食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu05570340470 |
| タイトル | 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)の複数国で出現したカルバペネマーゼ遺伝子を有する高病原性肺炎桿菌(hvKp: hypervirulent Klebsiella pneumoniae)ST23に係る迅速リスク評価書を公表 |
| 資料日付 | 2021年3月17日 |
| 分類１ | - |
| 分類２ | - |
| 概要（記事） | 欧州疾病予防管理センター(ECDC)は3月17日、欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)の複数国で出現したカルバペネマーゼ遺伝子を有する高病原性肺炎桿菌(hvKp: hypervirulent Klebsiella pneumoniae)ST23に係る迅速リスク評価書を公表した。概要は以下のとおり。 アイルランドは、ECDCの疫学情報共有システム(EPIS)薬剤耐性及び医療関連感染(AMR-HAI)プラットフォームの緊急問い合わせ(Urgent Inquiry)で、2019年3月以降、カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(CPE)の保菌サーベイランスのために採取された直腸又は糞便検体及び診断用検体からhvKp ST23が分離されたことを報告した。これらには、孤発的なものに加え、二つの異なる地理的クラスターと認められるものもあった。EU/EEAで検出されたhvKp ST23分離株の追加情報として、公的データベース上のデータ(n=26)に加え、EURGen-Net(European Antimicrobial Resistance Genes Surveillance Network)へのデータ要請に応じてナショナルリファレンスラボラトリー(NRL)からデータ(n=12)が提出された。分析の結果、2012年以降にEU/EEA諸国で検出された分離株の中には、カルバペネマーゼ遺伝子を保有しているものがいくつかあり、その中ではblaOXA-48が最も多かった。 hvKp株は「古典的」肺炎桿菌株とは異なり、健康な個人に重い感染症を引き起こし、しばしば体の様々な場所に広がり悪化させる可能性があるため、その高病原性とカルバペネムなどの「reserve」抗菌性物質(訳注:他の手段が使用できなくなった時に最後の手段として使用すべき抗菌性物質)耐性を併せ持つ株の出現が懸念されている。hvKp株は過去には主としてアジアで見つかっており、主要な感染経路は市中感染で、抗菌性物質に耐性を示すことは稀であった。しかし、最近の報告では、地理的な広がり、医療関連感染及び多剤耐性菌の増加が指摘されている。hvKp株の病原性と薬剤耐性が組み合わさることにより、これまで健康だった成人が治療できないかもしれない(治療が困難な)感染症に罹る可能性が生じる。カルバペネム耐性hvKp株が医療現場で蔓延し、脆弱な患者集団に罹患した場合、より一層高い罹患率と死亡率が予想される。これまでにEU/EEAで報告された症例やクラスターはごくわずかであるが、カルバペネマーゼ産生hvKp株が「古典的」なカルバペネマーゼ産生肺炎桿菌株と同様に医療関連病原体として定着することを避けるためには、hvKp株を早期に検出し、EU/EEA諸国の医療現場でのさらなる拡大を防ぐことが重要である。カルバペネマーゼ産生hvKpのさらなる拡大に関連するEU/EEAの患者集団のリスクは、現時点では中程度(moderate)と考えられるが、将来的にhvKp ST23 が医療現場で定着した場合には、そのリスクは高くなる可能性がある。EU/EEAにおけるhvKp ST23の保有割合を明らかにするためのさらなる調査が必要である。 対応策としては、臨床医や臨床微生物検査機関への注意喚起、hvKp株を検出するための十分な検査能力の確立、付随する薬剤耐性の有無にかかわらず(例えば、過粘稠性やstring test(訳注：粘稠性試験)陽性に基づき)、hvKp株と疑われる全ての分離株をNRLに提出し、さらなる分析を行うことなどが挙げられる。症例や関連するリスク因子の疫学的データなどhvKpに関する今後のデータ収集は、国内の感染拡大や伝播経路の理解を深め、今後のサーベイランスや管理対策の必要性の判断に役立つ。 当該評価書(14ページ)は以下のURLから入手可能。 https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/Emergence-of-hypervirulent-Klebsiella-pneumoniae-ST23-carrying-carbapenemase-genes.pdf |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | EU |
| 情報源（公的機関） | 欧州疾病予防管理センター(ECDC) |
| 情報源（報道） | 欧州疾病予防管理センター(ECDC) |
| URL | https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/risk-assessment-emergence-hypervirulent-klebsiella-pneumoniae-eu-eea |
（※注）食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要（記事）は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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