研究情報詳細

評価案件ID cho99920080605
評価案件 非加熱喫食食品から検出されるリステリア・モノサイトゲネスのリスク評価に関する研究(研究課題番号0605)
資料日付 2009年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要 [主任研究者]所属:東京海洋大学/氏名:藤井 建夫
欧米では100万人あたり4~5人のリステリア症患者が発生しているが、我が国ではほとんど問題となっていない。一方、我が国におけるリステリア・モノサイトゲネスの食品汚染率は欧米と比較して大きな差は認められず、特に、魚卵やネギトロなど加工工程の多い非加熱喫食食品を中心に高頻度に検出されている。本研究では、わが国で市販されている非加熱喫食水産食品について、リステリアモノサイトゲネスの分布、汚染菌量、分離株の病原性を総合的に評価し、また、菌株の遺伝子性状を簡便に解析できる手法を開発し、我が国において分離されるリステリア菌株のリスク評価手法を確立した。研究の結果、上記食品に広く汚染しているリステリアモノサイトゲネス菌株の遺伝子性状やマウスへの病原性は米国やヨーロッパで重篤な食中毒を引き起こした臨床株のそれと差がないことが明らかとなった。今後は、これらの増殖動態やその制御法が重要な課題になると結論した。

〔食品安全委員会の本研究課題に対する事後評価・総合コメント〕
目標以上の成果が得られた。現在、本食中毒の本邦での大規模な発生は、確認されていない。しかし、今後の発生に備え我が国における分離株の病原性の評価や検査法の開発が行われ、リステリア・モノサイトゲネスに関する食品健康影響評価に活用が期待される。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
添付資料ファイル