食の安全ダイヤル

「食の安全ダイヤル」に寄せられた質問等について:リスク管理一般関係



IV 
リスク管理一般関係

 i 
食品表示関係
 
Ⅳ-Q1.
食品の表示について問い合わせる場合の窓口を教えて下さい。(平成15年8月)(平成19年6月更新)
Ⅳ-A1.
  食品衛生法及びJAS法に基づく食品表示について、一元的な相談に応じるため、厚生労働省と農林水産省の連携のもと、相互に担当者を派遣し、次のとおり食品の表示に関する一元的な相談窓口が開設されております。

名称
社団法人日本食品衛生協会
食品安全情報相談室
独立行政法人農林水産消費安全技術センター食品表示110番
電話
03-3403-4127
0120-481-239(フリーダイヤル)
開設日時
毎週月・水・金曜日
(休日・祝日及び12月29日から1月4日までを除く。)
10:00~12:00、13:00~16:00
土・日・祝日及び12月29日~1月3日を除く。
9:00~12:00、13:00~17:00
 ii 
衛生管理関係
 
Ⅳ-Q2.
不衛生な原材料を使用したとされる韓国産餃子についての対応について教えて下さい。(平成16年6月)
Ⅳ-A2.
  韓国産餃子の問題については、厚生労働省から次のように説明がなされているところです。
6月8日に、韓国において廃棄用又は腐敗した大根が含まれる材料を使用したとされる餃子が流通し、一部が対日輸出されたとの報道がなされたことを受け、韓国産餃子の輸入手続を一時保留するなど、厚生労働省がその対応にあたりました。
6月10日までに韓国政府が公表した、廃棄用大根が含まれる材料を購入・使用した韓国の12餃子製造者のうち、1製造者(チョニル食品製造)が日本に餃子を輸出していたことが判明していますが、当該製造者から輸入した日本の2事業者の製品には、いずれも大根は使用されていなかったことが、日本及び韓国政府の調査で確認されています。
また、平成15年1月以降、韓国から輸入されたその他の餃子を調査した結果、韓国において問題とされている餃子が日本に輸出されていた事例はなく、韓国政府の調査結果においても不良な材料を使用した餃子が日本に輸出されていた事例はありませんでした。
なお、韓国政府が公表した12餃子製造者の餃子の輸入については、原材料に大根が使用されていた場合には、輸入手続を保留するよう、厚生労働省から検疫所に指示が出ているところです。

今回の情報を含め、食品の安全性についての総合的な情報は、厚生労働省のホームページから入手できますのでご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/index.html
 
Ⅳ-Q3.
白インゲン豆ダイエットがテレビで紹介され、健康被害が出ていますが、原因を教えてください。(平成18年5月)
Ⅳ-A3.
  平成18年5月6日にテレビ番組で紹介された調理法により調理した白インゲン豆を摂取した方が、嘔吐、下痢等の消化器症状を呈するという健康被害事例が報告されました。
インゲン豆は生、もしくは加熱不足の状態で摂取すると嘔吐や下痢等の消化器症状を起こすことが知られています。
本来、インゲン豆の調理において、水に十分浸し、柔らかくなるまで煮るのは、おいしく食べるという目的ばかりではなく、有害な成分を無害化するという目的もあります。通常の調理法で調理すれば、食品安全上問題はありません。
今回の白インゲン豆の摂取による健康被害事例については、食品安全委員会のホームページ
(http://www.fsc.go.jp/sonota/navybean.html)にも掲載しています。また、Q&Aを含む詳細については、厚生労働省のホームページ
(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/05/h0522-4.html)もしくは厚生労働省報道発表資料
(http://www.fsc.go.jp/sonota/mhlwnavybean.pdf)を御覧ください。
 
Ⅳ-Q4.
これから夏場にかけて流行する食中毒にはどのようなものがありますか。また、食中毒を予防するにはどのような注意が必要なのでしょうか。(平成20年5月)
Ⅳ-A4.
  夏場に流行する代表的な食中毒としては、腸炎ビブリオ、カンピロバクター及びサルモネラなどの細菌によるものがあげられます。いずれも一般的に、腹痛、発熱、下痢、おう吐などの症状を引き起こします。
食中毒を予防するには、以下の6つのポイントに気をつけて保存や調理などを行うことが大切です。

