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食品安全委員会e−マガジン 第125号


食品安全委員会e−マガジン 第125号


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食品安全委員会e−マガジン 第125号 平成20年12月12日
内閣府食品安全委員会事務局 発行   (毎週金曜日発行)
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1.食品安全委員会などの会合結果
◆第266回食品安全委員会会合

◆専門調査会 【新開発】【農薬】

◆意見交換会等 【リスコミ】

2.お知らせ
◆第267回食品安全委員会会合開催案内

◆専門調査会開催案内 【リスコミ】【添加物】【新開発】【農薬】
【微生物・ウイルス】

◆意見交換会等の開催と参加者の募集 【リスコミ】

◆評価案に対するご意見・情報の募集 【動薬】

3.専門委員便り
化学物質・汚染物質専門調査会専門委員 井口 弘

4.その他

★*〜*☆*〜*☆*〜*☆*[ 目次おわり ]*☆*〜*☆*〜*☆*〜*☆*〜*★

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厂厂厂厂 1.食品安全委員会などの会合結果
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■第266回食品安全委員会会合

日時:平成20年12月11日(木)14:00〜14:45
場所:食品安全委員会 大会議室
傍聴者数:15名

議事概要:

(1)食品安全基本法第11条第1項第1号の食品健康影響評価を行う
ことが明らかに必要でないときについて(照会)
・と畜場法第9条の規定に基づき定められたと畜場法施行規則第7条
第1項各号に掲げると畜業者等の講ずべき措置に係る基準に、とさつ
に当たっては、ピッシング(とさつ時のワイヤーによる脳及びせき髄の
破壊)を行わないことを新たに追加する場合
・厚生労働省から説明。
・平成17年5月に通知した食品健康影響評価の結果に基づいてなされ
るものであることから、食品安全基本法第11条第1項第1号の食品健
康影響評価を行うことが明らかに必要でないときに該当することが確認
された。

(2)食品安全基本法第24条に基づく委員会の意見の聴取に関する
リスク管理機関からの説明について
1)ノバルロン
・厚生労働省から説明。
・農薬専門調査会において審議することとなった。
*殺虫剤で、キャベツ、トマト、いちご等に使用し、ふきへの適用拡大
申請及びとうがらしへのインポートトレランス(国外で使用される農薬等
に係る残留基準)申請がされています。

2)ピラクロストロビン
・厚生労働省から説明。
・農薬専門調査会において審議することとなった。
*殺菌剤で、りんご、きゅうり、かぼちゃ等に使用し、かき、うめ、すもも
への適用拡大申請がされています。

3)ボスカリド
・厚生労働省から説明。
・農薬専門調査会において審議することとなった。
*殺菌剤で、ぶどう、りんご、なす等に使用し、ししとう、かき、うめ、
すもも等への適用拡大申請がされています。

4)メタアルデヒド
・厚生労働省から説明。
・農薬専門調査会において審議することとなった。
*殺虫剤で、稲に使用し、みかん及びレタスへの適用拡大申請及び
魚介類への残留基準値の設定要請がされています。

5)メトミノストロビン
・厚生労働省から説明。
・農薬専門調査会において審議することとなった。
*殺菌剤で、稲に使用し、魚介類への残留基準値の設定要請がされ
ています。また、ポジティブリスト制度に伴う残留基準(いわゆる暫定
基準)が設定されています。

(3)動物用医薬品専門調査会における審議状況について
1)「鶏伝染性気管支炎生ワクチン(アビテクトIB/AK)」に関する
意見・情報の募集について
・評価書(案)について意見・情報の募集手続に入ることが了承された。
*鶏伝染性気管支炎の予防を目的とした鶏用の生ワクチンです。

2)「鶏脳脊髄炎・鶏痘混合生ワクチン(ノビリスAE+Pox)」に
関する意見・情報の募集について
・評価書(案)について意見・情報の募集手続に入ることが了承された。
*鶏脳脊髄炎、鶏痘の予防を目的とした鶏用の生ワクチンです。

