼料】【化学・汚染】【農薬】
【微生物・ウイルス】

2.食品安全委員会などの開催案内

・第366回食品安全委員会
・専門調査会【企画】【肥料・飼料】【微生物・ウイルス】

3.リスクコミュニケーション

・意見交換会などの開催結果
・評価案等に対するご意見・情報の募集【添加物】【農薬】【動薬】
【新開発】
・「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等(平成22年12月分)

4.委員長のつぶやき
 「水銀の毒性について正しく理解する」

5.その他

・食品安全確保総合調査について
・「食品健康影響評価技術研究」平成23年度新規研究課題の募集
の開始について

【目次おわり】

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1.食品安全委員会などの開催結果
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■第365回食品安全委員会

日時:平成23年2月3日(木)14:00~15:02
傍聴者:9名
議事概要:

(1)添加物専門調査会における審議結果について
1)「trans-2-メチル-2-ブテナール」に関する審議結
果の報告と意見・情報の募集について
2)「ピロール」に関する審議結果の報告と意見・情報の募集につ
いて
・担当委員の長尾委員及び事務局から説明。
・取りまとめられた評価書(案)について、意見・情報の募集手続
に入ることが了承された。
*1)ラズベリー等のきいちご類、パッションフルーツ、マウンテ
ン・パパイヤ、たまねぎ、マルメロ等の食品中に存在し、また、牛
肉等の加熱調理により生成する成分です。欧米において、焼菓子、
清涼飲料、冷凍乳製品類、ゼラチン・プリン類、ソフト・キャン
デー類、チューインガム等様々な加工食品に、香りの再現、風味の
向上等の目的で添加されています。
*2)コーヒー、タマリンド、麦芽等の食品中に存在し、また、牛
肉、鶏肉等の加熱調理により生成する成分です。欧米において、焼
菓子、肉製品、冷凍乳製品類、ゼラチン・プリン類、朝食シリアル
類、ソフト・キャンデー類等様々な加工食品に、香りの再現、風味
の向上等の目的で添加されています。

(2)農薬専門調査会における審議結果について
1)「ピリベンカルブ」に関する審議結果の報告と意見・情報の募
集について
・担当委員の廣瀬委員及び事務局から説明。
・取りまとめられた評価書(案)について、意見・情報の募集手続
に入ることが了承された。
*殺菌剤で、きゅうり、キャベツ、りんご等への新規農薬登録申請
がされています。

(3)動物用医薬品専門調査会における審議結果について
1)「プリフィニウム」に関する審議結果の報告と意見・情報の募
集について
・担当委員の熊谷委員及び事務局から説明。
・取りまとめられた評価書(案)について、意見・情報の募集手続
に入ることが了承された。
*自律神経剤で、牛の胃腸管の痙攣や疼痛の緩解等に用いられます。
ポジティブリスト制度導入に伴う残留基準(いわゆる暫定基準)が
設定されています。

(4)新開発食品専門調査会における審議結果について
1)「トリグリティー及びミドルケア粉末スティック」に関する審
議結果の報告と意見・情報の募集について
・担当委員の長尾委員及び事務局から説明。
・取りまとめられた評価書(案)について、意見・情報の募集手続
に入ることが了承された。
*モノグルコシルヘスペリジンを関与成分とし、脂肪が多い食事を
摂りがちな方、血中中性脂肪が高めの方に適する旨を特定の保健の
目的とする粉末清涼飲料形態の食品です。

(5)食品安全基本法第24条に基づく委員会の意見について
1)添加物「イソキノリン」に係る食品健康影響評価について
・「食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと考え
られる。」との審議結果が了承され、リスク管理機関(厚生労働省)
へ通知することとなった。
*かつおぶし、牛乳といった食品中に存在する成分です。欧米にお
いて、焼菓子、清涼飲料、冷凍乳製品類、ゼラチン・プリン類、ソ
フト・キャンデー類、アルコール飲料等様々な加工食品に、香りの
再現、風味の向上等の目的で添加されています。