1、食品は新鮮な物を選び、消費期限を確認して購入すること
2、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫で保存すること
3、食品を取り扱う前だけでなく調理中も頻繁に手洗いを行うこと
4、調理するときは中心まで十分に加熱すること
5、調理済みの食品を室温に長く放置しないこと
6、残った食品はきれいな器具容器で保存すること

なお、食品安全委員会のホームページでは食中毒の予防に役立つ詳しい情報をお知らせしていますので、併せてご覧ください。

(参考)
食品安全委員会ホームページ「食中毒について」
http://www.fsc.go.jp/sonota/shokutyudoku.html
 
Ⅳ-Q5.
ペットボトルに口をつけて飲んだ場合の保存期間を教えてください。(平成20年6月)
Ⅳ-A5.
  ペットボトルに口をつけて飲むと、温度やその他の条件にもよりますが、口中から飲み残し飲料に入った雑菌がボトル内で増殖することが考えられます。
また、雑菌が増殖する際に、場合によっては二酸化炭素を発生させることがあり、飲み残し後密閉状態で長時間放置された場合など、ボトル内の圧力が高まって破裂することもあります。
いずれにしても、開栓後は消費者自身がしっかり管理することが大切です。次の点にも気をつけて、ペットボトル飲料を衛生的かつ上手に利用してください。

[1]開けたら早めに飲みきる。
時間を置いて飲むのは避け、飲み残した場合は冷蔵庫で保存の上、なるべく早めに飲みきりましょう。
[2]口をつけて飲むのはなるべく避ける。
直接口をつけて飲むのではなく、できるだけコップに注いで飲むようにしましょう。
[3]部屋や車の中に置き忘れない。
暑い部屋ではボトルが破裂することもあるので、飲み残し飲料は長時間放置せず、きちんと捨てましょう。

(参考)食品安全委員会ホームページ
キッズボックス「ペットボトル、飲み残しに気をつけよう!」
http://www.fsc.go.jp/sonota/kids-box/kids-petbottle.pdf
 
Ⅳ-Q6.
こんにゃく入りゼリーを食べた子どもが窒息死する痛ましい事故が起きましたが、食品安全委員会ではどのような対応をしているのでしょうか。(平成20年10月)
Ⅳ-A6.
  食べ物による窒息の死亡者数は、最近では毎年4千名を超えています。特に乳幼児は臼歯が無く食べ物をすりつぶすことができないため、また高齢者は嚥下【えんげ】(食べ物を口から食道を経て胃に送る)機能が低下しているため、粘りのある食べ物などを噛み砕くことができず、大きな塊のまま喉に入り気道をふさぐことがあるので注意が必要です。
乳幼児や高齢者の食事には、周囲が窒息事故の原因となる食品を知り、予防や応急手当について知っておくことが重要です。

食べ物による窒息事故を防ぐために



食品安全委員会は、ホームページにおいて、食べ物による窒息事故を防ぐための注意喚起を続けています。
痛ましい事故を少しでも減らすために、是非一度ご覧ください。


「食べ物による窒息事故を防ぐために」
http://www.fsc.go.jp/sonota/yobou_syoku_jiko2005.pdf
 
Ⅳ-Q7.
食肉による食中毒を防ぐためには、どのようなことに注意すればいいですか。
Ⅳ-A7.
 食肉には、牛肉では腸管出血性大腸菌O-157など、鶏肉ではカンピロバクターやサルモネラなどが付着している可能性があり、生や十分に加熱しない状態で食べると、食中毒を引き起こす場合があります。
食品安全委員会では、昨年、鶏肉中のカンピロバクターについて、人の健康に及ぼす影響の程度を審議して評価書を作成しました。また、本年4月に、腸管出血性大腸菌について、国内外の科学的知見の収集を行い、その情報を整理した「リスクプロファイル」を改訂しました。食中毒を防ぐために、肉やレバーなどの内臓の生食を避け、中心部まで75℃1分以上の加熱調理をするよう、ホームページ上で注意喚起を行っています。

戸外で活動する機会が増える季節を迎え、バーベキューや焼き肉を楽しむ方も多くいらっしゃると思います。その際の食中毒を防ぐための注意点は、食肉は購入後、低温保存に努めて細菌の増殖を防ぐこと、調理の際は中心部まで十分加熱すること、生肉を扱ったトングや箸をサラダなどの調理に用いないことなどです。また、乳幼児やお年寄りが食中毒にかかってしまった場合には、重い症状になることがあるので、周りの方も含めて特に注意しましょう。