3)「塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリ
ウムを有効成分とする牛の注射剤(酢酸リンゲル−V注射液)並びに塩
化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリウム」に
関する意見・情報の募集について
・評価書(案)について意見・情報の募集手続に入ることが了承された。
*牛の細胞外液の補給及びアシドーシスの補正を目的とした牛用の
注射剤です。

(4)食品安全基本法第24条に基づく委員会の意見の聴取について
1)ジクロスラム
・「ジクロスラムの一日摂取許容量(ADI)を、0.05mg/kg
体重/日と設定する。」との審議結果が了承され、リスク管理機関
(厚生労働省)へ通知されることとなった。
*除草剤で、日本国内での農薬登録はありません。ポジティブリスト
制度導入に伴う残留基準(いわゆる暫定基準)が設定されています。

2)ヘキサジノン
・「ヘキサジノンのADIを、0.049mg/kg体重/日と設定
する。」との審議結果が了承され、リスク管理機関(厚生労働省)へ
通知されることとなった。
*除草剤で、日本国内での農薬登録はありません。ポジティブリスト
制度導入に伴う残留基準(いわゆる暫定基準)が設定されています。

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/iinkai/i-dai266/index.html

■専門調査会会合 【新開発】【農薬】

【新開発】
○第4回新開発食品専門調査会ワーキンググループ(体細胞クローン
家畜由来食品)
日時:平成20年12月8日(月)14:00〜16:05
場所:食品安全委員会 大会議室

議事概要:
1)体細胞クローン技術を用いて産出された牛及び豚並びにそれらの
後代に由来する食品の安全性について
・「クローン動物の健全性」「エピジェネティック等」についての小
グループにおける検討結果が報告され、議論された。
・事務局から、食品に関する主な知見について説明を行い、議論された。
・次回までに、各専門分野において内容の確認を行い、次回、全体の
とりまとめについても議論することとなった。

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20081208sh1

【農薬】
○第46回農薬専門調査会幹事会
日時:平成20年12月9日(火)14:00〜16:45
場所:食品安全委員会 中会議室

議事概要:
1)テフリルトリオン
・0.0008mg/kg体重/日を一日摂取許容量(ADI)とし、
評価書(案)を一部修正の上、食品安全委員会に報告することとなった。
*除草剤で、水稲への新規農薬登録申請がされています。

2)シメコナゾール
・0.0085mg/kg体重/日をADIとし、評価書(案)を一部
修正の上、食品安全委員会に報告することとなった。
*殺菌剤で、稲、りんご、茶等に使用し、かぼちゃ、うめへの適用拡大
申請がされています。

3)ブタミホス
・0.008mg/kg体重/日をADIとし、評価書(案)を一部
修正の上、食品安全委員会に報告することとなった。
*除草剤で、メロン、すいか等に使用し、魚介類への残留基準値の
設定が申請されています。ポジティブリスト制度導入に伴う残留基準
(いわゆる暫定基準)が設定されています。

4)プロスルホカルブ
・0.019mg/kg体重/日をADIとし、評価書(案)を一部
修正の上、食品安全委員会に報告することとなった。
*除草剤で、大麦及び小麦への新規農薬登録申請がされています。

5)プロヒドロジャスモン
・0.14mg/kg体重/日をADIとし、評価書(案)を一部修正
の上、食品安全委員会に報告することとなった。
*植物成長調整剤で、りんご、ぶどうに使用し、みかんへの適用拡大
申請がされています。

6)メタラキシル及びメフェノキサム
・0.022mg/kg体重/日をADIとし、評価書(案)を一部
修正の上、食品安全委員会に報告することとなった。
*殺菌剤で、メフェノキサム(メタラキシルM)について、ピーマン、
みょうが等への新規農薬登録申請がされています。ポジティブリスト
制度導入に伴う残留基準が設定されています。

7)「暫定基準が設定された農薬等の食品健康影響評価の実施手順」
に基づく報告について
・平成20年6月から11月までに厚生労働省から報告を受けた農薬
9剤の推定摂取量のADI比等について報告された。

