研究情報詳細

評価案件ID cho99920090703
評価案件 化学物質による肝肥大誘導機序の解析を基盤とした肝発がんリスク評価系の構築(研究課題番号0703)
資料日付 2010年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 "[主任研究者]所属:静岡県立大学/氏名:出川 雅邦
 本研究は、非遺伝毒性化合物で生ずる肝肥大の毒性学的意義を明らかにするとともに、肝発がんリスク評価系の構築に有用な指標を見出すことを目的とした。肝肥大誘発作用がある7種の非遺伝毒性化合物(肝発がん性化合物を含む)を用いて、ラットに13週間混餌投与および投与後4週間休薬し、肝肥大誘発過程における特徴を分子生物学的、生化学的、病理組織学的に解析した。
その結果、13週間投与群では、分子生物学的解析により、NMDA受容体遺伝子の他、数種のDNA損傷依存性細胞増殖抑制因子やホルモン応答性遺伝子の発現変動が、肝肥大誘発の指標になる可能性を示した。また、用いた化合物全てに、あるいは肝発がん性化合物でのみ共通に発現変動する遺伝子を見出した。一方、何れの化合物でも、誘発された肝肥大は、休薬処置により生化学的、組織化学的にもほぼ正常レベルに回復した。しかし、休薬処置後でも、多数の遺伝子が発現変動していることや、薬物代謝酵素CYP2B誘導作用を有する肝発がん性化合物では持続的変化(肝細胞内の脂肪滴や8-OHdGレベルの増加など)が見られ、分子生物学的には、「肝肥大」が毒性の指標になる可能性も考えられた。以上、休薬実験による分子生物学的解析が肝肥大誘発物質の毒性や肝発がん性を評価する上で有用であることを示した。"

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
添付資料ファイル