<参考>
○ 食品安全委員会による注意喚起
・バーベキューによる食中毒を防ぐために
http://www.fsc.go.jp/sonota/shokutyudoku/barbecue_chudoku.pdf
・腸管出血性大腸菌による食中毒の防止について
http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/risk_profile.pdf

○ 評価書、リスクプロファイル
・鶏肉中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリ
http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20041216001
・牛肉を主とする食肉中の腸管出血性大腸菌(改訂版)
http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/risk_ushi_o157.pdf
・鶏肉中のサルモネラ属菌
http://www.fsc.go.jp/senmon/biseibutu/risk_profile/genussalmonella.pdf

 
Ⅳ-Q8.
宮崎県で口蹄疫が発生し、多数の牛や豚が罹患しているようですが、牛肉や豚肉を食べても大丈夫でしょうか。(平成22年5月
Ⅳ-A8.
 ご質問の牛肉などの安全性についてですが、口蹄疫が発生した農場では、感染が疑われるとの報告があった時点で家畜の移動が自粛されており、口蹄疫にかかった家畜の肉や牛乳が市場に出回ることはありません。また、人が感染することはなく、仮に口蹄疫にかかった家畜の肉を食べたり牛乳を飲んだりしても人体に影響はありませんので、国民の皆様には、冷静に対応していただきますようお願いします。

なお、口蹄疫は、ひづめが偶数の「偶蹄類」の家畜(牛、豚、ヤギなど)や野生動物(ラクダ、鹿など)がかかる病気で、人に感染することはありません。家畜などが感染すると、発熱したり、口の中やひづめの付け根などに水ぶくれができたりするなどの症状が出ます。
成長した家畜が感染しても死亡率は数%程度といわれていますが、発病すると食欲が無くなったり、歩くことができなくなったりして、産業動物としての価値を失うため、経済的な被害が大きくなります。また、ウイルスの伝播力が非常に強いため、周辺にいる動物にウイルスをうつさないための措置が必要となります。
このため、口蹄疫が発生した農場の家畜を殺処分したり、周辺農場の牛や豚の移動を制限したりしています。

<参考>
・宮崎県における口蹄疫の発生について (食品安全委員会)
http://www.fsc.go.jp/sonota/kouteieki_220420.pdf

・口蹄疫について知りたい方へ (農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/syh_siritai.html

・口蹄疫(Foot-and-mouth disease(FMD)) (動物衛生研究所)
http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/FMD/index.html

・口蹄疫に関する情報 (農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/index.html

・口蹄疫への対応 (首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/kouteieki/index.html

・口蹄疫に関する情報提供について (宮崎県)
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/miyazakicow/h22kouteindex.html

Ⅳ-Q9.
芽止めのために放射線を照射されたばれいしょ(じゃがいも)が販売されていますが、大丈夫でしょうか。(平成22年8月)
Ⅳ-A9.
 発芽防止の目的でばれいしょ(じゃがいも)に放射線を照射することは、食品衛生法に基づく規格基準で認められています。
食品安全委員会では食品の安全性関係の情報を収集していますが、これまでに我が国でばれいしょに放射線を照射したことを原因とする健康被害の情報や安全性に懸念があるといった情報は、現時点では入手していません。

なお、我が国の食品衛生法に基づく規格基準で認められている吸収線量は150 Gy(=0.15 kGy)であり、世界保健機関(WHO)が食品に照射しても安全性に問題がないとしている吸収線量10 kGyより低いレベルに抑えられています。

放射線を照射された食品に対する情報については以下をご参照下さい。
今後も放射線照射食品に関しては、情報収集を継続するとともに、その情報を広く提供したいと考えております。

※Gy(グレイ): 放射線が物質に当たったときに、その物質にどのくらいのエネルギーを与えたのかを表す単位

<参考>
・放射線照射食品に関する情報(食品安全委員会)
http://www.fsc.go.jp/sonota/hoshasen/hosha_index.html

・食品照射専門部会(原子力委員会)
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/syokuhin/index.htm

・食品への放射線照射について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/housya/index.html