8)その他
・農薬/動物用医薬品/飼料添加物の安全性評価基準(仮称)につ
いて、検討を開始すること等が報告された。
・審議予定であった農薬シフルフェナミドについては、次回審議され
ることとなった。

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20081209no1

■意見交換会等 【リスコミ】

○「食品に関するリスクコミュニケーション−北米におけるかび毒の
リスク評価に関する意見交換会」【東京】

日時:平成20年12月5日(金)13:00〜15:00
場所:東京国際フォーラム ホールD1
主催:食品安全委員会
参加者:35名
内容:
1)講演
「食品中の自然毒」
チネケ・キュイパー(カナダ保健省健康製品・食品部門食品自然毒
リスク評価チームリーダー)
2)会場参加者との意見交換
チネケ・キュイパー
小西良子 (食品安全委員会かび毒・自然毒等専門調査会専門委員)
芳澤宅實 (食品安全委員会かび毒・自然毒等専門調査会専門委員)

議事概要:
・講演者が、自然毒およびかび毒(ソラニン、パツリン、オクラトキ
シン、麻痺性貝毒)のリスク評価・管理等について、カナダでの事情
を交えて説明した後、会場参加者との意見交換を行った。
・意見交換では、カナダでのリスク評価の詳細、国民への情報発信等
について質問や意見が出された。また、小西、芳澤の両専門委員から、
日本におけるかび毒の汚染実態とリスク評価について紹介が行われた。

※詳細については、近日中にホームページに掲載予定。

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厂厂厂厂 2.お知らせ
厂厂厂
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※開催案内は12月12日17:00現在のものです。

■第267回食品安全委員会会合開催案内
日時:平成20年12月18日(木)14:00〜
場所:食品安全委員会 大会議室
議題:平成20年12月16日(火)18:00頃にホームページに
掲載予定。

広報用DVDの上映:
 会合に先立ち、13時30分から、広報用DVD「リスクコミュニ
ケーションツール 何をどれだけ食べたら良いか?考えるためのヒント
〜 一緒に考えよう!食の安全 〜」を上映する予定です。
なお、広報用DVDは、原則として、月1回、最終週の委員会会合開
催前に上映する予定です。
(諸般の都合により、上映を中止する場合がございますので、ご了承願
います。)

今後の食品安全委員会等開催予定はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/iinkai/iinkai_yotei.html

■専門調査会開催案内 【リスコミ】【添加物】【新開発】【農薬】
【微生物・ウイルス】

【リスコミ】
○第41回リスクコミュニケーション専門調査会
日時:平成20年12月15日(月)10:00〜12:30
場所:食品安全委員会 大会議室
議題:
(1)「食品安全委員会の改善に向けた検討」について
(2)その他

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/osirase/risk_annai41.html

【添加物】
○第65回添加物専門調査会
日時:平成20年12月15日(月)14:00〜17:00
場所:食品安全委員会 中会議室
議題:
(1)フルジオキソニルに係る食品健康影響評価について
(2)添加物の安全性評価指針の作成について
(3)その他

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/osirase/tenkabutu_annai65.html

【新開発】
○第3回新開発食品専門調査会ワーキンググループ
日時:平成20年12月16日(火)15:00〜17:00
場所:食品安全委員会 大会議室
議題:
(1)アガリクスを含む製品に係る安全性について
(2)その他

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/osirase/wg_sinkaihatu_annai3.html

【農薬】
○第21回農薬専門調査会確認評価第一部会(非公開)
日時:平成20年12月17日(水)14:00〜17:30
場所:食品安全委員会 中会議室
議題:
(1)農薬(フルシラゾール及びペンディメタリン)の食品健康影響評価
について
(2)その他

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/osirase/nouyaku_annai_kakunin1_21.html

【微生物・ウイルス】
○第6回微生物・ウイルス専門調査会ワーキンググループ
日時:平成20年12月19日(金)14:30〜
場所:食品安全委員会 大会議室
議題:
(1)鶏肉を主とする畜産物中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリ
の食品健康影響評価について
(2)その他