2)遺伝子組換え食品等「GLU‐NO.3株を利用して生産され
たL-グルタミン酸ナトリウム」に係る食品健康影響評価について
・「『遺伝子組換え微生物を利用して製造された添加物のうち、ア
ミノ酸等の最終産物が高度に精製された非タンパク質性添加物の安
全性評価の考え方』に基づき、安全性が確認されたと判断した。」
との審議結果が了承され、リスク管理機関(厚生労働省)へ通知す
ることとなった。
*調味料として使用される食品添加物です。

(6)「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等(平成22年12
月分)について
・事務局から報告。

(7)食品安全委員会の1月の運営について
・事務局から報告。

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20110203sfc

■専門調査会【肥料・飼料】【化学・汚染】【農薬】
【微生物・ウイルス】

○第43回肥料・飼料等専門調査会
日時:平成23年1月28日(金)10:00~11:25
議事概要:
(1)普通肥料の公定規格の設定又は変更に係る食品健康影響評価
について
1)熔成汚泥灰けい酸りん肥の公定規格の設定
2)熔成けい酸りん肥の公定規格の変更
3)化成肥料の公定規格の変更
・審議の結果、「適切に使用される限りにおいて、食品を介してヒ
トの健康に影響を与える可能性は無視できるものと考えられる。」
とすることが了承され、評価書(案)を一部修正の上、食品安全委
員会に報告することとなった。
*1)下水汚泥を焼成したものに肥料又は肥料原料を混合し、熔融
した普通肥料に係る規格を設定するものです。
*2)普通肥料である熔成けい酸りん肥の原料として、マンガン含
有物及びほう酸塩の使用を認めるものです。
*3)普通肥料である化成肥料の原料として、熔成汚泥灰複合肥料
の使用を認めるものです。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20110128ff1

○第10回化学物質・汚染物質専門調査会清涼飲料水部会
日時:平成23年1月31日(月)13:59~17:15
議事概要:
(1)清涼飲料水中の化学物質(水銀、ホウ素、セレン、マンガン、
バリウム、フッ素)の規格基準改正に係る食品健康影響評価につい

1)水銀
・審議の結果、無機水銀の耐容一日摂取量(TDI)を0.7μg
/kg体重/日とし、評価書(案)を一部修正の上、化学物質・汚
染物質専門調査会幹事会に報告することとなった。
*乾電池、蛍光灯、体温計及び計量器等に用いられる金属です。自
然水中ではまれに水銀鉱床等の地帯を流れる河川に由来するほか、
工場排水、下水などから混入することがあります。
2)ホウ素
・継続審議となった。
*金属表面処理剤、ガラス、エナメル工業などで使用される物質で
す。自然水中に含まれることはまれですが、火山地帯の地下水、温
泉にはメタホウ酸の形で含まれることがあります。
3)セレン
・継続審議となった。
*乾式複写機感光体、熱線吸収板ガラスの着色剤、鉛ガラスの消色
剤等に用いられる物質です。自然水中に含まれることもありますが、
その多くは鉱山排水、工場排水などの混入によります。
4)マンガン
・継続審議となった。
*ステンレス、特殊鋼の脱酸及び添加剤等に用いられる物質です。
水中のマンガンは、主として地質に起因しますが、鉱山排水、工場
排水などの混入が原因となることもあります。
5)バリウム
・審議の結果、バリウムのTDIを20μg/kg体重/日とし、
評価書(案)を一部修正の上、化学物質・汚染物質専門調査会幹事
会に報告することとなった。
*バリウム化合物は、有機顔料、製紙、管球・光学ガラス等広く工
業用途に利用されています。火成岩や堆積岩中に微量元素として存
在しています。
6)フッ素
・継続審議となった。
*水中にフッ素イオンが存在するのは、主に地質や工場排水の混入
に起因します。自然界に広く分布するホタル石はフッ化カルシウム
が主成分であるため、温泉地帯の地下水、河川水に多く含まれるこ
とがあります。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20110119os1

