食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05810500149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)及び欧州疾病予防管理センター(ECDC)、ヒト、動物及び食品に由来する人獣共通感染症細菌及び指標細菌の薬剤耐性に関する2019~2020年欧州連合総括報告書を公表
資料日付 2022年3月29日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)及び欧州疾病予防管理センター(ECDC)は3月29日、ヒト、動物及び食品に由来する人獣共通感染症細菌及び指標細菌の薬剤耐性に関する2019~2020年欧州連合総括報告書(197ページ、2022年3月1日採択)を公表した。概要は以下のとおり。
 ヒト、動物及び食品に由来する人獣共通感染症細菌及び指標細菌の薬剤耐性(AMR)に関するデータは毎年欧州連合(EU)加盟国から集められ、EFSA及びECDCが共同で分析し、年次EU総括報告書で報告される。EU域内の動物及び食品中のAMRの年次モニタリングでは、報告年に対応した特定の動物種を対象とする。2020年のモニタリングでは、特に家きん及びそのと体/食肉を対象とし、2019年は肥育豚及び1歳未満の子牛並びにそれらのと体/食肉を対象にモニタリングが実施された。2019年~2020年のAMRのモニタリング及び報告には、サルモネラ属菌、カンピロバクター属菌及び指標大腸菌分離株に関するデータ、また、基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)/AmpC/カルバペネマーゼ産生と推定される大腸菌分離株の固有モニタリングから得られたデータが含まれる。加えて、複数の加盟国は、動物及び食品中のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の存在に関する自主的な(モニタリングの)データを報告し、いくつかの国は薬剤感受性に関するデータも提供している。
 当該報告書では、対象となった主要な食料生産動物集団、と体/食肉検体及びヒトにおける、2019年~2020年の調和のとれたAMRモニタリングの主要な調査結果の概要を提示している。入手可能な場合、豚、子牛、ブロイラー、採卵鶏、七面鳥、と体/食肉検体及びヒトから得られたモニタリングデータをEUレベルで組み合わせて比較した。これらは特に、多剤耐性、完全な感受性(complete susceptibility)(※訳注)及び極めて重要な抗菌性物質(critically important antimicrobials)に対する耐性の組み合わせパターンについて、また、ESBL/AmpC/カルバペネマーゼ産生表現型を有するサルモネラ属菌及び大腸菌株に重点が置かれた。特に、統一パネルの抗菌性物質に対する大腸菌の完全な感受性やESBL/AmpC産生大腸菌の存在割合といった、2014年から2020年までの期間における食料生産動物中のAMRに関する重要なアウトカム指標が分析された。
(以下、当該報告書の公表を紹介するEFSAの記事から抜粋)
 ECDC及びEFSAが本日公表した報告書によると、サルモネラ属(Salmonella)細菌及びカンピロバクター属(Campylobacter)細菌における薬剤耐性は依然として高水準である。
 カンピロバクター症は2020年にEUにおいて最も多く報告された人獣共通感染症であり、最も多く報告された食品由来疾患であった。ヒト及び家きんに由来するカンピロバクター属細菌は引き続き、シプロフロキサシンに対する耐性の割合が非常に高いことが示されている。同物質はフルオロキノロン系の抗菌性物質の一つであり、いくつかの細菌性のヒト感染症の治療に一般的に用いられるものである。
 C. jejuniについては、フルオロキノロン系の抗菌性物質に対する耐性の増加傾向が、ヒト及びブロイラー由来株で観察されている。ヒトにおけるサルモネラ属菌で最も一般的な種類であるS. Enteritidisでは、キノロン/フルオロキノロン系の抗菌性物質への耐性の増加傾向が観察された。動物におけるC. jejuni及びS. Enteritidisのこれらの薬剤に対する耐性は概ね中程度~高(moderate to high)であった。
 しかし、特定の抗菌性物質に対する耐性の増加傾向はみられるものの、ヒト及び食料生産動物由来の細菌(大腸菌、サルモネラ属菌及びカンピロバクター属菌)において、二種類の極めて重要な抗菌性物質に対し両方に耐性をもつものの割合は依然として低い。
 2016年から2020年までの期間で、ヒト由来のサルモネラ属菌においてテトラサイクリン系及びアンピシリンに対する耐性の低下が、それぞれ9か国及び10か国で観察され、これは特にS. Typhimuriumで顕著であった。低下しているにもかかわらず、ヒト及び動物に由来する細菌のこれらの薬剤に対する耐性は依然として高い。
 さらに、EU諸国の半分以上で、食料生産動物において、ESBL産生大腸菌の存在割合の統計的に有意な減少傾向が観察された。ESBL産生大腸菌の特定の株はヒトの深刻な感染症の原因であるため、これは重要な知見である。
 食料生産動物由来の大腸菌及びサルモネラ属菌におけるカルバペネム耐性は依然として非常にまれである。カルバペネム系物質は最終手段の抗菌性物質(last resort antibiotics)であり、人獣共通感染症細菌におけるこれらへの耐性を示す知見はいずれも注意を要する。
 結果及び傾向は、過去数年に報告されたデータと一致しているものの、COVID-19パンデミックは、特に公衆衛生関連の報告データ量に影響を与えた。
 EFSAの当該報告書の紹介記事は以下のURLから閲覧可能。
https://www.efsa.europa.eu/en/news/salmonella-and-campylobacter-continue-show-high-levels-antibiotic-resistance
(※訳注)統一パネルが指定する各抗菌性物質系統それぞれに対し感受性であること。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2022.7209
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