食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05870390314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、小麦粉中に含有される大腸菌に関する「声明004/2020」についての技術的意見交換の最初の結果を公表
資料日付 2022年7月7日
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概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は7月7日、小麦粉中に含有される大腸菌に関する「声明004/2020」についての技術的意見交換の最初の結果を公表した(Communication No. 018/2022、PDF版2ページ)。概要は以下のとおり。
1. 背景
 2020年、BfRは、小麦粉中に含有される志賀毒素産生性大腸菌(STEC)の健康リスクに関する「声明004/2020」を公表した。当該リスク評価の背景には、連邦管理計画(BUp)由来の小麦粉検体において、相当な割合がSTECで汚染されているという観察結果がある。
 当該リスク評価では、小麦粉から検出されたこれらの細菌は極少量であり、また欧州における疾病症例は小麦粉にまで遡ることができないと判断された。しかしながら、特定の状況下では、これらの汚染は健康上のリスクをもたらす可能性がある。北米(カナダ及び米国)では、対応する感染症が生の生地の摂取後に観察されている。過去2年間、BfRは、科学、食品モニタリング、産業界、及び、業界団体の専門家と未解決問題及び実施可能な対策について議論を重ねてきた。様々な機会において議論されたトピックの中には、小麦粉中にSTECを混入させ得る発生源、分析上の課題、消費者教育のための適切な対策、及び、さらなる研究の必要性が含まれる。
 小麦粉を原材料とする食品(パン、高級焼き菓子(feine Backwaren)、ペストリー、ソース等)の製造工程における通常の加熱手順は、STEC感染が引き起こす健康への有害影響から消費者を保護する。これは、良好な台所衛生の規則(生地のつまみ食い禁止、相互汚染の回避)が遵守されていれば、一般家庭におけるベイキング工程にも当てはまる。しかしながら、一般家庭にて作成された生地を生の状態で、或いは、市販の既製生地を摂取する場合、その生地がSTECに汚染されていれば感染の危険がある。一般市民における当該健康リスクの認知度、また、その効果的なリスク・コミュニケーションは、BfRが計画している消費者意識調査の対象である。
2. 意見交換結果の概要
 STECは、生命を脅かす重篤な感染症の原因となる可能性がある。そのため、穀粒及び穀粒粉が含まれる食品から、可能な限りSTECを排除する必要がある。
 穀物粉中へのSTEC混入を引き起こす可能のある侵入経路に関し、その候補となる経路の重要度はデータ不足のため未解明である。一例として、圃場に出入りする野生反芻動物の糞便からの侵入が考えられる。有機肥料を施肥した土壌から植物体を経由して穀粒に侵入する経路も原理的には可能であるが、現在までのところ経験的実証は得られていない。
 小麦粉中へのSTEC混入経路としての製粉工場の重要度も未解明である。まず第一に、製粉工場から実験データを収集する必要があり、その結果に基づき、加工工程において極めて重要となる段階を特定し、技術的に可能な限り小麦粉及び小麦粉由来製品のSTEC汚染を最小限に抑えるための衛生対策を策定しなければならない。その際には、工程終盤に実施する小麦粉の加熱処理の有効性及び実行可能性も検証する必要がある。
 STECは他の細菌と同様に、通常、小麦粉に不均一に分布しているため、分析は極めて困難である。微生物学的検出手法の調和化及び最適化を目的と定める必要がある。BfRの大腸菌に関する国立基準研究所(The National Reference Laboratory for E. coli)は、当該目的に関する研究を実施し、複数の国家標準化機関と協働し、その方法論の適合に向け取り組んでいる。
 小麦粉に含有されるSTECの健康リスクに関する一般市民の認識及びその程度は、現在のところ不明である。そのためBfRは、食品を生で摂取することの健康リスクに関する消費者意識調査を実施し、小麦粉及び生の生地に含有されるSTECの問題に対処する計画である。その目的は、これらの健康リスクを伝達するための手段の検討、及び、小麦粉や既製生地の包装に表示される情報が感染リスク最小化に果たす効果の検証である。
 BfR opinion No 004/2020「小麦粉中に含有される大腸菌-発生源、リスク及び予防」(2020年1月20日公表)は以下のURLから入手可能。
https://www.bfr.bund.de/cm/349/escherichia-coli-in-flour-sources-risks-and-prevention.pdf
(訳注)feine Backwaren: ドイツ食品規約(Deutschen Lebensmittelbuches)準拠のガイドラインにおいて、添加脂肪及び/又は添加糖の含有量が、穀類製品及び/又はでんぷん90に対して10部以上である製品と定義される。パン類やビスケット類は、穀物及び/又は穀物製品90に対して、脂肪及び/又は糖分が10未満と規定される。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/cm/349/escherichia-coli-in-flour-first-results-of-the-technical-exchange-on-bfr-statement-004-2020.pdf
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