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/osirase/wg_biseibutu-virus_annai6.html

【農薬】
○第26回農薬専門調査会総合評価第二部会(非公開)
日時:平成20年12月22日(月)14:00〜17:30
場所:食品安全委員会 中会議室
議題:
(1)農薬(ピリミスルファン及びフルミオキサジン)の食品健康影響
評価について
(2)その他

※詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/osirase/nouyaku_annai_sougou2_26.html

■意見交換会等の開催と参加者の募集 【リスコミ】

○「食品の安全性に関する地域の指導者育成講座」【岩手】【熊本】
【宮崎】

 食品の安全性確保のためのリスク分析の考え方や食品安全委員会
の取組について受講の後グループごとの演習を通して、コミュニケ
ーションの方法等について学びます。
 本講座で得た知識・経験を踏まえ、主体的な活動を通じて地域に
おけるリスクコミュニケーションの指導者として、情報・理解の裾
野を広げていただくことを期待しています。

・岩手会場
日時:平成21年1月23日(金)13:00〜16:30
場所:岩手県歯科医師会館「8020プラザ」
    (岩手県盛岡市盛岡駅西通2丁目5番25号)
主催:食品安全委員会、岩手県

・熊本会場
日時:平成21年1月27日(火)13:30 〜17:00
場所:グランメッセ熊本 2階 大会議室
    (熊本県上益城郡益城町福富1010)
主催:食品安全委員会、熊本県、くまもと食の安全・食育推進県民会議

・宮崎会場
日時:平成21年1月14日(水)13:00〜17:00
場所:宮崎県総合保健センター(宮崎県中央保健所)5階 大研修室
    (宮崎県宮崎市霧島1−1−2)
主催:食品安全委員会、宮崎県

プログラム(各会場共通):
・講演:「食品安全のためのリスク分析(食品のリスクとのつきあい方)」
・ゲーミングシミュレーション:「クロスロード」を使った演習

※募集等詳細はこちらをご覧下さい。
岩手会場
http://www.fsc.go.jp/koukan/kouza_annai_iwate_210123.html
熊本会場
http://www.fsc.go.jp/koukan/kouza_annai_kumamoto_210127.html
宮崎会場
http://www.fsc.go.jp/koukan/kouza_annai_miyazaki_210114.html

○「食品の安全性に関するリスクコミュニケーター育成講座」【石川】

 地域におけるリスクコミュニケーションを積極的に推進するため、
消費者、事業者など様々な関係者の立場や主張を理解し、相互の意
思疎通を円滑に進める役割を担うリスクコミュニケーターを育成す
ることを目的として、ファシリテーションの基礎講座を実施してい
ます。

日時:平成21年1月16日(金)9:30〜17:00
場所:石川県庁 11階 1102会議室(金沢市鞍月1−1)
主催:食品安全委員会、石川県

プログラム(予定):
◇DVD上映「21 世紀の食の安全〜リスク分析手法の導入〜」
◇導入とオリエンテーション
◇講義「ファシリテーションとは」
◇セッション1:基本的なスキル(その1)
◇セッション2:基本的なスキル(その2)
◇セッション3:演習
◇ふりかえり

※募集等詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/koukan/riskouza_ishikawa_210116.html

○「食育シンポジウム〜安全で豊かな食生活を目指して〜」【静岡】

日時:平成21年1月17日(土)13:30〜16:00
場所:静岡県男女共同参画センター あざれあ 大会議室
   (静岡市駿河区馬渕1−17−1)
主催:食品安全委員会、関東農政局静岡農政事務所
共催:静岡県、静岡市

内容:
1)講演:「食品の安全性とは〜食品安全委員会の活動〜」
     食品安全委員会事務局
2)パネルディスカッション
・コーディネーター:東海大学短期大学部准教授 末永 美雪
・パネリスト:   しずおか市消費者協会会長 桜井 典子
          静岡市認定農業者協会会長 青木 嘉孝
          株式会社知久代表取締役社長 知久 利克
          静岡県県民生活室
          食品安全委員会事務局