 
Ⅳ-Q10.
健康食品やサプリメントを多量に摂取しても大丈夫ですか。(平成22年11月)
Ⅳ-A10.
 いわゆる健康食品と呼ばれるものについては、法律上の定義はなく、広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指しているものです。
「健康食品」は、法律上は一般の食品に含まれており、食品衛生法や健康増進法等に基づいて、有毒なものや指定されていない添加物が含まれているものについては、販売禁止、誇大広告の禁止等の規制を受けています。

食品安全委員会では、特定の保健の用途に資する旨を表示できる「特定保健用食品」については、消費者庁からの諮問を受けて製品ごとに安全性の評価を行っており、事業者等により適切に製造・販売され、消費者も摂取目安量等の事項に留意して摂取すれば大丈夫です。しかし、その他の「健康食品」については、個別の評価は行っておりません。

健康な体づくりのために体に必要な成分を「健康食品」から摂取される方も多くいるかもしれませんが、たとえ体に必要な成分であっても、摂り過ぎれば有害となることがあります。特にカプセルや錠剤等の形態のいわゆる「サプリメント」は、特定の成分が多量に入っていることが多いうえ、一度にたくさん摂取することができるので、過剰摂取に対する注意が必要です。

健康な体をつくるには、栄養のバランスの取れた偏りのない食生活を心がけることが重要です。食品安全委員会ホームページのキッズボックスのコーナーでは、「きちんと栄養、とっていますか?」と題して、子ども向けに、栄養は食事から摂ることが基本であることや、「サプリメント」の過剰摂取に注意する必要があることについて掲載していますので、ぜひ御覧ください。

なお、独立行政法人国立健康・栄養研究所が、ホームページで「健康食品」に関する安全性・有効性情報を掲載していますので、参考にしてください。

<参考>
・キッズボックス「きちんと栄養、とっていますか?」(食品安全委員会)
http://www.fsc.go.jp/sonota/kids-box/kids24.pdf

・「健康食品」の安全性・有効性情報((独)国立健康・栄養研究所)
http://hfnet.nih.go.jp/

・「健康食品」のホームページ(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/index.html

 
Ⅳ-Q11.
米国において、韓国産カキによる食中毒が発生したという報道がありましたが、日本では輸入食品の安全性をどう守っているのですか。(平成24年7月)
Ⅳ-A11.
 海外から輸入される食品等(食品、食品添加物、器具、容器包装、厚生労働大臣が指定する乳幼児用おもちゃ)については、国内で生産される食品等と同様に食品衛生法に基づく規格基準に適合している必要があります。
 食品等を販売する目的で輸入する場合には、同法の規定に基づき、厚生労働省検疫所に対して輸入の都度、届出を提出する必要があります。この届出を受けて、全国の港や空港にある検疫所では審査や検査を行います。
 検疫所では、輸入食品監視指導計画に基づきモニタリング検査を行うとともに、その検査の結果から違反の可能性が高いと見込まれる輸入食品については、輸入業者に対して輸入届出ごとの全ロットについての検査を命じています。

 韓国産カキについては、米国での食中毒の情報を受けて、厚生労働省は6月22日と7月6日に、韓国産二枚貝のモニタリング検査や現物確認を強化するよう検疫所に通知しました。さらに、同省は、7月25日には、韓国政府に対して汚染水域からの二枚貝の輸出を見合わせるよう要請するとともに、検疫所に対し、輸入業者に対して同水域からの輸入の見合せを指導するよう通知しています。

 なお、食品安全委員会では、食品の安全性に関する海外の情報を収集し、公表しています。食品安全委員会ホームページの「食品安全関係情報」からご覧いただけますので、ぜひご利用ください。

(参考)
 ・食品安全関係情報(食品安全委員会)
  http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/search
  <韓国産二枚貝に関する情報の例>
   ●平成23年11月4日 米国食品医薬品庁(FDA)、ノロウイルス感染で韓国産冷凍カキを喫食しないよう
    注意喚起を実施
   http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03460420105
   ●平成24年6月10日 台湾行政院衛生署、韓国産カキが原因とみられる食中毒が発生した旨公表
   http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03600690361
   
 ・輸入食品監視業務(厚生労働省)
  http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yunyu_kanshi/index.html
  <韓国産二枚貝に関する通知>
   ●平成24年7月6日 食安輸発0706第1号「韓国産二枚貝の取り扱いについて」
   http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/other/2012/dl/120706-01.pdf
   ●平成24年7月25日 食安輸発0725第2号「韓国産二枚貝の取扱いについて」
   http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/other/2012/dl/120725-02.pdf
   