○第70回農薬専門調査会幹事会
日時:平成23年2月1日(火)13:30~17:30
議事概要:
(1)農薬及び添加物(ピリメタニル)
・審議の結果、ピリメタニルの一日摂取許容量(ADI)を
0.17mg/kg体重/日とし、評価書(案)を一部修正の上、
食品安全委員会に報告することなった。
*防ばい剤で、日本国内での農薬登録はありません。高麗人参への
インポートトレランス(国外で使用される農薬等に係る残留基準)申
請がされています。ポジティブリスト制度導入に伴う残留基準が設
定されています。併せて、防かび目的で収穫後の農作物への使用も
見込まれることから、添加物としての指定要請がされています。
(2)クレソキシムメチル及びチフルザミドの食品健康影響評価に
ついて調査審議する評価部会の指定について
1)クレソキシムメチル
・クレソキシムメチルについて検討の結果、評価第二部会において
調査審議することとなった。
*殺菌剤で、小麦、きゅうり、かんきつ類、りんご、なし等に使用
します。ズッキーニ及びかえで(葉)への適用拡大申請及び魚介類
への残留基準の設定要請がされています。ポジティブリスト制度導
入に伴う残留基準が設定されています。
2)チフルザミド
・チフルザミドについて検討の結果、評価第一部会において調査審
議することとなった。
*殺菌剤で、稲に使用します。魚介類への残留基準の設定要請がさ
れています。
(3)アバメクチン
・審議の結果、アバメクチンのADIを0.0006mg/kg
体重/日とし、評価書(案)を一部修正することとなった。引き続
き動物用医薬品専門調査会で審議の予定。
*殺虫剤であり、なす、すいか等への新規登録申請がされています。
ポジティブリスト制度導入に伴う残留基準が設定されています。
(4)ベンチアバリカルブイソプロピル、マンジプロパミド及びヨウ
化メチル
1)ベンチアバリカルブイソプロピル
・審議の結果、ベンチアバリカルブイソプロピルのADIを
0.069mg/kg体重/日とし、評価書(案)を一部修正の上、
食品安全委員会に報告することとなった。
*殺菌剤で、きゅうり、ぶどう等に使用し、すいか、かぼちゃ及び
アスパラガスへの適用拡大申請がされています。
2)マンジプロパミド
・審議の結果、マンジプロパミドのADIを0.05mg/kg
体重/日とし、評価書(案)を一部修正の上、食品安全委員会に報
告することとなった。
*殺菌剤で、だいず、トマト等に使用します。はくさい、ピーマン
等への適用拡大申請及びホップへのインポートトレランス設定の要
請がされています。
3)ヨウ化メチル
・審議の結果、ヨウ化メチルのADIを0.005mg/kg体重
/日とし、評価書(案)を一部修正の上、食品安全委員会に報告す
ることとなった。
*殺虫剤で、メロン、トマト、くりに使用し、しょうが等への適用
拡大申請がされています。
(5)その他
1)農薬専門調査会幹事会第66回会合で審議されたトリアゾホス
の食品健康影響評価について審議が行われ、評価書(案)を一部修
正の上、食品安全委員会に報告することとなった。(トリアゾホス
のADIは0.00041mg/kg体重/日で変更なし。)
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20110201no1

○第18回微生物・ウイルス専門調査会
日時:平成23年2月2日(水)10:00~12:15
議事概要:
(1)リスクプロファイル(鶏肉におけるサルモネラ属菌、非加熱
喫食調理済み食品(Ready‐to‐eat食品)におけるリス
テリア・モノサイトゲネス)の更新について
・鶏肉におけるサルモネラ属菌のリスクプロファイル更新案につい
ては、食品安全委員会に報告することが了承された。
・非加熱喫食調理済み食品(Ready‐to‐eat食品)にお
けるリステリア・モノサイトゲネスのリスクプロファイル更新案に
ついては、担当専門委員において修正案を作成した上で再度審議を
行うこととなった。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20110202bv1

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2.食品安全委員会などの開催案内
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※開催案内は2月4日(金)12:00現在のものです。