※募集等詳細はこちらをご覧下さい。
http://www.fsc.go.jp/koukan/shizuoka_risk_annai210117.html

■評価案に対する御意見・情報の募集 【動薬】

○「鶏伝染性気管支炎生ワクチン(アビテクトIB/AK)」に関す
る意見・情報の募集について
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_doubutu_ibak_201211.html

○「鶏脳脊髄炎・鶏痘混合生ワクチン(ノビリスAE+Pox)」に
関する意見・情報の募集について
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc2_doubutu_aepox_201211.html

○「塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリ
ウムを有効成分とする牛の注射剤(酢酸リンゲル−V注射液)並びに
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び酢酸ナトリウム」
に関する意見・情報の募集について
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc3_doubutu_ringeru_201211.html

上記募集期間:
平成20年12月11日(木)から平成21年1月9日(金)17:00
まで

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厂厂厂厂 3.専門委員便り
厂厂厂     化学物質・汚染物質専門調査会専門委員 井口 弘
厂厂
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 私は2007年9月30日まで汚染物質専門調査会の一専門委員
として、その翌月の10月1日からは14ある専門調査会の一つ、
化学物質・汚染物質専門調査会専門委員となった。これら専門調査会
では食品中に含まれるメチル水銀及びカドミウムなどの汚染物質に
ついて評価書を作成することが最終目的であり、討議に最初から参加
してきた。これら二つの、化学物質で汚染された食品からの摂取に
おける安全性の確保に関する議論は毎回活発、かつ科学的で今日的
な医学・生物学的知見をも踏まえたものであった。議論では全ての
専門委員の一人一人が自らの意見を積極的に述べて行われたことが
大変印象深い。このような議論の背景には、過去にこれらの物質に
よる食品汚染が原因となってかつての四大公害病における水俣病、
イタイイタイ病を発生させたが、その後の対策、研究成果が新規に
患者を発生させなかった、というこれまでの経験、知識と研究が大
きく影響していると思える。
 したがって、各専門委員は同じ原因物質による現今の食品汚染の
安全性についての議論と検討には公害病を体験した国民の一人とし
て今日的な毒性学、医学・生物学および疫学等に基づいて難しさは
あっても正確な評価と判断で科学的に対応出来たのではないかと思
える。それ故、内外の動物実験データ、疫学データが緻密に検討さ
れた。議論すべき不可避な問題であるリスク評価、および評価書案
作成という最終目的に向けて、これまでの我が国の実験研究や疫学
研究と、諸外国の研究結果やリスク評価におけるADIやJECFA
等のTDIとの異同の有無や妥当性が検討された。これらの議論の
過程において、動物実験のデータをヒトに適用する際に議論すべき
不可避な課題として勿論のこと安全係数、不確実係数、TDIの根拠
となるNOAEL、LOAEL、Benchmark Dose
(BMD)などが議論された。これまでは安全係数の決定において、
BMDを適用することも必要かつ可能なものであるということも議論
され、学ぶ機会をえた。メチル水銀やカドミウムの食品汚染に関して、
このような検討と議論が汚染物質専門調査会と化学物質・汚染物質
専門調査会を通して行われ、メチル水銀は6回、カドミウムは13回
の審議によって評価書案の完成に至った。以上が検討と議論に参加
してきた者の一人としての印象と感想である。
 あるとき、食品安全委員会の委員の方と話す機会があった。その
とき委員は私が参加している専門調査会の議論は極めて科学的議論
が活発であるとの評価を述べておられた。このような評価も当然の
ことながら、各専門委員が科学者としての自覚と信念に基づいた議論
をしてきたことの反映であるように思える。

(下記の用語は用語集に載っています)
http://www.fsc.go.jp/yougoshu.html
ADI:一日摂取許容量
JECFA:FAO(国連食糧農業機関)/WHO(世界保健機関)
合同食品添加物専門家会議
TDI:耐容一日摂取量
NOAEL:無毒性量