 
Ⅳ-Q12.
現在妊娠中です。いろいろな情報を耳にしておなかの赤ちゃんに悪い影響があるのではないかと心配しているのですが、妊婦の食事で気を付けなければならないことは何ですか。(平成24年12月)
Ⅳ-A12.
 妊娠中のホルモン変化は母体の免疫系に影響を及ぼし、免疫機能を低下させ、疾病によりかかりやすい状態を招きます。毎日の食事は母体の健康のみならず胎児の成長にも大切なものとなります。偏食を避け、いろいろな食品をバランスよく食べることを心がけましょう。
 また、おなかの中の赤ちゃんは、体の機能が未発達のため、胎盤を通過した有害物質を代謝や排泄することが上手にできませんので、次のようなことに気を付けてください。

●飲酒
 妊娠中にアルコールを摂取した女性から生まれたこどもに、発育の遅れ、中枢神経系の障害等を伴う先天異常がみられる場合があり、これを「胎児性アルコール症候群(FAS)」と呼びます。アルコールがどのように作用してFASを引き起こすのか十分に解明されていませんが、アルコールによる胎児の障害は妊娠中であれば何時でも起きる可能性があります。
 生まれてくるこどものためにも、妊娠中の飲酒は控えましょう。
 ・「妊婦のアルコール飲料の摂取による胎児への影響」(PDF)(ファクトシート)
  http://www.fsc.go.jp/sonota/54kai-factsheets-alcohol.pdf

●ビタミンA
 ビタミンAは、視覚、聴覚、生殖等の機能維持や成長促進、皮膚や粘膜の保持、タンパク質合成等に関与するビタミンの1つで、不足すると夜盲症等になる可能性があることが知られていますが、過剰摂取した場合も、腹痛、嘔吐、めまい等の急性中毒症状、関節痛、脱毛、食欲不振等の慢性中毒症状、その他、催奇形性、骨粗しょう症になる可能性があることが知られています。
 日本人の食事摂取基準(2010年版)では、18歳以上の女性のビタミンAの一日当たりの耐容上限量は妊娠の有無にかかわらず2,700μgRE※/日となっています(20歳代、30歳代の日本人女性の平均摂取量は450μgRE※/日程度)。EUの食品科学委員会によるビタミンAの耐容上限摂取量に関する意見書では、妊娠期及び授乳期の上限量として3,000μgRE/日が示されています。
 現在の日本の食生活では、ビタミンAが不足することは少ないようですので、妊娠3か月以内又は妊娠を希望する女性は、妊婦の推奨量を超えるようなビタミンAを含有する健康食品やサプリメント等のビタミンAを高濃度に含有する食品の過剰摂取は避けましょう。
 ・ビタミンAの過剰摂取による影響
  http://www.fsc.go.jp/sonota/factsheet-vitamin-a.pdf
※ビタミンAはレチニルエステル、カロテノイド等のビタミンAの生物作用を示す全ての物質を総称する一般名であり、ビタミンAとしての生物学的効力を表わす用語は「レチノール当量(RE)」が使われています。

●魚介類等に含まれるメチル水銀
 魚介類の体内には、自然界の食物連鎖を通じて微量のメチル水銀が蓄積されています。一般にその含有量は低いですが、一部の魚介類については、食物連鎖を通じた濃縮を経てメチル水銀濃度が比較的高いものも見受けられます。妊娠中の方がメチル水銀濃度の高い魚介類を大量に食べると、体内に入ったメチル水銀の一部が胎盤を通過して胎児に移り、その胎児の神経発達に影響を及ぼす可能性があります。
 食品安全委員会では、平成17年8月に「魚介類等に含まれるメチル水銀についての食品健康影響評価」をとりまとめ、妊娠している方もしくは妊娠している可能性のある方のメチル水銀の耐容週間摂取量を2.0μg/kg体重/週(水銀として)としました。厚生労働省が実施している調査によると、平均的な日本人の水銀摂取量は健康への影響が懸念されるようなレベルではないとされています。
 魚介類は、良質なたんぱく質や、生活習慣病の予防、脳の発達に効果があると言われているDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)を多く含み、またカルシウム等の摂取源で、妊娠中の栄養バランスの良い食事には欠かせない食品です。偏った食べ方を避けて魚食のメリットを生かしたバランスの良い食生活を心がけましょう。
 ・「魚介類等に含まれるメチル水銀の食品健康影響評価」のポイント(PDF)
  http://www.fsc.go.jp/hyouka/hy_methylmercury_point.pdf