■第366回食品安全委員会
日時:平成23年2月10日(木)14:00~
場所:食品安全委員会 大会議室
議題:平成23年2月8日(火)18:00頃にホームページに掲
載予定。

今後の食品安全委員会等開催予定はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/iinkai/iinkai_yotei.html

■専門調査会【企画】【肥料・飼料】【微生物・ウイルス】

○第37回企画専門調査会
日時:平成23年2月8日(火)10:00~12:00
議題:
(1)食品安全委員会が自ら食品健康影響評価を行う案件の検討・
選定について
(2)平成23年度食品安全委員会運営計画について
http://www.fsc.go.jp/osirase/kikaku_annai37.html

○第44回肥料・飼料等/第19回微生物・ウイルス合同専門調査
会(薬剤耐性菌に関するWG)
日時:平成23年2月8日(火)15:30~18:00
議題:
鶏に使用するフルオロキノロン系抗菌性物質製剤に係る薬剤耐性菌
に関する食品健康影響評価について
http://www.fsc.go.jp/osirase/hisiryou_annai44.html

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3.リスクコミュニケーション
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■意見交換会などの開催案内

○「食品のリスクを考えるワークショップ(福岡県)
~お肉の生食と食中毒~」
日時:平成23年1月28日(金)13:00~16:30
場所:福岡県吉塚合同庁舎 特3会議室
主催:食品安全委員会・福岡県
参加者:18名
プログラム:◇情報提供「生食による食中毒発生のリスクについて」
      ◇グループワーク・発表
      ◇意見交換
概要:
初めに、食品安全委員会事務局から、カンピロバクターやO157
といった食肉の生食を原因とする食中毒のリスク等についての情報
提供を行いました。
その後、参加者が小グループに分かれ、食肉の生食による食中毒の
リスクを減らすために食品を取り巻く各段階(農場、流通、加工、
消費等)で何をすることが大切かについて話し合い、整理しました。
そして、整理された内容を発表し、参加者全体で質疑応答を含めた
意見交換を行いました。参加者からは、鶏肉の衛生管理について質
問が出されたり、「食中毒の怖さやその症状についての情報を多く
の方に知らせるにはどうしたらいいか」といった話題等について意
見交換をしました。その後にもう一度グループに分かれ、ワークシ
ョップに参加して印象に残ったことなどを話し合い、閉会しました。

※詳細は後日ホームページに掲載します。

■評価案等に対するご意見・情報の募集【添加物】【農薬】【動薬】
【新開発】

○trans-2-メチル-2-ブテナール
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_tenkabutu_tr2me_230203.html

○ピロール
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc2_tenkabutu_pyrrole_230203.html

○ピリベンカルブ
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc3_nouyaku_pyrib_230203.html

○プリフィニウム
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc4_douyaku_prifinium_230203.html

○トリグリティー及びミドルケア粉末スティック
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc5_nf38_toriguri_230203.html

上記募集期間:
平成23年2月3日(木)~平成23年3月4日(金)まで

■「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等(平成22年12月
分)を掲載
http://www.fsc.go.jp/koukan/syokuan_daial_2212.pdf

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4.委員長のつぶやき
 「水銀の毒性について正しく理解する」
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 水銀による環境汚染や健康被害を防ぐため、1月24日から千葉
市で国連環境計画の政府間交渉委員会が開かれ、2013年の条約
制定を目指すといわれています。日本では有機水銀中毒である水俣
病の発生により、多くの被害者を出し、今も後遺症で苦しんでいる
人がいます。この公害病は自然界に微量に存在するメチル水銀によ
り生じたものではなく、事故や非意図的生成によるメチル水銀の高
濃度曝露を受けたことによって発生したものです。水俣病という名
前は当時この疾患の原因が全く分らなかったことによる命名と思わ
れますが、その後の研究によりメチル水銀中毒であることが判明し
たことから、原因不明の風土病ではなく、メチル水銀による中毒疾
患とするのが正しいという学者もいます。