(用語説明)
LOAEL:最小毒性量のことで、毒性試験において対象物質を投与した
際に、対照群との間で影響の程度や頻度が生物学的もしくは統計学的に
有意に増加する最も低い投与量のことです。
Benchmark Dose(BMD):ベンチマーク用量といい、
限られた数の毒性実験データから、例えば、「リスクを1%増加させる
変化量」などといった、変化の目印となる値(ベンチマーク)を計算する
方法です。

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厂厂厂厂 4.その他
厂厂厂
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■食品の安全に関する情報の検索システムの紹介

 食品安全委員会が作成している「食品安全総合情報システム」
は、食品安全委員会、専門調査会などの配布資料・議事録、専門
用語解説、Q&A、海外情報などの総合データベースです。
 初めての方にもわかりやすいものから専門的なものまで、
知りたい情報を簡単検索。食品安全委員会が蓄積してきた膨大な
データ・情報を、いつでも、好きなときにご活用いただけます。
(登録不要)
※食品安全総合情報システムへはこちらからアクセスして下さい。
http://www.ifsis.fsc.go.jp/fsilv1/do/FSILogon

■農林水産省からのお知らせ

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※詳細はこちらをご覧ください。
http://www.maff.go.jp/j/pr/e-mag/index.html

■食品安全委員会e-マガジンバックナンバーのお知らせ

 以下のアドレスから、バックナンバーをご覧いただけます。
http://www.fsc.go.jp/sonota/e-mailmagazine/back_number.html

◆◇◆============================================================◇
(編集後記)
「師走になりました。」・・・12月に入ると、ニュース番組やワイド
ショーなどでよく耳にする。「霜月になりました。」とか、「神無月に
なりました」とか言っているのは聞かないのに、ナゼか「師走」だけは、
よく使われている。やはり一年の締め括りということで、特別感がある
のだろうか。耳にした側はといえば、これまたナゼか、「アレもしなきゃ、
うわぁ、コレもやってないじゃん。」と「バタバタ感」を想起してしまう
から不思議だ。「市井を巻き込み、どさくさまぎれで年末を乗り切って
しまおう」とする何者かが発する「バタバタ光線」でも浴びせられたの
か(失笑)。
江戸の頃は、大晦日までに借金を取り立てられなければ、もう一年借りて
いられるという様な習慣もあったようで、我々はいつの頃からか、結構
この「バタバタ感に乗ずる」ことを活用しているのかもしれない。(八街)
◆◇◆============================================================◇

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 食品安全委員会e−マガジン第126号は平成20年12月19日(金)
配信予定です。
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※このメールはシステムが自動発行しておりますので、返信メールは
 受け付けておりません。

<配信中止・配信先変更はこちら>
https://regist11.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=obp-njsd-3fc1064b497e44431b2fd03ce8281bde

<食の安全に関するご意見・ご要望はこちら>
●「食の安全ダイヤル」
・受付電話番号:03−5251−9220・9221
(月曜日から金曜日の10:00〜17:00)

・メールでの受付: https://form.cao.go.jp/shokuhin/opinion-0001.html
メールマガジンに関するご質問も上記のフォームで受付致しますが、
フォーム中「表題」の箇所に『メールマガジンについて』と記載して下さい。
なお、送付頂いたすべての内容にお答えできない場合もありますが、
今後の参考とさせて頂きます。
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〜ご利用にあたって〜
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[食品安全委員会e−マガジン]
編集:食品安全委員会e−マガジン編集会議
発行:内閣府食品安全委員会事務局勧告広報課
〒100−8989 東京都千代田区永田町2−13−10
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URL: http://www.fsc.go.jp/


〒107-6122 東京都港区赤坂 5-2-20 赤坂パークビル22階 TEL 03-6234-1166 FAX 03-3584-7390 ほげほげほげ げほげほげほ
食品安全委員会事務所所在地図(別ウインドウで開きます)