●大豆イソフラボン
 大豆イソフラボンは、大豆に含まれ、植物エストロゲンのひとつといわれ、その化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ているため、エストロゲンに似た作用を生じることが知られています。
 妊娠中の方が、日常の食生活に上乗せして、健康食品、サプリメント等により大豆イソフラボンを過剰に摂取することはおすすめできません。
 一方、大豆や大豆食品(豆腐、納豆、味噌等)は、植物性たんぱく質、カルシウム等の栄養素に富む食品です。これらの食品を通常の食生活で摂取しても大豆イソフラボンの過剰摂取にはならないため、これらの食品の安全性は問題ありません。
 ひとつの食品・成分に偏ることなく、バランスの良い食生活を心がけましょう。
 ・「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A集」(食品安全委員会)
  http://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html

●リステリア
 リステリアは食品を介して感染する食中毒菌で、塩分にも強く冷蔵庫の中でも増殖します。一方で熱には弱いため、十分に加熱すれば安全性は確保されます。リステリアは、自然界に広く存在しており、海外では、加熱せずに摂食する食品を原因とした食中毒事例が報告されています。
 妊婦は、一般の人よりもリステリアの影響を受けやすく、感染し、万が一重症化した場合には胎児の早産、流死産、敗血症等の影響が出ることがあるといわれています。そのため、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモン等の十分に加熱しない食品を過度に摂ることはおすすめできません。また、海外から輸入されたリコッタチーズ等ソフト系のナチュラルチーズの中には加熱殺菌されていないものもあり、これらについても注意が必要です。
 日頃より食品の取扱いに注意し、冷蔵庫を過信せず、食べる前に十分加熱するようにしましょう。
 また、リステリア以外の食中毒についても、いつも以上に気をつけるようにしましょう。
 ・食品健康影響評価のためのリスクプロファイル
  ~非加熱喫食調理済み食品(Ready-to-eat食品)におけるリステリア・モノサイトゲネス~
 (改訂版)http://www.fsc.go.jp/sonota/risk_profile/listeriamonocytogenes.pdf

●トキソプラズマ
 トキソプラズマ症は、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)の寄生による感染症であり、人を含む多くの動物に感染します。人では世界中で広く感染がみられ、感染率は国、地域、年齢によって異なり、食肉習慣やネコでのトキソプラズマの保有率、生活環境の衛生状態などが複雑に関連すると考えられています。
 妊娠中(特に妊娠初期)の女性がトキソプラズマ症に初めて感染した場合、発症する確率はかなり低いとされていますが、胎児が先天性トキソプラズマ症をおこす可能性があります。胎内感染により起こる先天性トキソプラズマ症は、死産、自然流産だけではなく、生後に精神遅滞、視力障害、脳性麻痺など、重篤な症状をもたらすことがあります。
 病原体が含まれる未加熱または加熱が不十分な食肉の経口摂取や、水や土壌からの感染事例があります。また、ネコはトキソプラズマの終宿主であり、感染したネコの糞便に含まれるトキソプラズマが感染源となり感染が引き起こされます。
 肉の生食は控えるとともに、肉を調理する際は、中心部まで十分に加熱することが重要です。また、まな板などの調理器具を肉用とその他用に分けるなどの対応も必要です。猫や生肉、土壌に触れた後は、手をよく洗い、また、調理器具を介した感染にも注意しましょう。
 ・病原微生物検出情報(IASR)原虫・寄生虫類を原因とする急性脳症
  http://idsc.nih.go.jp/iasr/28/334/dj3344.html
 ・米国疾病予防管理センター(CDC)トキソプラズマ症 予防と管理
  http://www.cdc.gov/parasites/toxoplasmosis/prevent.html

(参考)
 ・お母さんになるあなたへ
  http://www.fsc.go.jp/sonota/maternity/maternity.pdf
 ・WHO INFOSAN 妊娠中および授乳期の食品安全と栄養
  http://www.who.int/foodsafety/fs_management/No_03_nutrition_Apr08_jp.pdf
   



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