研究情報詳細

評価案件ID cho99920181601
評価案件 経管栄養食品等に含まれるセレン化合物の化学形態に着目したリスク評価及びバイオアベイラビリティに関する研究
資料日付 2018年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 セレンは生体必須微量元素であるが、毒性の強い元素でもある。セレンの栄養学的な価値や毒性は、摂取する化学形態に依存すると言われている。現在、我が国では栄養補充の目的で利用される食品やいわゆる健康食品の中には、亜セレン酸、セレン酸あるいはセレノメチオニンといった化学形が用いられているが、これらの化学形は実際に食事中から摂取している化学形とは異なっている。そこで、食事中から摂取させる可能性のあるセレン化合物を含めた9つの化学形について、栄養学的な価値と毒性について評価を行った。in vitroにおける腸管吸収モデルでは、単量体型のセレノアミノ酸が最も効率よく吸収された。しかし、in vivoにおいて経口投与した場合はセレンの体外排出形の一つであるトリメチルセレノニウムイオン以外は等しく利用されることが明らかになった。一方、静脈内に投与した場合は、経口投与とは異なり、化学形ごとの差異が見られた。この原因として、腸内細菌叢の関与が示唆された。つまり、ヒトや動物は様々な食材から、様々な化学形のセレンを摂取したとしても、腸内細菌叢の働きによって均一にセレンを利用できる仕組みを有していることが示された。しかし、一部のセレノアミノ酸は細菌に対して特異的な毒性を発揮することも明らかとなったため、腸内細菌叢にかく乱が起こるような摂取や腸内細菌叢が未成熟な場合はセレン化合物の摂取に注意が必要であると結論した。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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