 国内外において水銀規制の強化が議論されることに先立ち、わが
国では国民の関心が極めて高い水銀の人への健康影響について、科
学的に正しく理解しておく必要があると思います。
 水銀には無機水銀と有機水銀があり、両者の毒性は全く異なりま
す。電池、蛍光灯、医療機関にある水銀血圧計などは無機水銀で、
無機水銀の中には金属水銀と水銀化合物があります。昔使用されて
いた水銀体温計では、よく子供や入院中の患者さんが口の中で割り、
飲み込むケースがありました。すなわち水銀の高用量暴露と言えま
すが、使用されている金属水銀はほとんど吸収されず、大部分が腸
管を素通りして排泄されます。したがって、誤って飲み込んだとし
ても水俣病になる心配はありません。一方、有機水銀、なかでもメ
チル水銀は人にとって最も毒性が強く、ほぼ100%腸管から吸収
され、さらに脳の中枢への有害物質の移行を阻止する組織である血
液脳関門も通過して中枢神経障害を起こします。また、妊婦さんで
は、魚に含まれるメチル水銀を摂取した結果、血液を介して胎盤を
通過し、胎児に障害を起こすということが、胎児性水俣病の発生と
いう痛ましい症例からも確認されています。

 しかし、水銀の毒性を考える上で非常に重要なことは、例えメチ
ル水銀であっても暴露量が健康被害を起こすほどの量かどうかとい
うことです。公害のような異常暴露を受けていない人や自然界に生
息する魚介類には微量のメチル水銀が蓄積されています。この蓄積
量をゼロにすることはできないと同時に、この微量のメチル水銀で
中毒を起こすことはありません。魚介類は種類によりメチル水銀の
蓄積量が異なるので、先週号で畑江委員が示したように、適正に選
び適量を摂れば、蛋白質やオメガ-3脂肪酸(EPA,DHA)の
供給源というメリットが大きいと書かれています。以上のことから、
「食品にはリスクがあるという前提にたって、これを科学的に評価
し管理すべき」というリスク分析の考え方を十分理解することが非
常に重要なのです。(食品安全委員会委員長 小泉直子)

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5.その他
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■食品安全確保総合調査について

・食品安全確保総合調査における一般競争入札の公告について

平成23年1月31日(月)に、以下の調査について、公告を行い
ましたのでお知らせします。
○調査課題名:海外食品安全機関との連携強化に必要な基礎調査
・入札説明会:平成23年2月8日(火)14:00~ 
食品安全委員会委員会室
http://www.fsc.go.jp/senmon/anzenchousa/anzenchousa22keikaku.html

※一般競争の公告につきましては、内閣府ホームページの「調達情
報」から「WTO対象外、入札公告」をご覧ください。
http://www.e-procurement-cao.jp/choutatsujouhou.html

■「食品健康影響評価技術研究」平成23年度新規研究課題の募集
の開始について

・平成23年度新規課題を平成23年2月7日(月)~3月3日(木)
の期間で募集します。
詳細は2月7日(月)15:00~ホームページに掲載予定です。
http://www.fsc.go.jp/senmon/gijyutu/index.html

■食品安全委員会e-マガジンバックナンバー
http://www.fsc.go.jp/sonota/e-mailmagazine/back_number.html

◆◇◆――――――――――――――――――――――――――
(編集後記)
先日、知人と外食するときにクーポンを持参したら、土鍋で炊い
たご飯の無料サービスが。炊きたてで、そのおいしいこと。とく
に、おこげの部分(こげていないけれど)は取り合いになるほど。
あのおいしさをもう一度味わいたくて、炊飯用の土鍋を買うかど
うか思案中です。クーポンを使ったばかりに、かえって出費がか
さんでしまうかも!?(七味)
――――――――――――――――――――――――――◇◆◇

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 食品安全委員会e-マガジン第225号は平成23年2月14日
(月)配信予定です。
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・受付時間:月曜日から金曜日(閉庁日を除く)の10:00~
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が、フォーム中「表題」の箇所に『メールマガジンについて』と記
載して下さい。
なお、送付頂いたすべての内容にお答えできない場合もありますが、
今後の参考とさせて頂きます。

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